音が あそびにきたよ
雨の音になって 窓をたたくよ
ふとんにくるまり 一足先に
寝入っている Tちゃんのところにも
スースーの 寝息の音になって
訪ねてきたよ
トントン 階段をかけ上がり
パチンと 電気をつけて
となりの部屋の戸を バタンとしめた
そろそろ おねえちゃんも
おやすみの音
カチッ カチッと 家中の電気を消して
2人分のスースーの 寝息の音をたしかめて
おかあさんも おやすみの音
そのうち グォーグォーと
どこかで 大きないびき
おやすみの音
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雨の音になって 窓をたたくよ
ふとんにくるまり 一足先に
寝入っている Tちゃんのところにも
スースーの 寝息の音になって
訪ねてきたよ
トントン 階段をかけ上がり
パチンと 電気をつけて
となりの部屋の戸を バタンとしめた
そろそろ おねえちゃんも
おやすみの音
カチッ カチッと 家中の電気を消して
2人分のスースーの 寝息の音をたしかめて
おかあさんも おやすみの音
そのうち グォーグォーと
どこかで 大きないびき
おやすみの音
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とうてい 語りつくせない時間の
堆積された記憶が
私たちの細胞を 作っている
ありがとう と言い続けてきた
ことばは いのちの種になって
ふくらみ続ける
何度も 何度も 風に吹かれ
何度も 何度も 雨に濡れ
鳥に飲みこまれ
土にこぼれ
何世紀にもわたって
芽がでる
見知らぬ土地で
見つけた草に
なつかしい思い出が詰まっているのも
そのせいだ
光にまもられた 遺伝子の記憶が
私たちに 流れている
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堆積された記憶が
私たちの細胞を 作っている
ありがとう と言い続けてきた
ことばは いのちの種になって
ふくらみ続ける
何度も 何度も 風に吹かれ
何度も 何度も 雨に濡れ
鳥に飲みこまれ
土にこぼれ
何世紀にもわたって
芽がでる
見知らぬ土地で
見つけた草に
なつかしい思い出が詰まっているのも
そのせいだ
光にまもられた 遺伝子の記憶が
私たちに 流れている
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部屋へ行く通路に本棚があって、
家族の荷物を抱えながら通りかかる度に、
アレン・ギンズバーグの詩集のタイトルが
目に入ってくる。
ビート詩人の言葉を読みたくなって、
何十回目かに通りかかった時に、
やっと手に取り、本を開いてみる。
ビート・ジェネレーションの世代は、
私の世代ではないが、
その匂いは色濃くて、
ガラッと時代が変わって見える。
今、読んでみると、ビートといわれる、
あの時代のリアリティのようなものは、
時間の下で続きながらも、だいぶ姿を変えて
しまったように感じられる。
ギンズバーグの詩には、裸になって人間が生きていく力、
詩を吐きながら、真の人間回復を摑んでいこうとする
インスピレーションと、詩の構築性に満ちた
すさまじいエネルギーがある。
世界中で絶えない紛争、災害、
そして9,11と3,11を経験してしまった現在。
それでも、原発問題や世界情勢の不安や混沌は続き、
格差社会はひろがり続ける。
救いの道のりはまだまだ遠く、
人間がそれぞれの価値観の違いを認め合い、
平和のために協力し合わない限りは、
理想の秩序など保たれはしないだろう。
又、個人というものを考えると、
一方で、ネットなどで、
瞬時に個人が様々な情報とつながりながら、
「個」が確立されていくような時代になったとも、
感じられる。
「個」とは、一人の人間の心の奥に
茫洋と揺るぎなく存在する世界と対社会との葛藤の中で、
時間をかけて確立されるもののように思われるが、
情報社会の中では、
個人の感受性をオープンにして他者と関わり、
見えないつながりの中の複数の共感者と、
共同作業をしていきながら、個が確立されていく‥、
そんな一面もあるように思える。
人間の生きる速度や環境が、一変してしまったように思う。
だが、もし、今、ギンズバーグがここにいたら、
この情報社会の中でも、やはり身をそぎ、詩を書き、
詩をしゃべり、行動を起こしていただろう。
時代の形式こそ変化してしまったが、
人間が抱える問題、それを超えて構築されなければ
ならない社会秩序の困難さは、
マックスに到達しているとさえいえる。
ギンズバーグの時代の詩は、遠いようで、
本当はちっとも遠くない。
ビート・ジェネレーションのような、
人間が人間であろうとする新たな強い精神が、
必要な時がきているように思える。
カテゴリー「ホットタイム」に入れる記事にしようと思い
書き出したのだが、
ギンズバーグの詩は、そうさせてくれなかった‥。
難しいことを書くことになってしまった。
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子供が、モネの絵を模写して、
立体絵画を作る宿題をしていた。
やわらかな光を追うモネの色彩。
「積みわら(夏のおわり)」や
「印象 日の出」などの色彩は、
今、この春爛漫の日本の景色の中に、
