学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

叱られる経験

2008-11-23 | 教育
叱られると,
それも特にみんなの前で叱られたりすると,
とても過敏に反応する高校生や大学生が
増えているような気がする。

よくよく話を聞いてみると,
小さい時から,叱られた経験,
それも,
みんなの前で面罵されたような経験がないのだという。

叱られた経験が
全くないということもないだろうから,
本人の記憶に残っていないということであろう。

そう考えると,
小さい時にこっぴどく叱られる経験というのも,
叱られることに対する耐性を養うためにも
見直されてもいいのではないかと思えてくる。

教師の地位

2008-11-17 | 教育
長らく本業のほうが多忙になり,
更新が滞っている。
今後もこの調子であろうと思われる。

さて,最近,教師の地位ということについて考えている。
よくよく考えてみると,
教師の地位というものは,歴史的にみても,
比較的低いものであるというのが普通であったように思われる。

古代ギリシアのパイダゴーゴスは奴隷であったし,
その後も長らく,学識があって志を得られなかった人や,
家柄が低かったり,財力が足りなかったりする人々が,
生活の糧を賄い,社会的に少々安定するための職業として
選ばれたというのが実情のようである。

戦前の日本のように,
教師の権威が,
国家体制によって形式的には
維持されているような時代は,
むしろまれなのである。

そのように考えると,むしろ気が楽になる。

教師には,権威もなく,地位もなく,
さほど専門性もなく,
薄給に甘んじ,
ただ子どもと共に過ごすことに
わずかな喜びを見出す,
子どもたちはどんどん成長し,
自分だけは後に取り残され,
十年一日の如き毎日を送る。
もともと教職とは,
そんな職業なのではないかと思うのである。