学校教育を考える

混迷する教育現場で,
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「学習者用デジタル教科書」を考える

2012-07-08 | 教育
「学習者用デジタル教科書」というものが考えられているそうだ。児童生徒一人ひとりがタブレットPCなどを用いて,デジタル教科書を使いつつ,授業が進むそうである。紙の教科書ではできないいろいろなことができるそうである。結構なことである。しかしながら,学校の教師でまともに学校のことが分かっている教師であれば,この「学習者用デジタル教科書」の導入が,現時点での技術レベルでは全く不可能であるということはすぐにわかるはずである。デジタル推進論者には考えもつかないことであろうから(あるいは,気づいていても,気づいていないふりをしているしたたかな人もいるかもしれないが),児童生徒一人ひとりに持たせて,学校で継続的に使用可能になるためにどうしても必要な技術革新を以下に列挙しておく。

①義務教育9年間,全く故障なく使用できること。あるいは,故障した場合に備えて,その場で交換可能な予備の機器が十分にストックされていること。さらに,いかなる故障であっても故障した場合は,メーカーが無条件で9年間無償あるいは500円未満の負担で交換に応じること。
②休み時間に,放り投げたり,踏んづけたりして遊んでも,あるいは,トイレにおっことしても,はたまた2階から落としても,大丈夫なこと。大丈夫というのは,壊れないというばかりではなく,児童生徒にとって危険ではないという意味も含む。
③給食にだされる牛乳,マーガリン,ジャム,カレー,きなこ等が機器の中に入っても,平気なこと。
④一回充電すれば,少なくとも2日間は十分使用可能なこと。願わくば,充電しなくても半永久的に使用可能なこと。
⑤重量が,500gを超えないこと。軽ければ軽いほどよい。

実は,現在使用されている教科書は,これらの条件をすべて技術的にクリアしているのである。
まだまだメーカーさんには努力していただく必要がありそうである。