詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
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名前の不思議から

2011-01-27 | 詩を歩く
本当は、知らない筈なのに、
路傍に見つけた草花の名前が、
急に、口をついて出てくる時がある。

名前が、むこうから、
やってくる時がある。
その不思議さに、
感動してしまうことがある。

雑草をこよなく愛した「永遠」の詩人、
西脇順三郎が、詩かエッセイで、
「植物の名前は、むこうからやってくる」と
いうようなことを、書いていたのを思い出す。

「こういうことなんだ!」と、
西脇体験ができたことに、
この上ない幸せを感じることがある。
私などは、偉大な西脇氏と違い、
本当に、植物や鳥の名に疎い。

それなのに、人間の隠れた記憶の力と
いうものは、計り知れないものだと思う。

脳というのは、生まれてから、赤ちゃんとして、
まだ物事の理解ができない時から、
目にした光景を、ずっと、
ビデオを回しているように、
蓄積しているという。

無意識界の、広大な宇宙は、実に
肥沃なのだ。
だから、きっと、知らないと
思っていた草花の名前も、
そこから、ふっと引き出されたのだろう。

膨大な情報量が、ただならぬ勢いで
流れ込む毎日で、
忘れていいものも山程堆積するが、
心を澄まして、本当に取り出したい
輝きの記憶を、宝物のように、
手にうつしてみたいものです。





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