学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

古い新しい

2008-04-20 | 教育
年度始めの猛烈な忙しさにブログの更新が滞ってしまった。

最近,
図書館で添田知道著『小説教育者』(全4巻)(玉川大学出版部,1978年)
(現在絶版)という本を見つけて読んでいる。

もともとは,戦中から戦後にかけて出版されたもので
長らく絶版になっていたものを玉川大学出版部が復刊させたものだそうである。

本の第一部の扉裏には,
「明治以後の国民教育史の頁を身を以って繰り,
村落学校の経営に,稀なる貧民学校の創業に,
世俗と闘い抜き,終始,
日本人として生き抜いた一教育者の生涯を描く伝記小説」
とある。

この小説は,明治期の教育者坂本龍之輔の伝記小説なのである。

この本を読むと,
教育という営みに古いも新しいもないのではないかと
思われてくる。

子どもの教育を大切なものと考えて
専心する心意気や気概だけが,
教育を支えるのだと思えてくる。

坂本龍之輔先生に教育の本質を教えられた気がする。


知識軽視の風潮を嘆く

2008-04-02 | 教育
人は生まれながらにして知ることを欲する。

したがって,知ることは喜びである。

知ったことは,知識となる。

ゆえに,知識豊富な人は,

知る喜びに満たされた人である。

しかるに最近,知識は軽視されている。

知識よりも学ぶ力や考える力と言われる。

知識は陳腐化すると言われる。

知識はつめこまれるものと言われる。

とにかく分が悪い。

ところが,これらの言説は根拠が薄い。

なぜなら,知識なく学ぶことも考えることもできず,
陳腐化するにしても知識を蓄えないよりはわ蓄えたほうがよく,
つめこんだ知識でも,つめこまないよりは意味がある。

知識は教養を形成し,
やがて人格を陶冶する。

それが本質だったと思うのだが。