詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
小林万利子/Arimの詩とエッセイと音楽Arim songs

Mr. チョードリーさんにお会いしたいなァ

2013-09-26 | 気になる人、ことば
Mr. チョードリーさんにお会いしたいなア、と思う。
30代の初め、インド仏跡の旅をご一緒して頂いた。
学研の編集長だった今は亡き杉平了淳さんが企画された
旅行。通算2回、1ヶ月余の旅程だった。

杉平さんは、学研を退職された後、故郷のご実家で住職をされ、
教育委員会や博物館館長などされたり、ご多忙な方だった。
博識な一方、とても気さくな方で、お寺は浄土真宗だったが、
朝の座禅の会を企画され、おいしい朝がゆを頂いた。
お酒もお好きな方で、時々インド料理の会を企画して下さり、
インドスパイスたっぷりのホウレンソウやキャベツのカレー、
甘ーいスイーツを一緒に作り、楽しい時を過ごさせて頂いた。

チョードリーさんは、杉平さんと写真家丸山勇さんが
中村元著「ブッダの世界」の本を作るために、長年にわたり
インド取材を続けた際にお世話をされた、インド政府の観光
関係の仕事をしている方だった。
日本語が上手で、うどんが好き。わさびはNGで、和からしはOK。
インド人なのに、ビールが好き。志村けんが好き。
繊細な気遣いをされる、日本人のような人柄だった。

杉平さんとの旅は、度重なる僥倖続きだった。
マーヤ夫人がブッダを産んだとされるルンビニーの遺跡。
夫人がお産の時に握ったと言われる棒が発掘された現場
にも、ちょうど遭遇した‥。

2度の旅行で、大変お世話になったチョードリーさん。
そして、その旅の最後に私は思った。
‥次に、自分が成長するまでは、チョードリーさんには
会えない、と。
若い時には、少々ストイック過ぎるところがあって、
なぜか、そう心に決めた人だった。

‥そして、そうこうしているうちに、
チョードリーさんのあの頃の年齢を、越してしまった。
今にしてみれば、もったいないことをしている‥。
自分が到底何か足りなくても、肝心なものが欠落していても、
大切に思う人には会わなければいけないのだと、今は思うよ。

旅行中、時間切れで探せなかった、タゴールの「ギタンジャリ」。
インド語で書かれたもの。英語で書かれたもの。
二冊を、チョードリーさんは、約束通り送って下さった。

第1子がお腹にいる時に、森本達雄訳の「ギタンジャリ」と、
インド語の詩集を、夜寝る前に必ず見ることにしていたっけ。

それにしても、この文字は古代インドで発達したといわれる
デーヴァナーガリー文字なのだろうか‥。
よくわからないけれど、とても美しい。
詩聖タゴールの心とインド文字の美しさは、
簡単なものではない。






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一瞬の可能性

2013-09-20 | トークタイム
今日は、仕事が半分お休み。
やることを猛ダッシュですませて
フと、外に出た。

ヨーロッパなら石畳の片隅‥
この辺りではさしづめ、路上、いや
人目があるので、公園のような所でもいい。
あぐらをかいて、ボーッとする場所を見つける。

風を感じたり、
地面に生える草のちがいを、目で追ったり。
そうしていると
地面に触れている体の一部分から、
根っ子が生えていてもおかしくないな、とか
肩甲骨の辺りから、羽が生えていたとしても
不思議じゃないな、と
想像できるようになった。

たまたま人間の形をしているけれど、
今、一緒に生きている全ての形に
私はなれる可能性だって、あったのさ‥。

可能性ってステキなことだ。
そう思ったら、
すがすがしい風が、胸の奥まで入り込んできて
スクっと立ちあがって、歩きだすことができた。

一瞬、でいいのだ。
自然の中での自分を
感じられる時間を持てるってことが。



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夕暮れの景色

2013-09-17 | Photo-ry (写真)
       


       雨と風で一掃された空。

       どこまでも ひろがる空に
       新しいパレットを開き
       つぎつぎに 美しい色を 
       塗り始めるみたいに。

       刻々と移りゆく
       夕暮れの景色でした。



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秋の入口 3

2013-09-14 | Photo-ry (写真)
  


  だんだんと秋の色が
  近づいてきた。

  残暑が、時折やってはくるが
  それも、夏の名残り。

  時々、振り返りながら
  手を振るように
  夏の日差しは
  何度も、何度も
  さよならと、告げていく。

  夕ぐれのヒルガオ。
  そろそろ、本当に
  さようなら。



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不協和音の力

2013-09-11 | 詩を歩く
不協和音の中で、どれ位、私は佇んでいられるだろう、
と、フと思う。

武満徹やジョンケージが活躍した時代、
前衛音楽が現代音楽といわれていた時代‥。
「実験音楽」は哲学的で、芸術的で、宇宙的だった。

不協和音というのは、予知しない音、
自分にとって未知の音源である。
だから、音の洗礼を受けるように、時には
不協和音の中に、漂ってみる。

自分にとって、美しい心地よい旋律ばかりが、
あふれているわけではない。
<調和>と思っている和音も、
いつも、心に安定をもたらすとは限らない。
不協和音との組み合わせによって、ハッとする
輝くような、美しさを感じることがある。

音のことから、私たちには、既知のことの方が
はるかに少ないという事実を認識する。
ゆえに、いつだって既知だけで、
世界を割り算してはいけないのだと思う。
そのためにも、あえて不協和音の海を泳ぐ。
そして、人も又、1人人1人違って当たり前なのだから、
地上に立つ人達よ、
不協和音にたゆたう進化を、遂げよ、と思う。

不協和音にこそ、生命の躍動を感じてみる。
地球のふところの深さが、伝わってくるようだ。
そう、宇宙では、どんな音も私たちに聞こえてこないと
すると、今、空気を伝わり聞こえてくる音という音は、
地球上で生きる、多様な私たちの姿を、鏡のように
映しているのだといえるのだ。



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地球の音

2013-09-06 | 詩を歩く
それにしても、音というのは
空気を伝わって聞こえてくるのだから
今、聞こえてくる音という音は
地球に住んで、はじめて聞こえるものなのだ、
と意識した。

とすれば、宇宙は無音‥。
恒星や惑星の引力に、引き寄せられ
彗星塵、隕石も
音無く浮遊し、飛び散るのだろうか。
太陽のコロナも
また、死んでいく星、生まれていく星も
無音の中で、生成されていくのだろうか。

おだやかな光の束を投げかけられて
地上のいのちは生まれている。
時間とともに、
音は、私達を通りすぎていく過客。

ふりそそぐ光。包まれる音の世界に佇み。
間断なく、訪れては去っていくものが、
私たちを、育てている‥。



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今日もカラスがBoyoって鳴いて

2013-09-03 | フリー Poem
鳥のことばばかり 気になるのは
それが きっと 必然だから

人間は なぜ 鳥の方が劣っていると
思いこんでいるのだろう

いのちの長さは 無関係

どれだけ いのちいっぱい生きられるか
という 計りにのったら
人間は 一等賞になれるのだろうか

私も 人間のはしくれ
鳥の味方をするわけではないけれど

人間のことや
人間のことばに 耳傾けているけれど

時々 鳥たちに 地上の理(コトワリ)を
教えてもらいたくなるのだ

海を渡ってくる鳥たちに
朝を迎えることの 幸せについて
聞かせてもらいたくなるのだ



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