詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
小林万利子/Arimの詩とエッセイと音楽Arim songs

つき ひとーつ

2015-07-31 | ひとひらのPoetry
ひとーつ
ふたーつ
みーつ
ほしをかぞえているのは だーれ

ひとーつ
ふたーつ
みーつ
あまつぶかぞえてるのは だーれ

おつきさま ひとーつ
おほしさま いっぱい

かずかぞえうた
いっしょにつくろう

いっぴきー
にーひき
さんびきー

いっぽーん
にーほん
さんぼーん

いっぱい
にーはい
さんばーい

ぴきひきびーき
ぽーんほんぼーん
ぱいはいばーい

ひとーり
ふたーり
さんにーん
みんながあつまってきたら
そらにはかぞえきれないほし
つきもおおきなくちをあけて
かぞえだした
ひとーつ
ふたーつ
みーつ
そして
ひとーつづつ
たべはじめちゃった
だから
あしたはそらにつきひとつ
おおきなまんまるおつきさま
そらにどーんと
ひとーつのひだって



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鏡の国のねこ

2015-07-30 | interest 2
深夜2時をまわると
鏡の国のドアがひらく

ようこそ、
誰かがドアを開けるのを合図に
鏡の国の妖精はでかけていく

すると留守番のねこたちが
かわりばんこに顔をだし
…ねぇ、きみ、鏡の国を知りたくないかい
…きみのともだち、鏡にむかって何してる?
と きいてくる

…鏡にむかって微笑んでる
…鏡のなかは だから
 誰かの微笑みで一杯なのさ、
…窮屈なくらいさ、
…それで
…鏡の妖精たちは
 大忙しで持ち主に返しに行くのさ
…枕元にそっと微笑みの詰まった袋を
 置いてくるんだ
…朝までにね…

…さあその間、鏡の国のドアを開けた人、
…ぼくたち留守番ねこの相手をするきまりだよ、
と教えてくれる

1番目は、喋らないねこ。
私は困り果て、"今日はね、少し誰かと話をしたかったんだ"
と言うと、うなずいた

2番目は、笑うねこ。
"今日はね、もう少しばかり、悲しいままにしておいて
くれないかい"
うなずいて ねこはすわる

3番目は、逆さ言葉を話すねこ。
仲良しのねこだ。
"きみはここにいたんだね"
"でもね、今日はね、とても頭が疲れてしまっていてね、
ごめんね"
うなずいて ねこは丸くなる

さかだちをするねこ
しっぽで歩くねこ
ハープを掻き鳴らすねこ
そして
この国のノーベル賞をもらったねこ
微笑みの分量計をつくって
微笑みの永久保存の方法を発明したねこ
の話を聞いていたら、
外はだんだん、明るくなってきた

妖精が帰ってくる時間
鏡の国にはまた微笑みが山のように集まりだし。
ねこは私の悩みや疲れを、微笑みとそっくり
交換してくれて
寝床へ帰っていく

ドアに鍵をかける音が聞こえてきて
私は自分の部屋に戻る時間
鏡をとじて、目をとじて
ではまた明日…


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1番星を見つけたら

2015-07-23 | ショートPoem
1番星を見つけるのが好きだった
2番星 3番星…
次々に 空は星の灯りがともされる

1番星を見つけたら
忘れないうちに 絵に描いてもいいんだよ

1番星を見つけたら
1番星の歌を うたってもいいんだよ

1番星を見つけたら
誰にも 内緒にしておいてもいいんだよ

1番星を見つけたら
そっと 教えてあげる

ご飯を待っている犬たちに
うとうと眠る猫たちに
ボールで遊ぶ子供たち
ガラスの向こうで仕事をしてる大人たち
カーテン閉めてる誰かにも

淋しがり屋の友達に
そして 自分にも
一番星が光ってるよ
見てみないっ、てね



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きらきらひかっているけれど…

2015-07-15 | お気に入り My Poem
うつくしもの さがしをする。
あおぞらも ほしも にじも くもも、
さかなも とりも ねこも いぬも、
はなも はっぱも こんちゅうも、
みんな きらきらひかっているけれど、
いちばんうつくしいものはね、
ひとのこころのなかに あるのだとおもうよ、
どんなときにも ひかりがうまれてくるところだからね。



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思考メモ

2015-07-12 | 詩を歩く
…時間に加速度というものが
ついているように思える日々。
せめて思考する方向を望む…。
羽を持つというのも1つ。
羽の意味は空高く舞い上がること。
そしてさらに透き通った目と
鋭い嘴を持ち地上に急降下し
地下の水脈に繋がる…。

…すると空と地の意味は
鳥により一体化し
同義語にさえなっていけるだろうか。
目の前を流れる時間が
単一の意味から解かれ、
別の時間へ移行する。

これは花でも同じだろうか。
花びら仄紅くして、
その時はいずれのものでもない時間に
触れ…。
この気配は秀麗な時間の間(ま)。
不思議な出会いが訪れる永遠の瞬間。



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暗号の迷路で

2015-07-11 | トークタイム
何故、人間は心の中で、辛い記憶を
リフレインしてしまうのだろう。
歩いてきた途中に光が射してきたことを、
新しい記憶に刻み付けなければならない。

この世界は暗号に充ちている。
色彩や形は自然の言葉だ。
人の心に美しい織物のつづきが
織られていくために、
時々、暗号は言葉に生まれ
変わらないといけない。

人の心は美しい形、音、色彩、時間…
これらを翻訳した言葉によって
膨らんでいく。
だから、時々暗号の迷路で
進めなくなったら、
どこかから鳴り響く言葉を頼りに、
光漏れてくる方角へ抜け出なくてはならない。

森にたくさんの木々の葉が繁るように、
心に木漏れ日を浴びて風にそよぐ言葉が、
たくさん届き生い茂ればいい…。
言葉は人と人との間から生まれる宝物。
温かなものを伝えるために
言葉は生まれたいと願っている。
そんな言葉に力を借りて。


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月明かりのとどかぬ林の中を…

2015-07-03 | ひとひらのPoetry
月明かりのとどかぬ林の中を
どのくらいさ迷っていたというのだろう
いつ夜が明けて
いつ日が沈み
知るすべもなかったが
唯一 ふくろうの鳴き声が
友達でいてくれた
彼らは近づいては来なかったが
わたしを傍らの木立から
見張るように
見守っていてくれた

雨の音が去り
濡れた落ち葉の上を歩いてくる人影
林の中に 私の他に
一体 誰がいたというのだろう



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