詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
小林万利子/Arimの詩とエッセイと音楽Arim songs

"可愛い"から見えるもの…

2016-05-31 | トークタイム
美しいと思うものって、いろいろある。
心が動くもの、興味が湧くもの、
形だったり、底に流れる感情だったり。

日本人は古来より、"もののあわれ"を
感じとってきたけれど、時々思う。…
現代人の使う"可愛い"にも、
底流で共通する感性があるのかなと。
物にいのちを感じる感性。

すべては時間の中で移ろいゆく。
そこに常ならぬものの儚さや諦観、
凛とした覚悟とか刹那に輝くいのちの
美しさを感じとる美意識が生まれてくる。
移ろいゆく"瞬間の美"が、あわれという、
言葉で捉えられてきたのかと思うが。

あわれは、移ろいゆく儚さを捉える。
物の形、人の心の変化に敏感で、
移ろいそのものを受け止める感性でも
あろうか。
…ところで、私達のよく使う"可愛い"は、
対象の一瞬を、
まるでカメラに収めるみたいに、
より自分に取り込んでしまう感じが
するのだが。

だから、"可愛い"は、物悲しくない。
一瞬の表情、場面を、
"可愛い"という額に入れると、
永遠のもののように輝きを放ち。
移ろう"いのちの形"を、
より肯定的に力強く捉える言葉だと
感じているが。。

さすがに、私は、小さきものや動物や…、
可愛らしいものに使うようにしているが、
若い子は、お父さん達を捕まえてもw、
或いは建物を見ても、
時に、可愛いと言うw。

日本人のこの"可愛い"は、
とても面白いと思っている。
外人には、戸惑う感覚だろうかとも思う。
とりあえず、"可愛い"をマスターするw。
日本人の感性の不思議な場面を、
"可愛い"で追体験できるのかな、
なんて思ったり。

…数年前にホストファミリーを
受けたことがあったけれど、
子供も殆ど英語を喋れなかったから、
アメリカから来た女の子に、
何を見せても可愛い!可愛い?を
連発して、日本文化を教えていた…。
どこか不思議な日本的感性を
感じてくれたのでは、と思ったりした。

Yes、Noではなくて…、どうやら、
"可愛い"という真実がありそう…。
現代日本語雑感1…。



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人は、言葉を待っている

2016-05-15 | ショートPoem
人は、言葉を待っている。

私たちは、光の中に生まれでた。
だから、光の種を毎日1つ2つ
食べないと生きられない。
光なしには、生きられない。

私たちが生まれでたのは、
空気と水の惑星。
そして、
新しい光が宿る場所。

光は私たちの細胞をつくる。
光はいつも降り注ぎ
だけど、
人は、言葉によって光を知る。
言葉という光なしには生きられない。

人はいつだって、言葉を待っている。


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石の時間

2016-05-15 | 詩を歩く
ある石の中というのは、
色彩で溢れていたりする。

人間がその石の美しさに気づいて
掘り起こさなければ、
まだずっと、
地球の回転していく音を聴きながら、
自分の中に宇宙的な時を
刻んでいくのだなと思ったり。

宇宙的な眠り、
それは深い思索のように、
石を磨き上げていくのだなと思い。


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時の流れというのは、とても速い

2016-05-15 | トークタイム
時の流れというのは、とても速い。

だが、時々地球の回転とは
異なる時間の流れを、
受け取っていることがある。
美しい風景に出会っている時、
これは、植物でも動物でも気象でも
絵でも音楽でも 、
人の心ならもっといいんだけど。

…美しい時間が奏で続ける音楽があって、
それは私たちの知っている時間とは
別のところに流れているのだろうなと思う。
いつでも聴けて、続きを始められる時間。

美しい発の入場切符を1枚持って来れば、
扉が開き入れてもらえる時間。


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羽ばたきながら、降りてくる

2016-05-14 | 詩を歩く
鳥の写真を見ていて思うのだけれど、
鳥は着地する時にも、
羽ばたきながら降りてくる。
羽の動きを止めて降りてきたら、
あっという間に落下してしまうから。

…鳥はその羽毛の中に微量の風を含んだり、
放したりして、羽の角度を変えながら、
思う場所にふわりと着地するのだろう。
水辺だったり、木の梢だったり。
思いのまま。

ギリシャ神話のイカルスが、
空から落ちてしまったのは、
あまりに太陽に近づきすぎて、
翼が溶けて壊れてしまったから…。
翼を失くし、羽ばたきを止めてしまったら、
墜落してしまうばかり。

鳥が着地しようとして
足を地面につこうとする瞬間は、
だが、決して鳥の体は
空を忘れていないのだと思う。
空の記憶に満ちた羽を広げて、
降りてくるのだ。鳥は飛ぶ。
羽ばたきをやめるわけにいかない命だから。

相変わらず、外に出れば空ばかり見ている。
鳥ではないから、既に地面に足を
つけているのだが。
イカルスのように落下しないように、
空の向こうにつづく夢を見て。
透明な羽の動かし方を習っている。


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