詩の現場

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雨宮清さんの講演を聴いて

2011-11-02 | 気になる人、ことば
「この国を助けてください。」
地雷を踏み、足を無くした子供達が大勢いるカンボジアで、
16年前に出逢った、やはり膝から下を無くした老婆の言葉が、
雨宮清さんに対人地雷除去機の開発のきっかけをつくった
という。

先日、山梨日立建機の雨宮清さんの講演を聴いた。
山梨市が雨宮さんの出身地ということで、
特別に、中学校のグランドに地雷を4つ埋めて、
地雷除去機で爆破させ、地雷を除去する実演をして下さった。
平和な日常とは打って変わり、恐ろしい光景だった。

雨宮さんは、「モノづくり」として、地雷除去機を開発し、
命をかけて地雷除去に挑み、地雷埋没国の土地を、
安全で肥沃な緑の大地に蘇らせている。

地雷除去機(FH式)の後ろには鋤(すき)が装着されていて、
地雷が除去されると同時に、大地を耕していく。
そこに、現地の人々と作物の種をまいていく。
雨宮さんのモノづくりの心が、多くの人々の苦しみを
取り除いていく。

「子供たちの笑顔が永遠につづくように」、
「世界の地雷原が、豊かで平和な大地に変わっていくように」、
あくまで技術者として、国際貢献を行っている雨宮さんの姿に、
心から感動する。

地雷が埋まる大地に生きる日々など、
日本人には想像もつかない現実を生きている人々がいる。
同じ命を頂いている人間同士なのに、戦争や利害の対立が、
人類の宝物である筈の子供達や、未来の命を傷つけている。

地雷を埋めた恐ろしい人間の手とは逆に、雨宮さんのモノづくり
の心と手は、暖かい大きな人間の手として、たくさんの命を救い、
地雷に汚染された土地を、実りの大地に変えていく。

子供と一緒に、雨宮さんの講演を2回聴く機会に恵まれたが、
「自分のできる能力を、誰かのために役立てる。」
「人のためになる生き方をする。」
シンプルだけど、これこそ生きていく意味だと思った。

日本は、3月に東日本大震災を経験したが、自分の子供に、
平和で過ごせることのありがたさをよく知らせ、
天災はどうすることもできないが、
人災を防ぎ、人類が平和でいられるためには、人々の努力が
必要であることを教えていきたいと思った。

いつも頭のどこかに、雨宮清さんの仕事を思い出し、
人生の目的を間違わずにいたいと思った。

「何をやるべきか、何をしたいか、わかっている人たちは強い。」
「使命感と目標が、人間の能力を、最大限に高める」
という、村上龍氏との対談TV「カンブリア宮殿」での氏の言葉を、
雨宮さんは、熱いメッセージとして、
会場の皆に置いて行かれた。



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