[4月9日10時10分 天候:晴 千葉県富津市金谷 東京湾フェリー金谷港→かなや丸船内]
ターミナルの建物に入った私達は、券売機で乗船券を買い求めた。
2023年現在のフェリー運賃は、大人片道900円である。
これは徒歩客用の運賃であり、車両の運賃ではない。
高橋とパールは、そういった車両の航送料金についても注目していた。
愛原「バイクを買ったら、2人で新婚旅行に行くんだろ?途中、こういう船に乗るのもいいかもな?」
高橋「そうっスね」
尚、車両航送用のキップは券売機ではなく、有人窓口で購入する形になっているようだ。
車検証の確認などもあるからだろう。
ターミナルの中は、売店やレストランもある。
ここで、“びわサイダー”なる物を買って飲んでみる。
千葉県は、枇杷の産地でもあるからだ。
愛原「うん、枇杷だ」
リサ「枇杷……初めて飲むなぁ」
愛原「そうなの?」
リサ「うん。でも美味しい」
愛原「東京でも枇杷の木くらいはあるからな。警備員やってた頃、派遣先の会社の敷地内に枇杷の木があって、収穫を手伝ったもんだ」
リサ「へえ!」
愛原「豊作だった年は籠に入り切らなくて、帽子の中に入れたよ。で、そこの会社の社長さんが、『帽子に入れた分は全部持ってって』なんて言ってくれたりしてさ」
リサ「帽子って、藤野の守衛さん達が被ってるヤツ?」
愛原「そう。官帽って言うんだ」
リサ「ヘルメットを被ることもあるよね?」
愛原「まあ、現場によってはな。それがどうした?」
リサ「いや、ヘルメットの方が大きいから、枇杷もいっぱい入るだろうなぁ……って」
愛原「意地汚いことを考えるな!」
乗船できるようになったらしいので、私達は徒歩乗船口に向かった。
ガラス扉の奥、スロープを昇って進むと……。
まるで、自動改札機が設置される前の駅の改札口のようなブースが並んでいる。
そこに係員が立っていて、乗客のキップを確認していた。
リサ「おー!これから乗るんだ!」
愛原「ゲームで言えば、『1度乗船すると、ターミナルには戻れません。船に乗りますか? はい いいえ』だな」
リサ「『はい』で!」
愛原「そうか。高橋達もいいか?」
高橋「うっス!」
パール「大丈夫です」
私達は乗船することにした。
乗船券を係員に渡すと、これまた駅の改札印のようなスタンプを押して返してくれる。
JRの改札印は赤色だが、こちらのフェリーのは黒いインクである。
タラップを渡って、船内に入った。
リサ「先生と船旅をするのは、2回目だね」
愛原「2回?そうか。八丈島に行った時にも乗ったもんな」
リサ「そうそう!」
八丈島旅行。
往路は船舶を利用し、復路は旅客機を利用した。
リサが陸路以外の交通を利用しても大丈夫かという実験も兼ねており、両方とも問題無く乗れたので、リサには船舶と航空機の利用も解禁された。
但し、パスポートは発行できないので、国内線オンリーだが。
船尾甲板から乗り込む形となる。
愛原「2階に行くか」
リサ「行こう行こう!」
急な階段を昇る。
甲板側の階段は急傾斜だが、船室内の階段は普通である。
愛原「かなや丸というのか」
リサ「船底倉庫で、ドアをドンドン叩きながら『メーデー、メーデー』って……」
愛原「お前が化け物に変化したら、そうしてくれ」
客室2階の船尾甲板寄りは、売店とラウンジがある。
お土産物も売ってたりするが、他にも食べ物や飲み物も扱っている。
愛原「さすがは横須賀市に向かう船だ。横須賀海軍カレーとか売ってる」
リサ「本当だ。お土産に買って行かない?」
愛原「そうだな……。多分、久里浜港側にも売店はあるだろう。そっちでも売ってるだろうから、そっちで買ってみるか」
リサ「おー!……でも、いま食べたい」
愛原「おいおい」
リサ「いま食べれるカレー、発見!」
愛原「マジで今食うのか……」
私は私で、カップに入ったアジの竜田揚げとサイダーを買ってみた。
愛原「これ、アレだ。甲板でブシュッと開けよう」
リサ「そうなの?」
愛原「作者が友人と取材で乗り込んだ際、サイダーが吹き出して大変なことになったらしい」
リサ「ほーほー」
私は船尾甲板に出て、サイダーを開けた。
案の定、泡が吹き出すが、予備知識のあった私は、少なくとも船室内で零すというような失態はせずに済んだ。
愛原「本当に買うとは……」
リサ「いただきまーす!」
私とリサはラウンジ内のテーブルに向かい合わせに座った。
愛原「あれ?高橋達は?」
リサ「デッキに出てるよ。タイタニックごっこでもするんじゃない?」
愛原「船首甲板は立入禁止だったと思うが……」
後で怒られるようなことをしなければいいのだが……。
先ほど乗り込んだタラップが、窓の下に見える。
