まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『蜘蛛の巣の家』世間ってやつは・・・゜・(>_<;)・゜

2008-11-20 01:13:50 | イギリス・アイルランドの作家
THE HOUSE OB COWEBS 
1906年 ジョージ・ロバート・ギッシング

“ 正直者が馬鹿を見る ” っていうんでしょうか?
真面目に生きている優しい人たちが痛い目にあっちゃうという話しが多くて
少し凹みます・・・

15篇の短篇にギッシングの功績を記した章が加えられています。

『ロドニ嬢の余暇(Miss Rodney's Leisure)』
立派な婦人の下宿を出て、あまり評判の良くない下宿屋のひと部屋を借りた
気丈な女教師ロドニ孃。
彼女は居心地のいい下宿屋にしようと、だらしない女主人も、飲んだくれの主人も
不躾な娘たちも含め、改革に乗り出します。
最後の難関は、もう一人の下宿人を追い出すことでした。

これは痛快でした。
ロドニ孃は、なにも正義感とか善行で下宿を改革してるわけでなくただのわがままなの。
それからヒマだったのね。
クール&アグレッシブ!! 見習いたいものです。

『豚と呼子亭(The Pig and Whistle)』
助教員ラディマンが週末によく訪れる郊外の呼子亭の主人は
王子殿下を接待したことがあるという妄想のせいで落ちぶれてしまいました。
一人で店を切り盛りするフォガレス孃とラディマンは次第に親しくなります。

老後を田舎の旅籠屋の主人として送るなんて素敵じゃない?
しかも奥さん若いの! 世のサラリーマンの憧れですね。
ペンション・ブームってありましたねぇ。
ブームも去って、いいことばかりじゃないってこともあるでしょうね?

『ゆかしい家族(A Charming Family)』
気の弱いオールド・ミスの家主シェパスン嬢は、家賃を払ってくれないライマ家を訪れ
その一家に魅了されてしまいます。
彼女は勧められるままに一家と一緒に暮らし始めますが家賃は払われず
まるで雇い人のように日々の仕事を手伝うようになります。
それでもシェパスン嬢は、家族ができたようで幸せでした。

ぜったいダマされてるっ!! て思っちゃうんですけど、そうではないんです。
ライマ夫妻は正直なんです・・・なんですが、要領はいいらしい。
そして口が上手いらしい。
まあ、本人が幸せならそれでいいかな、と思います。

明るめな3篇をとりあげてみました。

お人好しって、やっぱりダマされやすいのかな? なんて考えちゃう1冊。
いつの時代も、世間て世知辛いですね。

私はあえて人を騙そうとは思わないけど、自分も絶対騙されない自信があるんです。
なぜなら疑り深いし、お人好しじゃないから・・・
街頭募金はしませんし、マルチ商法のしつこい勧誘を撃退した経験もあります。
ぜったいお金も貸しません!! 貸すお金もないけどさ・・・

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