詩の現場

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詩人 吉野弘さん

2014-01-20 | 気になる人、ことば
詩人吉野弘さんが亡くなった。
ここのところ、優れた詩人が何人も去っていく。
本当に、淋しい限りです。
私にとって、吉野弘さんは『I was born』の詩人だった。
英文法の妙。<文法の単純な発見から>、
いのちの深奥について、覚醒していく詩。

まだ、吉野さんがお若い頃に、
詩の講義をお聞きした時に、
生まれることは、「生まれた」と書くのだと
繰り返しおっしゃっていた光景を思い出す。
連続性の時間の中で、いのちは生まれ、
また死んでいく。
< I was born>という、
いのちをとらえる、宇宙的な視点を
教えて頂いたように思う。

< I was born>ー。
いのちが湧き上がる泉に、
ひとやすみされるために、
戻っていかれたに違いない。

心から、ご冥福をお祈り致します。


‥ I was born さ。受身形だよ。正しく言うと人間は
生まれさせられるんだ。自分の意志ではないんだね‥
            (吉野弘『I was born』から)



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