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報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「栗原蓮華の襲撃」

2024-05-02 14:45:53 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月25日23時00分 天候:晴 栃木県那須塩原市某所 ホテル天長園7階・愛原の部屋]

 701号室はリサの化身の手が暴れた為、私は部屋を交換してもらった。
 今度も和室の部屋だったが、角部屋ではないこともあり、室内はやや狭い。
 実際、2人用の部屋として案内している部屋なのだとか。
 それでも1人で使うには広めの部屋なので、私はそこで寝ることにした。

 愛原「銃を持つのはやめなさい!」

 リサの化身の一対の手は、私が持って来たショットガンを持っている。
 私が銃を取り上げ、布団に入るが、手はフワフワと天井付近を漂っている。
 まるで、私のことを見張っているかのようだ。
 これではなかなか眠れない。
 これでも本体のリサはまだ意識を取り戻していないというのだから驚きだ。

 愛原「俺は寝るから、変なことは絶対しないように。分かった?」

 私が手達に言うと、手達はパタパタと手を上下に振った。
 取りあえず一応、消灯して布団の中に潜り込んだ。
 高橋達が護衛の為に、一緒の部屋に移ろうかという話もあったが、せっかくの新婚夫婦の温泉旅行なのだからと、それは固辞しておいた。
 リサの化身という最強の警備員がいるので。

[3月26日02時00分 天候:晴 同ホテル7階・愛原の部屋]

 愛原「ん……?」

 何だか外が騒がしくなって目が覚めた。
 一体、何があった?
 私が布団から起きて、カーテンの隙間から外を覗いた。

 愛原「あっ!」

 部屋の下は正面エントランスがある。
 そのロータリー側で、鬼達が小競り合いをしていた。
 片や『天長会』の法被を着ている。
 もう片方は……。

 愛原「もしかして、栗原蓮華が攻めて来た!?」

 私は自分のスマホを手に取ると、BSAAのアプリを起動させた。
 そして、『非常』をタップした。

 愛原「これで良し」

 今、BSAAはリサの警備の為に藤野に集まっているだろうが、これでこちらに来てくれるだろう。
 しかし、ホッとしたのも束の間だった。
 ガッシャーン!と窓ガラスが割れると、そこから……。

 栗原蓮華「愛原先生……見つけた……!」

 ポニーテールにした銀髪を風に靡かせ、赤い瞳を私の方に向けた蓮華が現れた。
 ギャルJKのように、ブラウスをラフに着こなし、スカートもリサのよりも短くしている。
 頭の2本角と牙さえなければ、ギャルJKに見えてしまうかも。

 蓮華「頂きィ!」

 蓮華が私に飛び掛かって来る。
 私はショットガンで応戦した。

 高橋「先生!大丈夫ですか!?」
 パール「ここを開けてください!」

 部屋の外から高橋達がドアをドンドン叩く音が聞こえる。

 愛原「リサ!ドアの鍵を開けろ!」
 蓮華「リサ?リサがここにいるの?」
 愛原「いるかもな!」
 蓮華「よく分かんないけど、メンド臭そうだから、さっさと来てもらうよ!」

 蓮華は髪を解くと、まるでそれを触手のように私に伸ばして来た。

 愛原「うわっ!何だこれは!?」

 銃で撃っても、蓮華の髪の毛は怯まなかった。
 あっという間に私は蓮華の髪の毛に絡め捕られた。
 同時に高橋達が飛び込んで来る。

 高橋「先生ーっ!?」
 蓮華「キャハハハハハ!愛原先生のは私のもの!アーッハッハッハッハーッ!!」

 蓮華は勝ち誇った笑いを放つと、そのまま窓から飛び立った。

 愛原「わぁーっ!?」
 蓮華「愛原先生、少しの間、我慢してね?後で一杯、気持ちいいことしてあげるから」
 上野利恵「降りてきなさい!今度という今度は容赦しないわよ!!」
 蓮華「飛べないオバハンが何か言ってるしw」
 利恵「誰がオバハンだぁーっ!!」
 蓮華「先生?あんなオバハンより、現役JKの私が気持ち良くしてあげるからね?」
 愛原「いや、お前はもう退学だから!それより……オマエは、大石寺で何してたんだ?!」
 蓮華「大……石寺?」

