詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
小林万利子/Arimの詩とエッセイと音楽Arim songs

私がここにいるには

2011-12-27 | フリー Poem
4代さかのぼれば 30人の父母がいて
5代さかのぼれば 62人
6代さかのぼれば 126人の人がいて
おかげで 私が生まれることが
できた

昨日出会った人
今日出会った人
明日出会う人
一人一人が そうなんだ

私の中に 人類がいる
皆の中に 夢が紡がれている

太い しなやかな幾多の根に支えられて
人間の夢を 歩いている



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夢がみる

2011-12-02 | おすすめPoem 記事
ずいぶん昔のこと。
渋谷の神宮外苑の絵画館で、
「無限アカデミー」が、現代詩講座を開いていた。

第一線で活躍している詩人、学者、芸術家が
講師となり、古今東西の詩などをそれぞれの
テーマで語った。

顧問も、西脇順三郎、草野心平、佐藤朔、
島田謹二、伊藤新吉、那珂太郎、宗左近、
田村隆一等(当時)となっていて、
毎週、まさに詩の最前線といった多彩な講師陣の
顔ぶれに、ドキドキしながら通った。

今でも、時々、思い出す言葉がある。
詩人会田綱雄氏の「夢が君をみている」
という言葉だ。

独特の詩の世界を創りあげた会田綱雄氏。
ご本人の講義でだったか、他の詩人の講義に
出てきたものだったのかは、忘れてしまった
のだが、私の心臓は鷲づかみにされた。

寝ている時の夢も、人間が抱く夢も、
夢は見るものだと思っていたのに、
夢に見られてしまうなんて。

存在の根底を揺るがされるような思いと同時に、
夢に背中を後押しされているような、
生きている限り大丈夫だというような、
力が湧いてくる言葉だと思った。

生きているということが、
誰かの大きな夢そのものであって、
いのちある限り、一人一人が、
それぞれの夢に進めばいいのだ、
といわれているように思えてくる。

折に触れ、心にフッとよみがえる、
「夢が君をみている」という詩人会田綱雄氏の
言葉は、忘れられない。



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