韓国のクライム・サスペンス。SFに出てくるパラレルワールドとは違う。
別の時代の別の人物がまったく同じ運命をたどることを意味し、作中ではリンカーンとケネディの例が引かれ、登場人物の教授が書いた「平行理論」なる著作が出てくる。
前半は、スリラーのタイトルバックに出てくるようなフラッシュバックと揺れを多用したショッカー狙いの映像がやたらと目立ち、物語の鍵となる殺人事件の描写があいまいで筋がつかみにくい。脚本と演出がスッキリしていないのだ。
が、後半になるにつれてパズルのピースが一つずつそろうように、だんだん良くなってくる。
30年前のある人物の運命を主人公がそのままなぞるのか、あるいはどこかでそれとは異なる展開になるのか、というサスペンス+殺人事件の犯人は誰か?の謎解きで見せてくれる。
実は・・・という30年前の事件の真相も絡み、なかなか複雑な構成ではある。
日本では「宮廷女官 チャングムの誓い」でおなじみのチ・ジニが主人公を演じるほか、「チェイサー」で驚愕の犯人を演じたハ・ジョンウが出ている。