まりっぺのお気楽読書

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オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世愛妾 カタリーナ 

2009-08-04 00:32:57 | 王の寵姫・愛妾
皇后ご推薦の愛妾
キシュ夫人 カタリーナ・シュラット


1853~1940/愛妾 1885~1916?

カタリーナは不動産業者の娘で6歳の頃から女優を志していたそうです。
両親の反対もなんのその、18歳の時にベルリンでデビューしなかなかの評判を得ました。
数ヶ月後にウィーンの劇場から招かれベルリンを後にしました。

23歳の時に後のハンガリー領事ニコラウス・フォン・キシュと結婚しましたが
この結婚はキシュの借金のせいで破綻して夫婦は生涯別居することになりました。

       

1883年ブルク劇場に招かれ人気を得て謁見のために宮殿を訪ねたのが
フランツ・ヨーゼフ1世(以下フランツ)との出会いでした。
2度めの謁見の後、フランツはどうやら彼女に恋をしたらしく
足しげく劇場に通い、姿を見るだけで満足そうに帰って来るようになりました。

このフランツの(53歳だけど)少年のような恋を応援したのは誰でしょう?
それは皇后エリーザベトです。 日本でもおなじみのシシィです。
奇妙な皇后と呼ばれていた変わり者の彼女ですが、なぜ夫の浮気の後押しを?

実はシシィは宮廷が大嫌いでほとんどウィーンにいませんでした。
それから独りの時間をこよなく愛していてフランツのことはほったらかし状態
これじゃあ夫が可哀想ということで愛妾を探していたのです。
カタリーナなら人柄もいいし、身分が低いからもめごともなさそうだし、というわけで
全面的にバックアップしました。

毎度比べて申し訳ないが、フランス宮廷とは違って道徳にうるさいオーストリア宮廷では
ふたりで会うのもままならぬ … 皇帝自ら招くなんてもってのほか、ってことで
シシィがカタリーナを招待してふたりきりにしてあげました。 ビックリ

カタリーナは1889年に宮殿のすぐ側の館に移りましたが、シシィの居間を通って
フランツに会いに行っていたらしいし、ふたりの喧嘩が長引くと
夫の機嫌が悪くなるので、シシィが仲直りをさせていたそうです。 2度ビックリ

たま~にシシィが嫉妬してカタリーナを「デブ」と言ったり、陰で笑い者にしましたが
基本的にはふたりの関係を見守っていて、3人は円満に暮らしておりました。
皇女マリー・ヴァレリーは日記で「わけが分からん」と不満をもらしています。

1898年、シシィが旅行先のジュネーブで暗殺されます。
邪魔者が居なくなったと思いますよね? ところがふたりの関係は微妙になっていきます。

まずは宮廷を訪ねて行くのが難しくなったこと。
それから急にカタリーナがシシィのように振る舞いだしたこと。
1900年には女優を隠退しスイスに引き蘢ったカタリーナに向けて
フランツが新聞広告で「帰ってきてくれ」とお願いしたために
国民の顰蹙をかうという事件がおこっています。

カタリーナは戻って来ましたがふたりはしっくりいかなくなり
マリー・ヴァレリーはシシィに変わる仲介役が必要だと考えて
未亡人になっていた叔母のマチルデとの再婚を父に勧めたほどでした。

1909年、カタリーナの夫が亡くなりました。
その後フランツとカタリーナがが極秘結婚をしたという噂がありましたが証拠は無く
どうやらほとんど会わなくなったというのが真相のようです。

皇帝の死後は完全に社交界から身を引き、高額な自叙伝のオファーも拒否して
宗教にのめり込んだ毎日を送りました。 87歳で亡くなりました。

はたして奥様公認の浮気って楽しいんでしょうか?
妻に隠れてするのが男性の、男に妻を欺かせるのが女性の、浮気の醍醐味なんじゃないの?

カタリーナは誰もが認める人の好さと朗らかさが魅力の女性だったそうですが
本当はこんな立場はイヤだったんじゃないかしら?
愛妾なら愛妾らしく、妻への優越感に浸りながら男性をふりまわしたいじゃない?

(参考文献 ブリギッテ・ハーマン『エリーザベト』
      江村洋氏『ハプスブルク家の女たち』 Wikipedia英語版)

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