詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
小林万利子/Arimの詩とエッセイと音楽Arim songs

私がここにおりますのは…

2017-02-01 | フリー Poem
私がここにおりますのは
あなたを待っていたからなのです。
朝から待っておりました。
いえ、夕べからです
いえいえ、本当を申し上げますと
ずっと昔
あなたが生まれてくる前から
ここでお待ちしておりました。
私の命はどこから来たか、
ネコの会社が空の上にありまして
その社長は
絵が大好きで
毎日のように猫に似合う
衣装を描いては
ひらりとデザイン画を
地上に落とすのです。
絵を取りに降りてきた猫は
そこで誰かを待つように
言われまして。

あなたがいらっしゃるのを
ピーンとヒゲを伸ばし
三角の耳をを立て
ここで待っていたというわけです。
かれこれ、100年ほど。


ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

”Again” 歌と歌詞

2017-02-01 | 小林万利子/Arim songs 歌&歌詞
歌詞 ♪”Again”:小林万利子/Arim

陽は昇り いつでも朝は来る
暗い部屋に 光ともりだし
きみを呼ぶ声が 外に聞こえてるよ
道の向こうから 歌が聞こえるよ

壊れた街には 道が途絶えて
花の種蒔いて 海へとつなぎ
あなたを探して 歩いてきたんだ
空には鳥が飛び 愛を運んできた

戦い疲れた人の両手に
一輪の大きな 白い花
渡すよ 悲しみが途切れますように
笑顔が戻るように 平和の夢描こう

風が流れて 花が咲き 海が光り
浜辺を犬と走った あの日をもう一度

You and me laughing at the joke,
We were taking tea for two.
They play tennis or sing a song.
What a beautiful time, Again, under the sky.


☆Againお聴き下さい〜
Again:小林万利子/Arim


ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村


小林万利子/Arimの歌 ”Again” に寄せて

2017-02-01 | 小林万利子/Arim songs 歌&歌詞
ー♪”Again”に寄せて: 小林万利子/Arimー

For Gaza, for the Children.

世界の悲しみに包まれた時間は、続いています。
平和を願うことは、平和が少し近づくことです。
平和を諦めないことは、平和がもっと近づくことです。
どんな日も、必ず希望に繋がりますように。

The hour of sorrow encloses the world.
Peace, wished for, comes closer;
Peace, not given up, comes even closer.
With each day may our wish lead to hope.




ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

言の葉つづり 小篇(10)

2017-02-01 | 言の葉つづり 小篇
17-22)
時間の事を考えるのが好きだった。
どうしたら四次元に行けるのかと。
1枚の絨毯を折り畳むように
こっちからあっちの時間へ
飛び移ればいい。
どうやらSFと詩は似ていて
物理と禅も似ていて
貴方と私もそう遠くない。
花と実と根は同じ君だと知った。
未来は夢が実現する場所なんだと
思う日。


17-23)
日がな一日、
明るすぎる光の下に
立ちすぎた
眩暈すら覚えながら
立っているしかなかった
それはあなたを
待っていたから
影はもうここにいるよ、と
私に呆れ果てていたが
まだ、あなたを待ち続け
星のかけらをさえも
拾い集め
夜もなお光り、
小石光り、野花光り。


17-24)
木漏れ日に
見え隠れするのは
時間の子供たち

手を繋いで降りてきた
はずなのに
てんでバラバラに
歓声をあげて
遊びだす

木の葉はかくれんぼに
ちょうどいい

大きな
陽だまりには
遠くへ行ってしまった人の
面影のような
夢のつづきが
鏡のように
反射して


17-25)
ポトーンと おちてくる
ポトーンと
ポトーン

それは 雨のおと
ネコの足おと
孤独な心に
おちてくる光


17-26)
零れるとは
微笑みの形なのだと
知りました

貴方の
尖った顔が微笑みに変わる
その瞬間に出会いたくて
私はいつも話しかける
あれやこれや
可笑しな話を考えては
1日の大半を費やすのです

円空上人の”木っ端仏”を
思いながら
いたるところに宿る笑みを
呼び


17-27)
夜の底ってどこだろう
深い深い闇に
降りていく
足がつかぬ場所は
浮遊して進んでいく
下降しているのか
後向きなのか
前向きなのか
全方向が平等の闇
ずっと昔母の
宇宙に包まれていた時間を
思い出したら
そこが夜の底なのかと。
朝に、何度でも
生まれでてみようか


17-28)
起きているきみたち
眠っている子供たち
まだ目覚めぬ小さな命に
寄り添ってみる

待ち遠しい朝もあれば
明けないでほしいと祈る夜もある
命の時計が刻まれている
笑い声と慟哭とを
同時に聞いている鳥
草木のねぐらで
動物たちはそっと
私達の立てる物音を
聴いている


ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

言の葉つづり 小篇(9)

