学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

教育の再生のために

2007-06-28 | 教育
真剣に教育の再生を考えるのであれば,
幼いときから,
まじめにこつこつ努力をして,
先生のいいつけをよく守り,
その結果,
学校でよい成績をおさめ,
志を抱いて教員となり,
目の前の子どものために日々,
粉骨砕身,仕事に励んでおられ,
自分の時間など後回しにし,
当然のことながら,
一冊の著書も目に見える業績もない,
そのような名もなき教師を,
政府は発掘して教育再生会議のメンバーとすべきである。

義務教育学校の格差問題

2007-06-17 | 教育
義務教育は,
だれでも一定の教育が受けられるようにするということが
その本旨である。

それゆえ,だれでも公立学校においては,
少なくとも平等な教育環境を与えられてしかるべきである。

しかしながら,最近の公立義務教育学校をよくみてみると,
学校によって施設面での差が拡大してはいないだろうか。

新機軸を打ち出した一貫校や特色ある学校などに
大規模な予算投入がなされていないだろうか。

これは,義務教育の原則を逸脱しており,
このような学校に通わない多くの子どもが
不利益をこうむる結果となっている可能性があるのである。

学校の託児機能

2007-06-17 | 教育
学校のもっとも大きな役割は,
実は「教育」以前に,
ある一定時間,多数の子どもを預かっているということにある。

すなわち,託児機能なのである。

このように考えると,
学校の役割が理解しやすくなる。

学校は,まずは「生活」の場なのである。
「学習」というファクターはその次にくるのである。

いま,学校に関する議論は,
「学習」に集中しているようであるが,
学校が「生活」の場として,
人的・物的に不備はないかどうかということを,
教育行政は,
長時間託児という観点から考え直すべきであろう。

ふたつ以上のものをひとつにする意味

2007-06-09 | 教育
ともかく,ふたつ以上あるものをひとつにすることがおおはやりである。

企業合併
市町村合併
中高一貫教育
小中一貫教育
幼保一元化

これらには共通項がある。

現場の人間が,非常に大きな労力をかけて
変革を準備実行しなければならないということと,
現場の人間には,全く何の利益ももたらさないばかりか,
不利益を生ずる可能性があるということである。

また,
そのプラスの効果が,
本来は未知数であるにもかかわらず
大きく喧伝される一方,
マイナス効果は,
決して口にされないということである。

不思議である。

一貫教育の何がよいか

2007-06-06 | 教育
一貫教育がはやりである。
中高一貫教育とか,小中一貫教育とか,
幼小の連携とか,高大の連携とかいった
教育における一貫性がさまざまに考えられている。

この一貫性の議論は,
カリキュラムの効率性や合理性を求めて行われることが多い。

このような一貫教育は,
私立学校がさまざまな形で
公立学校がそれを後追いする形で進んでいる。

私立学校で効果が上がっているようだから
公立学校もというわけである。

しかしながら,
私立学校で一貫教育が効果をあげているのは,
カリキュラムの合理性からではない。
カリキュラムが一貫しているからといって
それほど際立った効果はあがらないであろう。

一貫教育が一貫教育でないシステムに対してもつ
カリキュラム上のメリットとデメリットは
ほぼ相殺されてしまうのである。
現場の教師が少し考えればわかることであろう。

私立学校が一貫教育で効果をあげているとすれば,
その要因は,教育理念の一貫性や異なる校種の教員や生徒同士の
同僚性や仲間意識の強さという点に求められるべきである。

実は,この教育理念や校種の違いを超えた一貫性という点が,
公立学校の最も弱いところである。

したがって,この点をクリアしない限り,
公立学校の一貫教育が長期的に見て
効果を挙げていく可能性は低いのではないだろうか。