お正月休みになったら観に行こうと楽しみにしていたゴッホ展。
混んでるらしいよ、と聞いていましたが、やはり噂通り混んでいて、
1月3日の昼前で40分~50分待ちでした。
みんなゴッホの絵、好きなんですよねー。
展覧会は、ゴッホが影響を受けた2つのもの‥ハーグ派と印象派‥の
2部構成になっていて、(会場内ももちろん混みこみでしたが)、
わかりやすいと思いました。
上の写真の右側の、自画像の下にある「馬鈴薯を食べる人々」は、
初期の作品として有名ですが、それよりももっと前に描かれた、本当に
絵を書き始めて間もない頃の作品もあり、とても新鮮でした。
ハーグ派の画家に師事することで、画家としての自分を確立していこうと
していたゴッホ。抑えた色調、広い空が描かれている風景や、そこで暮らしている
ふつうの人たち‥。
オランダのハーグで、そのままそういう絵を描き続ける選択も、もしかしてゴッホに
あったのではないかと、勝手に仮定しながら観ていったのですが‥だって、ずっと
ハーグに留まって、その地で画家として一生を全うした方だって居たし、
ハーグ派と呼ばれた人たちの絵もなかなかよかったのです‥。
でも、遅かれ早かれ、ゴッホはパリへ出ていくことになったのだろうなと、やっぱり
思いました。もちろん弟テオの存在は大きいですが、そうでなかったとしても、
まず、同じ一つの場所で、人間関係を築き上げていくことができない人だし、
時代の大きなうねりみたいなものも感じただろうし、パリはとても魅力的な街
だっただろうし。
俯瞰して見てみると、あの時のあの選択がなかったとしても、すこし遅れただけで
結論は同じ、ということは人生にはままあることかもしれませんが。
凝縮された時間、そこに継ぎこまれたハンパじゃない情熱と苦悩と喜び‥そんなもの
全部ひっくるめて、私たち(私は、かな)はゴッホの絵が好きなんじゃないでしょうかー。
今展の目玉はチケットにも使われている「糸杉」ですが(冒頭写真の真ん中)、
私は、こちらの「薔薇」がとてもよかったです。(会場の壁面広告に使われてました)
静物画なのに、背景で、雲が流れているみたいに白い線が描かれているのに
なんだかじんと感動しました。気持ちが動いているように思えて。
それにしても、上野でゴッホってここ数年で3度目ですねー。
2016年10月~12月『ゴッホとゴーギャン展』
2017年10月~1月 『ゴッホ展 巡りゆく日本の夢』
2019年10月~1月 『ゴッホ展』
ゴッホとゴーギャン展も観に行ったはずですが、ログは残っていませんでした。
あの時は、共同生活を送っていた時に互いの椅子を描いた、その作品が
来ていた気がします。