詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
小林万利子/Arimの詩とエッセイと音楽Arim songs

二次元歩行の先に

2014-05-29 | フリー Poem
蟻があるいていく
私たちが
陸や海や空を見渡している間に
地下に帝国を作りつづけている

風や大粒の雨や
大地を揺らすものが
どこからやってくるのか知っているのは
蟻やねずみや魚たち
空を飛び回る鳥たちのまえに
人間は失敗をくりかえしているね

今日も蟻は一列に並んで
進みつづけているが
仲間が急に
水平世界の別のベクトルに
吸い寄せられるように
消えていっても驚かない

二次元歩行の先に
世界はひろがっていると
知っているから
透明な風を
見えないマントに変えて
宇宙の秘密を解く

時々 美しい蝶が
肢体とともに地上に残していった羽を
蟻は儀式のように運んでいる

物理学者が公式で追いつく前に
風のような
光に透ける羽を持った蟻たちが誕生し
海の上に舞い上がっていく
仲間が築いていく城の記憶を
多次元の空に刻印していく




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「そらまめ」という名前

2014-05-24 | Photo-ry (写真)


空豆の歴史は古いらしい。
紀元前5000年位前からとも‥。
古代ギリシャ、古代エジプトからも
栽培の跡が見つかっているとか。
空豆ひと粒から、
時間の旅がはじまりそうだ。

それにしても、
和名の「そらまめ」とは
ステキな名前だと思う。
まるで5月の空から降ってきた 
青空のタネのような‥。
青空の子供。

そういえば、『そらいろのたね』という
子供向けの可愛らしい絵本があったことを
思い出した。
ご存知の方も多いかと思いますが、
こちらもどうぞ。
      絵本『そらいろのたね』 


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アマドコロ

2014-05-11 | Photo-ry (写真)


生まれでる草、
起き上がる葉っぱ、
空へ、伸びあがる花芽と、
5月の風景は、
毎日が躍動感にあふれている。

色濃く育ち始めた木々の葉かげに、
アマドコロが花をつけていた。
可憐な姿。
風を、やさしく包んでいるような。

若芽と根茎は食用となる山菜。
甘みがあり、「甘野老」 アマドコロの
名前の由来とか。
食べてしまうにはもったいない可愛らしさ。
ずっと見ていたいと思わせる姿。



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小判草と雑草

2014-05-01 | Photo-ry (写真)


手前は、小判草。奥の濃い緑色は雑草。
同じように初夏の陽射しを待っていて、
土の中から成長してきた植物ですが、
俗に言う雑草は、この後まもなく抜かれてしまいます。
植生が強く、生命力に充ち溢れているが故に‥。

何故、名前で呼ばれない草葉は抜かれてしまうのだろう。
愛される草と、そうでないものの違いは?
そう考えつつ、
雨上がりに勢いづいて繁茂する雑草たちを
抜いていくのです。

人間の生活圏の勝手によるものですが、
「なんで、だろうね。」と
草の一族に話しかけながら‥。
自分に質問しながら。



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