まりっぺのお気楽読書

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イギリス王エドワード7世愛妾 リリー

2009-09-09 01:47:47 | 王の寵姫・愛妾
ミレーも魅せられたロイヤル・ミストレス
リリー・ラングトリー


1853~1929/愛妾 1877~1880

本名はエミリー・ブレトン、ジャージー島の教区牧師の娘です。
20歳の時兄嫁の義理の兄弟で地主のエドワード・ラングトリーと結婚しました。
エドワードはヨット遊びに熱中するまさに海沿いが似合う男性だったのですが
リリーが駄々をこねて夫婦はロンドンに移り住むことになりました。
      
あるレセプションで、黒いシンプルなドレスを着ただけで
宝石も身に着けていないリリーが、着飾った淑女たちの中でかえって注目を浴びます。
その日描かれた数枚のスケッチは人気のポストカードになりました。
また、その日居合わせたミレーが描いたリリーの肖像画もたいへん話題になり
彼女は一躍社交界の人気者なりました。
ちなみに、肖像画の題名にもなっている “ ジャージー・リリー ” は
彼女の故郷ジャージー島の花の名です。 ベラドンナの一種みたい。

              
                 ミレーが描いたリリー

社交界で人気者になったリリーの噂は宮廷まで届きました。
エドワードがほっとくわけありませんね
あるパーティーでリリーの隣に座れるように手をまわしてまんまと成功。
1877年頃にリリーはエドワードの “ ロイヤル・ミストレス ” になりました。
これは王の愛妾として認められたということで、単なる愛人や浮気相手ではありません。

エドワードはリリーに夢中で、ボーンマスにふたりのための別荘を建てたりします。
リリーには母君ヴィクトリア女王や王妃アレクサンドラ も魅せられて
本妻と愛人が仲良く同じパーティーに顔をそろえるという不思議な状態…

1879年にサラ・ベルナールが登場するとリリーは寵愛を失っていきます。
それに同じ頃リリーはエドワードの義理の従兄弟にあたるルイス・バッテンベルクとも
恋愛関係にありました。
ルイスは現女王エリザベス2世の夫エディンバラ公のおじいさまです。

リリーは妊娠しパリで女の子を生みました。
子供はルイスが引きとりましたが、どうやら父親は同じ頃につき合っていた
アーサー・ジョーンズじゃないか…? とも言われています。
同じ頃、サルスベリー伯と駆落ちしようとしていた節もあり…めちゃくちゃですね。
この頃が一番乱れていたのではないでしょうか?
夫のエドワードはリリーとの離婚申請を出しています。

1881年に友人のオスカー・ワイルドにすすめられて女優になったリリーは
アメリカに渡って次々と億万長者たちの愛人になり、1897年にやっと離婚が成立すると
ものすごく若いヒューゴ・ド・バースと再婚しました。
でもヒューゴはお金目当てだったみたい… リリーはほったらかしにされて
晩年はモナコで孤独な生活を送り、1929年に亡くなりました。

              
             晩年のリリー。美しさは衰えなかったそうです

リリーは広告モデルもつとめたことがあって石鹸のパッケージにもなっています。
一流の画家にポートレートも描いてもらえて、商品のキャラクターにまでなるなんて
今とはなんて違う世の中なんでしょうね。
ドゥミモンド、いわゆる高級娼婦に憧れる少女たちがいても不思議じゃないですね。

(参考文献 ドーン・B・ソーヴァ『愛人百科』 森譲氏『英国王妃物語』 
      エレノア・ハーマン『王たちのセックス』 Wikipedia英語版)

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3 コメント

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リリー (12このめがね)
2010-01-13 18:06:10
リリーの顔を正面から見る事が出来て満足です。ヴィクトリア女王に拝謁している横顔の写真しか見ていないので。きれいな人ですね。
返信する
肖像画 (まりっぺ)
2010-01-14 02:09:57
やはり女優だっただけあっていろいろな肖像画が残っていますよね。
私は「面白くない絵だ」と聞かされながらもミレーの絵が大好きなので入れてみました。
晩年まで美しかったとは…うらやましい話しです。
返信する
ジャージーの美女・リリー・ラングトリー (メリエンダ)
2018-08-16 20:52:31
リリー・ラングトリーは、さほど昔の女性ではないためか、沢山の写真が残っていて、その美貌ぶりが脚色などなく、際立ったものであることがわかりますね。 リリーは島の牧師の娘として産まれ育ち、その家庭環境は、母親が躾に厳しい家庭だったのですが、父親はと言うと、聖職者らしからぬところがあって、女を作り、その相手との間に、男の子供がいたらしいですね。その男子とリリーは異母兄妹とは知らず、恋に落ち、腹違いの兄妹であるのを知らされ、ショックを受け、もとからあまり好きではなかった島の環境を嫌悪するようになったとされていますね。だけど、母親の躾にもかかわらず、成長するにつれてリリーは父親譲りの奔放な性格が現れ、結婚したにも関わらず、愛妾、しかも、イギリス王太子の愛妾になり、贅沢三昧で放埒な生活を送ったららしいですね。エドワードは、リリーの金使いに、「そなたは本当に金使いが凄まじい、私はそなたに軍艦を買える程の金をつぎ込んだぞ。」とからかったところ、リリーは色っぽく笑って、「まぁ、殿下こそ私に夥しい情を注ぎましたわ、それはもう、軍艦が浮く程に大量の!」なかなかウィットに富んだところがあったらしいですね‥
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