まもなく出港時間となる為か、係員がタラップを引っ込めていた。
ターミナルの建物に入った私達は、券売機で乗船券を買い求めた。
2023年現在のフェリー運賃は、大人片道900円である。
これは徒歩客用の運賃であり、車両の運賃ではない。
高橋とパールは、そういった車両の航送料金についても注目していた。
愛原「バイクを買ったら、2人で新婚旅行に行くんだろ?途中、こういう船に乗るのもいいかもな?」
高橋「そうっスね」
尚、車両航送用のキップは券売機ではなく、有人窓口で購入する形になっているようだ。
車検証の確認などもあるからだろう。
ターミナルの中は、売店やレストランもある。
ここで、“びわサイダー”なる物を買って飲んでみる。
千葉県は、枇杷の産地でもあるからだ。
愛原「うん、枇杷だ」
リサ「枇杷……初めて飲むなぁ」
愛原「そうなの?」
リサ「うん。でも美味しい」
愛原「東京でも枇杷の木くらいはあるからな。警備員やってた頃、派遣先の会社の敷地内に枇杷の木があって、収穫を手伝ったもんだ」
リサ「へえ!」
愛原「豊作だった年は籠に入り切らなくて、帽子の中に入れたよ。で、そこの会社の社長さんが、『帽子に入れた分は全部持ってって』なんて言ってくれたりしてさ」
リサ「帽子って、藤野の守衛さん達が被ってるヤツ?」
愛原「そう。官帽って言うんだ」
リサ「ヘルメットを被ることもあるよね?」
愛原「まあ、現場によってはな。それがどうした?」
リサ「いや、ヘルメットの方が大きいから、枇杷もいっぱい入るだろうなぁ……って」
愛原「意地汚いことを考えるな!」
乗船できるようになったらしいので、私達は徒歩乗船口に向かった。
ガラス扉の奥、スロープを昇って進むと……。
まるで、自動改札機が設置される前の駅の改札口のようなブースが並んでいる。
そこに係員が立っていて、乗客のキップを確認していた。
リサ「おー!これから乗るんだ!」
愛原「ゲームで言えば、『1度乗船すると、ターミナルには戻れません。船に乗りますか? はい いいえ』だな」
リサ「『はい』で!」
愛原「そうか。高橋達もいいか?」
高橋「うっス!」
パール「大丈夫です」
私達は乗船することにした。
乗船券を係員に渡すと、これまた駅の改札印のようなスタンプを押して返してくれる。
JRの改札印は赤色だが、こちらのフェリーのは黒いインクである。
タラップを渡って、船内に入った。
リサ「先生と船旅をするのは、2回目だね」
愛原「2回?そうか。八丈島に行った時にも乗ったもんな」
リサ「そうそう!」
八丈島旅行。
往路は船舶を利用し、復路は旅客機を利用した。
リサが陸路以外の交通を利用しても大丈夫かという実験も兼ねており、両方とも問題無く乗れたので、リサには船舶と航空機の利用も解禁された。
但し、パスポートは発行できないので、国内線オンリーだが。
船尾甲板から乗り込む形となる。
愛原「2階に行くか」
リサ「行こう行こう!」
急な階段を昇る。
甲板側の階段は急傾斜だが、船室内の階段は普通である。
愛原「かなや丸というのか」
リサ「船底倉庫で、ドアをドンドン叩きながら『メーデー、メーデー』って……」
愛原「お前が化け物に変化したら、そうしてくれ」
客室2階の船尾甲板寄りは、売店とラウンジがある。
お土産物も売ってたりするが、他にも食べ物や飲み物も扱っている。
愛原「さすがは横須賀市に向かう船だ。横須賀海軍カレーとか売ってる」
リサ「本当だ。お土産に買って行かない?」
愛原「そうだな……。多分、久里浜港側にも売店はあるだろう。そっちでも売ってるだろうから、そっちで買ってみるか」
リサ「おー!……でも、いま食べたい」
愛原「おいおい」
リサ「いま食べれるカレー、発見!」
愛原「マジで今食うのか……」
私は私で、カップに入ったアジの竜田揚げとサイダーを買ってみた。
愛原「これ、アレだ。甲板でブシュッと開けよう」
リサ「そうなの?」
愛原「作者が友人と取材で乗り込んだ際、サイダーが吹き出して大変なことになったらしい」
リサ「ほーほー」
私は船尾甲板に出て、サイダーを開けた。
案の定、泡が吹き出すが、予備知識のあった私は、少なくとも船室内で零すというような失態はせずに済んだ。
愛原「本当に買うとは……」
リサ「いただきまーす!」
私とリサはラウンジ内のテーブルに向かい合わせに座った。
愛原「あれ?高橋達は?」
リサ「デッキに出てるよ。タイタニックごっこでもするんじゃない?」
愛原「船首甲板は立入禁止だったと思うが……」
後で怒られるようなことをしなければいいのだが……。
先ほど乗り込んだタラップが、窓の下に見える。
まもなく出港時間となる為か、係員がタラップを引っ込めていた。