2017-02-01 | 言の葉つづり 小篇
17-18)
土の中では
まだ草の種がねむっている

蟻は細い細い
巣穴の片隅にねむっている

街のビルの影が
少しずつ形を変えていく

あなたと歩く駅までの道
私たちの投げる影を
いたずらっぽい顔で
眺めているのは
春を告げる女神


17-19)
雨がふりだす
雨は空と私たちを
近づける

作物の祈り
草花の願い
恋人の約束
子供の産声を聞くように
雨が降りてきて
だから

今日は傘を
ささないで
この雨に
濡れて歩いていたいと
思うのです


17-20)
舟の舳先には
水先案内の
鳥がいる
天ノ鳥船伝説は
心の底に
夜じゅう止むことのない
波音のように
続いている
神が住まう国は
この海と繋がり
この空と繋がり

時々ISSからの写真に
見入るのだが
地平線の向こう
そこで神は
私たちのいのちを
そっと抱いている


17-21)
風はね
時間だと思うんだよ
地球が回わって
回わって
1日が過ぎていく
ずっと続いている
回転のつづき

回転は風を連れてくる
風が吹くということはね
未来がやってくること
そんなふうに思うよ
もうじき
また春がやってくる
女神を呼ぶよ
たくさんの花が咲くように



ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

言の葉つづり 小篇(8)

2017-02-01 | 言の葉つづり 小篇
17-13)
宇宙の回転は
いのちを巡らすものだけれど
頬をなでて往く風
回転がもたらす地球の風に
吹かれながら
道端に腰を下ろす

星の光のように
夢の続きを
ヒューヒューと話しているのかも
しれず
通り過ぎていく風の物語を慕い
花や虫が顔をだす
風の種がこぼれ落ちる時間


17-14)
空を見ている
繰り返し見上げている
鳥が青空に急に現れることがある
鳥は空から生まれる
青いベールは柔らかな命を
包みこむ

身を隠しながら見上げている子供達の
あの切り取られた三角形の空にも
砲弾の向こうから
まもなく鳥は飛来しようとしている
青いベールを拡げ


17-15)
父や祖母やあの人が
残してくれたものは
何だろうと
時々思うことがある。
囲いで閉じられた中庭に
足を踏み入れる、
時間は丸みをおびて
陽だまりのように
そこに
いつまでもあって
声、なのです
人の記憶はそこから体温を取り戻し
私に話しかけて来てくれるのです


17-16)
太陽の光は、考えてみたら
太陽の重力から羽ばたいている
宇宙空間の
無重力からさえ解放されて、

そう思った時に
私達の命の重さの引力に驚いた。
薄い花弁にも透明な虫の羽にも
引寄せられる可憐な光、
それは意思のように
私達の希望の先端に
降りてくるものなのだね。


17-17)
夕暮れを歩くのが好き
風に吹かれて歩くのが好き
小さな花を見つけて歩くのが好き

月を見るのが好き
あなたの横顔に
笑みを見つけるのが好き

そして手を繋ぎ
並んで歩いてみようか
するとあなたの好きが
好きになって
幸せって
こんなふうに膨らんで


ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村

言の葉つづり 小篇(7)

2017-02-01 | 言の葉つづり 小篇
17-8)
めぐる風のように
音楽は
いつも空に流れていて
誰かが手を伸ばす

トロンボーンを空に向けて
きみが合図をした途端
クラリネットにも
ピアノにも
集まり出すささやき

信じて待っている人の
懐には
必ずこの星のような
和音のような光が
届くのだって


17-9)
その内側に光を縫い付けて
羽は、舞い降りてくる

どんな隙間にも羽は
届こうとするのだけれど
あなたに触れて
私に触れて
私たちの影の上にも

風が止んだ合間に
鳥は、
生まれたばかりのその羽を拾い
身にまとい
風と光の手紙を預かるように
飛び続けるのだ


17-10)
月の綺麗な晩は
夜の散歩に出たくなる
黒猫のキミは
この路地で何人もの知り合いに合う
その度に、やあ、元気かいと
話しかける

”あの子と、喧嘩した…” 僕は
キミに身の上話をついしてしまって
”満月は見ていたのさ
そして笑いながら
仲直りさせてくれたんだよ”って


17-11)
空にも大きな川が流れている
水のない川には
何が流れているのだろうね
それは音、
小さな音符が光をもらい
時々流れていく

流れ星の行方を知っているのは
森の動物たち
寝静まった部屋へ
帰ってくる猫
飼い主のそばに丸まって
ぐるぐる
星の流れのような
音を立てて


17-12)
プリマヴェーラみたいに
季節を告げる神さまがいて
冬の冷たい風吹くなかには
しまい忘れた枯れ草を集めに
秋の女神と
雪を降らせる雲を
持ち上げている冬の男神さまが
並んでいるのだ
春の女神が時々遊びにくる夕暮れ



ありがとうございます。応援してネ♪
にほんブログ村 ポエムブログ 現代詩へ
にほんブログ村