学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

老教師

2005-09-04 | 教育
それは,何十年続けてきた習慣だろう。

子供たちが帰ったあと,
教室の机を整え,
黒板をもう一度きれいに拭きなおし,
掲示物を直し,
ごみがあれば拾い,
汚れがあれば拭く。

そして最後に,
教卓に立ち,
子供たちの机を見渡す。

学級の一人ひとりの顔を思い浮かべる。

昼間の喧騒の残響と共に
いままで何十年にもわたって
彼の教室を通り抜けていった
幾人もの子供たちの顔が
今の子供たちの顔に重なる。

一人ひとりが健やかに成長しますようにとの
ひたすらな祈り。

その祈りだけが彼を支えてきた。

彼の教室には,
子供たちがほっとする温かい雰囲気と
子供たちが居住まいを正す凛とした雰囲気が
ある。

この教室こそが,
彼の生涯なのである。

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