詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
小林万利子/Arimの詩とエッセイと音楽Arim songs

言の葉つづり 小篇(6)

2017-01-31 | 言の葉つづり 小篇
17-2)
猫が2本足で立ち
迎えに来る夜

森はやけにざわめいている
鳥が夜、飛ばないのは何故
猫が深夜に集まるのは何故
話し込むには絶好の晩なのさ
暗がりでなければ
わからないことが
たくさんある
心の中のね
明かりを訪ねたくなる時間
夢が始まる場所に座り込んでね


17-3)
迷いは禁物
しんしんと
いつのまにか積もる雪に
教えられ
私は前を見て進むのです
落下点をもう少しだけ先へ
伸ばそうと
風を待つだけ
知っていますか。
風にも雪にも
色があるのです
内に秘めた青空の色を
私は誰かに手渡してくるのです


17-4)
聞こえてくる音に
耳をそばだててみる
宇宙は音に満ち溢れて

そっと雨が降ろうとしても
風が舞いあがろうとしても
気づかれてしまう
誰かを想う気持ちにも
きっと鈴のような音色があって
静かに聞き入っている人がいる
明け方に手を合わせてみるよ
朝焼けの景色のように


17-5)
ゆらゆら時間を揺らす揺籃を
買っておいでとお使いにでたまま
戻れないでいる
妹は大きくなってしまっただろうか
ママは心配しているだろうか
時々飼い猫がやってくる
猫はいつでも私の居場所を知っていて
美味しい珈琲を飲んできたと
髭をピンと茶色に染めて
笑っている


17-6)
魚は深海に潜み
地球の色を作り出している
人間は虹のように
光の中を泳ぎながら
色に憧れる
葉っぱの上や花の懐に
留まった色
そして一向に
人は真紅とか浅黄色とか
萌葱色とか
コバルトブルーとか
モノトーンのストライプとか
そんな素敵な肌の色を
持てないでいる


17-7)
幸せへは
どんな道が
続いているのだろうね

幸せは頂上が見えなくなる山登り
みたいだけれど
でもね
その山は
幸せ山という名前なんだと思うよ

登れる山があって
よかったと思う
海へ続く道しかない場所に
立ち尽くし
幸せ山へ続く空
青い空を仰いでいたり


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言の葉つづり 小篇 (5) ― 極楽鳥の実

2017-01-07 | 言の葉つづり 小篇
17-1)

夢を話に
やってきた極楽鳥が
窓をトントン
嘴で叩く音

今日からきみは
鳥の言葉を話すんだ
それと引換の贈り物

受け取ろうか迷い
手にした1粒の紅い実
これを食べたら
羽が生え
鳥の声帯になるのです
貴方を慰められるのなら
それもいいかと思い
目覚めた朝


(言の葉つづり)

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