乙一の短編集「ZOO」の10作中5作が映画になっている。原作ものの場合「読んでから見るか」「見てから読むか」だが、本作は見てから読んだ。
タイトルバックのデザインが見事でオムニバス形式の五編はバラエティに富んでおり、見ごたえがある。
ただ、タイトルにもなっている五番目の「ZOO」は??の怪作になっている。映像を見る限りピーター・グリーナウェイのイギリス映画「ZOO」を思わせる部分があり、ひそかにオマージュがささげられているのかと思ったが、後で原作を読むとこの映画についての記述がある。10作中では最も難物で映画にしにくいと思われるが、原作も映画も表札タイトルにした作だからはずせなかったのであろうか。
「SEVEN ROOMS」は2次元化した「CUBE (キューブ)」のような作品。一部屋の何もない空間セットを作れば撮影可能かと思われた。
今回映画化されなかった残りの5作で「ZOO 2」が製作されれば最も見てみたいのは「落ちる飛行機の中で」。全作中でも魅力ある作品の一つで、むしろなぜ今回の映画化からはずされたのかを聞いてみたい気がする。
ザ・スニーカーと言う雑誌で読んだのが最初ですが、ミステリー&ホラー系せつない系どれも好み。
「GOTH」と「ZOO」は単行本を買いました。<後は文庫。
いつのまにかカリスマ作家になっていてびっくり!
活字で読む怖さは平気なのですが、映像になると弱い(怖い)のでどうしようかと迷っているうちに上映期間が終わってしまいました(笑)。
都内でも単館でひっそり公開でした。8月5日DVD発売だそうです。
「カザリとヨーコ」など怖くはありますがラストは原作同様、少女の自立・旅立ちでさわやかな余韻を残します。他は「SEVEN ROOMS」がややホラー系という程度で絵になったから怖いと言うパートはありませんからご安心を。