学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

ワークシートかノートか

2015-01-05 | 教育
授業でワークシートを配ることがごくあたりまえになって,どのくらいたつだろうか?

とくに小学校や中学校ではワークシートは教科を問わず多用されているようである。

私自身が子どものときは,ワークシートというような言い方はなかったし,小学校で書き込み式のプリントが配られることもそう多くはなかったように思う。むしろ,中学校や高等学校で補足資料がプリントとして配られていたように記憶している。私は,実は子どものころ,このプリントがあまり好きではなかった。なぜかというと,整理がしづらいからである。穴をあけて綴じたり,ノートに貼りつけたりする手間が面倒だったのである。きちんきちんと整理しておかないと,やがてぐちゃぐちゃになって,後で整理しようと思っても,どこにいってしまったかわからなくなったり,何のプリントかわからなくなってしまったりする,とてもやっかいなものだと思っていた。ノートに貼ろうと思っても,そのままではノートに貼れず,必ずハサミで周囲を切らなければノートに収まらない。穴をあけて綴じるにしても,家まで持って帰ってから整理しなければならないので,家にたどり着くまでになくなってしまうこともある。子どもにとって,プリントを整理するという作業はとてもたいへんなことであった。

ということもあって,私はプリントを配らないで,教科書とノートだけで授業をすすめる先生が好きだった。情報が混乱しないから頭の中もすっきりするのである。

このような私の子どもの頃の思い出をたどりながら,今の子どもたちに配られている大量のワークシートは,果して子どもにとって情報整理という面からみて有効なのだろうかと疑問を抱くのである。それよりは,ノートに自分でまとめる仕方を最初から教えた方がよりよいのではないかと思えてくるのである。

それとも,ワークシートはその場限りのもので,どんどん捨ててよいというのであれば,話は別で,むしろ,そのような使い捨ての方法の方が,ワークシートとしては有効に使えるかもしれないと思ったりもするのである。

ワークシートとノート,どのように使うか,これも結構難しい問題である。