 まるでラムちゃんのように自由に空を飛んでいた蓮華だったが、私の言葉に同様したのか、急に高度を落とした。

 愛原「人間だった頃は、敬虔な仏教徒だったじゃないか!俺達も一緒に厳かなお寺(の近く)まで行ったぞ!それがこんな人食い鬼をやって、仏様にどんな顔合わせをするつもりだ!?」
 蓮華「う、うるさい!うるさい!仏は私を見放したんだ!鬼の力を手に入れてから、無くなった足も生えたし、これでいいんだ!それに……鬼は死なない!」

 すると、そこへ上空からヘリコプターが現れた。
 もうBSAAが駆け付けてくれたのか!……と、思いきや!

 愛原「あれは“青いアンブレラ”!?」

 機体の側面に、アンブレラのマークが描かれていることから、“青いアンブレラ”ということが分かった。
 民間軍事会社の存在が認められている国では合法だが、憲法で軍事力を否定している日本では、例え民間軍事会社とて違法である。

〔「鬼の栗原蓮華を発見。直ちに攻撃を開始する」〕

 愛原「はぁーっ!?」
 蓮華「やれるもんなら……やってみろ!」

 しかし、“青いアンブレラ”は機銃掃射を開始した。
 私達はホテルとは反対側の山の中にいるのだが、容赦なく“青いアンブレラ”のヘリは地上に向かって機銃掃射を開始した。
 木々が被弾して、葉っぱや枝が落ちて来る。

 愛原「上空にはヘリだ。飛ぶことはできないな?」
 蓮華「それなら、ヘリを撃ち落とす」
 愛原「へ?う、撃ち落とすって?」
 蓮華「開けた場所に!」
 愛原「いや、俺は行かんよ!」
 蓮華「あぁん!?」

 ガブッ!(蓮華、愛原に噛み付く)

 愛原「いっでーっ!?」
 蓮華「言う事聞かないと、ここで食い殺す!」
 愛原「わ、分かった!一緒に行くよ!」

 今回は鬼に噛み付かれる旅だなぁ……。
 走って逃げても、ヘリはどこまでも追い掛けて来る。
 そして……。

 愛原「うわっ!?」

 突然、後ろから何者かに抱えられ、私は一気に上空に舞い上がった。
 そして、高台の平場に着地する。
 今度は何が起きた!?

 高野芽衣子「先生。助けに来ましたよ」
 愛原「高野君!?」

 それは高野芽衣子だった。
 善場主任からはエイダ・ウォン・コピーと呼ばれ、見た目はエイダ・ウォンによく似ている。
 そして、彼女のアイテムの1つであるフックショットも彼女は使いこなす。
 これを使って、私を後ろから抱き抱え、上の平場へと運んだのだった。
 そして、先回りしていたヘリコプターが何かを落とす。

 高野「先生、まもなく安全になりますからね」
 愛原「あ、安全って、まさかそれ……」

 高野君はヘリが落としたそれを拾い上げ、構えた。
 それというのは、ロケットランチャー。

 蓮華「キサマ……!よくも愛原先生を横取り……!」

 蓮華が下から現れたと同時に……。

 高野「Fire!」

 ロケットランチャーをぶっ放した。
 蓮華「!!!」

 それは間違い無く蓮華の体に命中した。

 高野「お寺ではミスったけど、今度はそうは行かないからね」
 愛原( ゚д゚)ポカーン

 私は大爆発の状況をただポカーンとして見ている他無かった。

 高野「さあさあ、ホテルまでお送りしましょう。そろそろBSAAの連中が来る頃ですからね」
 愛原「あ、ああ……」

 私は促されて“青いアンブレラ”のヘリに乗り込んだのだった。
コメント (1)
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