詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
小林万利子/Arimの詩とエッセイと音楽Arim songs

きらきらひかっているけれど…

2015-07-15 | お気に入り My Poem
うつくしもの さがしをする。
あおぞらも ほしも にじも くもも、
さかなも とりも ねこも いぬも、
はなも はっぱも こんちゅうも、
みんな きらきらひかっているけれど、
いちばんうつくしいものはね、
ひとのこころのなかに あるのだとおもうよ、
どんなときにも ひかりがうまれてくるところだからね。



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人が流す涙は

2014-10-06 | お気に入り My Poem
人が流す涙は 
どこへ流れていくのだろうね

久しぶりに ポョって鳴くカラスが
近くの電柱にとまった
思わず 聞いてみたくなった

何度も何度も やってきては
去っていく台風
大きな音を立てて
たくさんの水粒を降らせて
通り過ぎていく
ことによったら どこかで
みんなの涙を 集めていたのかもしれない
重くなって 大声で泣きたくなって 
やってくるのかもしれない

地球の上では 多くの人が
泣いたり笑ったりするけれど
今は 涙が枯れそうになっていると
そんなことを知らせにくるのかもしれないね

台風の ここに来る本当の理由は
知らない だけど
台風が去った後は
いつも 必ず 
見たこともない 美しい空が拡がる
それだけは 本当のこと


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月のない夜

2014-09-18 | お気に入り My Poem
月のない夜を 歩いて行ってごらん

月のない夜を 見上げながら 
歩いて行ってごらん

同じように 月のない夜を歩いている誰かを
見つけるかもしれない 
…どこまで行ったら、また月に会えますか…

今歩いてきた道が 暗闇にのみこまれ
元へ戻ることができなくても

月のない夜を 歩いて行ってごらん





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夕暮れの中を

2014-09-11 | お気に入り My Poem
ときどき 立ち止まらないと
どこへ向かっているのか 
わからなくなってしまう
だが 立ち止まっても
もと来た道を 雨が洗い流して
ますます 方向がわからない

せめて 夕焼けを追いかけて
来る日も 来る日も
西へ西へと 進んでみる

いったい どれくらい
夕暮れの中を 
さまよえばいいのだろう

風が吹いてくる
悲しみを かくす必要はないよ
怒りたいときは 怒るがいいよ
涙で明日が見えなくても
風が 時計の針を進めていく

夜の闇が
宇宙のありかを教えていく
夕暮れの背後から
開く通路があると
風が 教えていく



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ひかる

2014-09-07 | お気に入り My Poem
花が咲いていなくても
その葉が 何であるか
その木が 何という名前なのかを
わかっていたいとおもう

後ろ姿や
無言の笑みの
人の淋しさのむこうがわにも
いつか 花がひらくような
ひかる時間がかくれていることを
おしえられながら

花のない季節を
葉っぱを
木々を
愛して歩きだしたい

まもなく枯れ草や
落ち葉を踏みながら
つぎの萌芽のために
つちなかにやすむ種や
黒々とした幹や
しずかにのびる根を
おもいつつ
歩いていきたい



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今日の空は

2014-08-29 | お気に入り My Poem
今日の空は美しいね、
と 誰かと話しだすとき
永遠という時間が
また ながれだす

空が 白々とあけていく姿を
何度も見たことがあるね

長い 長い人間の歴史を歩きながら
あの時ね、
などと はじめてみようか

それが 私たちの
明日のいのちにつながるのなら



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空の青さが足りなくて

2014-03-01 | お気に入り My Poem
空の青さが足りなくて
ブルーの絵の具を買いに行った

棚にあるだけ
倉庫にあるだけ買い占めた

今日はよく売れるんです。
店員が 申し訳なさそうに
30本を袋にいれてくれた

パレットに
青い小山ができるほど
絞り出し
空の青さに届くように
描いてみるのだ
今日一日



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「No More War 」という詩を

2013-12-28 | お気に入り My Poem
十五夜の あの美しい夜から
それほど 時間は過ぎてはいないというのに
もうひとつの螺旋階段があるように
別の時間が 忍び寄ってきていたのだろうか

「No More War 」という詩を 
なぜ 書かなければならなくなったのか

自分が 
自分の愛する人たちが
戦場へ行かなければならない朝を
想像してみて

戦争がおきていいと思う人なんて
本当は いない



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垂直思考に疲れた夜は

2013-02-17 | お気に入り My Poem
垂直思考に疲れた夜は
深海の魚の夢を見る

浮上することは死を意味する
深海の魚
沈みこんで沈みこんで序走をつける
水平に泳ぐために
さらに 深くもぐるために

地上の生物も 空の端まで上昇してみれば
やっと手に入れた羽を 焦がしてしまうだろう

垂直思考に疲れた夜に
そう あの神話の意味もうっすらとわかる



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子供の絵 half

2012-09-23 | お気に入り My Poem
水色は 青と白が混ざった色
ピンクは 赤と白が混ざった色
オレンジ色は 赤と黄が混ざった色
ベージュは 茶と白が混ざった色
紫色は 青と赤が混ざった色

子供が実験を繰り返すように
パレットの上に 色を作っていく

空色は でもね
もっとたくさんの色が混ざって
できているんだ
緑や 茶色や 赤や 白や 黄色や 黒も
それを 雨の水でうすめて
風の筆で描くんだ

太い筆で 細い筆で
誰かが描いた大きな絵を
まねてみたいな
白い画用紙に
ひとしずくの輝きを
ドキドキするすべてを

          詩集「永遠のポンプ」から


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ゼロ

2012-09-20 | お気に入り My Poem
足し算を くり返し
やっと 引き算ができる日に
たどりつく

プラス思考は足し算
マイナス思考も足し算

私たちの思考から
何を引いたら
ゼロのスタートラインに立てるだろう
0=無限大の
宇宙的広がりを手に入れるために



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果実へ

2012-08-13 | お気に入り My Poem
だんだん畑に
だんだん陽がおちて
だんだん
みかんが
だいだい色に
染まっていくね


ぶくぶく
おひさまの
光をうけて
ぶくぶく
まあるい実をつつみ
ぶくぶく
ぶどうが
紫色にふくらむよ

        詩集「永遠のポンプ」から


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悲しいときは

2012-04-10 | お気に入り My Poem
涙は 目の内側へ
内側へ 流れて
心へ 届くまでの
体の道すじを 
きれいに 洗い流す

本当に 泣いてしまうと
目は 腫れて
鼻水は あとからあとから
出てきて
悲しみの痕跡が 残ってしまう

だから
涙は 心の中に流す
体の内側へ
内側へ
悲しみを 洗い流すように

胸の痛みも 
涙が 
薬のように
しみ込んで
そのうち
治っていくだろう

深い悲しみを
心に 持つ人の
流しつづける涙も 
いつか
その悲しみを
溶かすように

涙は 内側へ
内側へ
流れていく 

人類が 
心に流してきた涙が
地球に 美しい
青い海を 湛えている

         詩集「永遠のポンプ」から


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