詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
小林万利子/Arimの詩とエッセイと音楽Arim songs

引きつづき色

2012-07-05 | トークタイム
ついにまた、草に覆われた。
ムダな抵抗にすぎないかもしれないが、
足元の草を抜いていく。

草は、緑色をしている。
土の中から、伸びてくる色。
土と草というのは、別物だと思っていたが、
草は、土の声なのだなと思う。

生き生きとした緑色の産声。
地下の世界から、顔を上げて、
太陽を見に出てくる。
雨や風の匂いを嗅ぎに出てくる。

草に囲まれて、片っ端から
根っこを抜いていく。
細長い、白い大根のようだったり、
繊細な、柔らかなひげ根の束だったり。
この草は、土中との音信が途絶えるのだなと
思いつつ。
でも、心配はない。
切れた根の先は、土の中で脈々とつながって
いて、草は次から次と、地上に頭をだす。

美しい緑色の時間に浸っていないで、
草を抜かなくちゃ。



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アメフリバナ

2012-07-01 | トークタイム
蛍袋を知っていますか。
梅雨の頃、この辺りでは、薄紫色の花を
つけます。
長い花茎に、いくつもの釣鐘の型をした
花を咲かせます。

花というのは、どれもよくよく見ると、
形や色づかいが、不思議だと思いますが、
蛍袋という花も、かわいらしくて、
とても不思議に感じられ、見入ってしまいます。

雨の後は、ふくらませた花房を、そのままに、
長い肢体を、土の上に横たえてしまって、
そうなると、はさみで茎の途中を切って、
花器に移すしかなくなります。

白い花の種類もありますが、それはそれで、
とても清楚ですが、薄紫色の花の方は、
土の中から育ってきた野草のいのちの灯りの
ように感じられて、私には忘れられない姿
なのです。



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