学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

学級経営の心構え

2010-04-10 | 教育
4月,新しい学級の担任になられた方も多いであろう。
また,今年はじめてクラスをもつという方も多いであろう。
「いいクラスにしよう」,「まとまりのあるクラスにしよう」など,
4月は希望のふくらむ時期である。

しかし,何度も学級担任の経験を繰り返していると,
気づくことがある。
1年の終わりになってふり返ってみて,当然のことながら,
問題のなかったクラスなど存在しないのである。

「いいクラスにしよう」,「まとまりのあるクラスにしよう」
などという言葉は,
子どもたちに呼びかける言葉としては適切であるにしても,
教師の心構えとしては,まったく不適切なのである。

教師は,年度当初から,このクラスは「いいクラス」ではあり得ない,
いじめも発生する,不登校も発生する,学級崩壊も発生する,
その他もろもろの問題も発生する,
そう思っていなければならない。

結果として,「いいクラス」は,
それらのもろもろの問題を糧に成長し得たクラスである。
そのような学級経営のためには,
教師が,もろもろの問題に対して,
真っ向から教師が立ち向かい,
適切に対処しえた綿密なクラス経営があってはじめて
成立するのである。

そして,4月当初こそ,
プラス思考でうかれているよりも,
むしろマイナス面に充分に気を配って,
どのような危機にも対処する覚悟と気構えを
もっていなければならないのである。

よく子どもに対して,
先入観を持ちたくないから,
前年度からの申し送りや調査書には
目を通さないなどという教師がいるが,
教師失格である。
子どもについてのあらゆる情報を収集した上で
教壇に立つのが,プロの教師というものである。