実際にモネが佇んでいたら、
どうなったのだろう、と思ったりする。
周知のごとく印象派は、日本の浮世絵から
多大な影響をうけ、始まったというが、
そのためか、明るい色調や、構図が、
日本人の遺伝子に組み込まれている好みに合い、
日本的な感覚が随所にちりばめられ、
どこか安心して、享受できる要素が
隠れているように思う。
都会と違って、今、この地方では、
辺り一面が、桜や桃や、菜の花の
明るい色彩の中で、日々の営みが
繰り広げられている。
そのうち、山々は新緑に彩られ、
昔話の挿し絵にでも出てきそうな、
色とりどりの緑のグラデーションで
満ちた景色に変わるのだ。
やわらかな、中間色に包まれた
この風土に生きていて、だから、
よりモネの色彩も、心に溶け込む。
大陸の砂漠や、あるいは赤道直下の、
原色の鮮やかな鳥が住む国々に住んで
いたら、私の、モネの受け取り方も、
もう少し違っていたかもしれない。
四季があり、水の風景があり、
うるおいのある日本の風土は、
住む人々の心を、見えないところで、
色彩豊かなものにしているのだと
思う。
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立体絵画を作る宿題をしていた。
やわらかな光を追うモネの色彩。
「積みわら(夏のおわり)」や
「印象 日の出」などの色彩は、
今、この春爛漫の日本の景色の中に、
実際にモネが佇んでいたら、
どうなったのだろう、と思ったりする。
周知のごとく印象派は、日本の浮世絵から
多大な影響をうけ、始まったというが、
そのためか、明るい色調や、構図が、
日本人の遺伝子に組み込まれている好みに合い、
日本的な感覚が随所にちりばめられ、
どこか安心して、享受できる要素が
隠れているように思う。
都会と違って、今、この地方では、
辺り一面が、桜や桃や、菜の花の
明るい色彩の中で、日々の営みが
繰り広げられている。
そのうち、山々は新緑に彩られ、
昔話の挿し絵にでも出てきそうな、
色とりどりの緑のグラデーションで
満ちた景色に変わるのだ。
やわらかな、中間色に包まれた
この風土に生きていて、だから、
よりモネの色彩も、心に溶け込む。
大陸の砂漠や、あるいは赤道直下の、
原色の鮮やかな鳥が住む国々に住んで
いたら、私の、モネの受け取り方も、
もう少し違っていたかもしれない。
四季があり、水の風景があり、
うるおいのある日本の風土は、
住む人々の心を、見えないところで、
色彩豊かなものにしているのだと
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涙は 目の内側へ
内側へ 流れて
心へ 届くまでの
体の道すじを
きれいに 洗い流す
本当に 泣いてしまうと
目は 腫れて
鼻水は あとからあとから
出てきて
悲しみの痕跡が 残ってしまう
だから
涙は 心の中に流す
体の内側へ
内側へ
悲しみを 洗い流すように
胸の痛みも
涙が
薬のように
しみ込んで
そのうち
治っていくだろう
深い悲しみを
心に 持つ人の
流しつづける涙も
いつか
その悲しみを
溶かすように
涙は 内側へ
内側へ
流れていく
人類が
心に流してきた涙が
地球に 美しい
青い海を 湛えている
詩集「永遠のポンプ」から
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心へ 届くまでの
体の道すじを
きれいに 洗い流す
本当に 泣いてしまうと
目は 腫れて
鼻水は あとからあとから
出てきて
悲しみの痕跡が 残ってしまう
だから
涙は 心の中に流す
体の内側へ
内側へ
悲しみを 洗い流すように
胸の痛みも
涙が
薬のように
しみ込んで
そのうち
治っていくだろう
深い悲しみを
心に 持つ人の
流しつづける涙も
いつか
その悲しみを
溶かすように
涙は 内側へ
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流れていく
人類が
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まだ
風はなりやまない
風は教えている
見えないところに
吹く力を
木々がゆれ
山すそからのぼった満月は
雲にかくれ
目に映るものを
ふるわせる
風に散る断片を
拾いあつめていくだけだ
今はただ
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細胞分裂のように
夢はふくらむ
太古の時間
海底で夢みていた
生命体のあぶく
あぶくは ふくらみ
ふくらみ
また まどろむ
いつか 人間の形にとどき
夢のあぶくを吐きつづける
まだ まだ
長い時間をかけて
光のさしこむ方角へ
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太古の時間
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生命体のあぶく
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ふくらみ
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