報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「埼玉から立ち去る」

2023-06-20 14:47:11 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月28日18時30分 天候:晴 埼玉県さいたま市中央区本町西 イオンモール与野3階サイゼリヤ]

 私達は買ってきた服や靴を、リサの所に持って行った。

 リサ「ありがとう。すぐに着替える」

 リサはそう言って、車の中で服を着た。

 リサ「お待たせ」
 絵恋「きゃーっ!リサさん、元通り!」
 リサ「あー、うん……」

 リサはパーカーのフードを被った。

 リサ「あのクソ野郎、絶対にブッ殺す……!」
 愛原「後で何があったか、聞かせてもらうよ。取りあえず、まずは飯にしよう。ファミレスでいいか?」
 リサ「ステーキがいい」
 愛原「ステーキならあるぞ」

 というわけで、私達はモール内のサイゼに移動した。

 愛原「飯代、大人は出せよ?」
 絵恋「わ、私も自分で出しますから!……大人の女性として
 リサ「エレン、処女喪失したん?」
 高橋「そっちかよw」
 リサ「だって、ディルドで処女膜破ったくらいじゃ、『処女喪失』にはならないって……」
 高橋「まあ、そこは人それぞれだな」
 パール「膜破ったんだから、喪失でいいんとちゃう?」
 高橋「いや、やっぱそこはチ○○じゃねーとダメだろ~」
 愛原「お前ら、何の話してるんだ」
 高橋「あっ……」

 店に入って、テーブルに着く。

 リサ「リブステーキ」
 愛原「あいよ」
 リサ「分厚いヤツ」
 愛原「いや、多分、厚さは一択しかないと思うぞ」
 リサ「えー」

 私が注文票に記入していく。
 みんなの分の注文が終わると……。

 愛原「ほい、高橋。注文してくれや」
 高橋「分かりました」

 高橋が店員に注文票を渡す。

 絵恋「リサさん、ドリンクバー取ってこよう」
 リサ「うん」
 パール「いえいえ。私が取りに行きますので、御嬢様方はこちらでお待ちください」
 高橋「俺は先生のを取ってきます」
 愛原「ああ、ありがとう」

 高橋とパールがドリンクバーへと向かった。

 愛原「それでリサ、男の『鬼』とはどんなヤツだった?」

 リサはチラッと近くのテーブルを見た。
 そこではリサ達と大して歳の変わらぬ……というか、ほぼ同じ年頃のJK達がK-POPアイドルについて盛り上がっている。

 リサ「恐らく、人間の女が見たらイケメン。その男、多分その顔で人間の女を釣って食ってる。そう見えた」
 愛原「マジか……。西洋の吸血鬼みたいだな。イケメンと言えば、うちにも高橋みたいなのがいるけど、それは?」
 リサ「タイプが違う。お兄ちゃんはあくまでも、ホスト系。鬼の方は多分、アイドル系だと思う。ジャニーズとかK-POPとかはあんま知らないけど……。多分、人間に化けるとしたら、そんな感じ」
 絵恋「流行りに流されないリサさんは、素敵ですぅ~
 愛原「そうなのか」
 リサ「で、多分、赤鬼だね」
 愛原「赤鬼?どうして分かる?」
 リサ「全体的に色黒だったから。ほら、赤銅色って言うの?あれ、赤っぽく見えるよね?人間はそんな肌色をした鬼を見て、赤鬼と呼ぶようになったんだよね」
 絵恋「うあー……顔の良さだけを自慢してそうなタイプ……。私、そういうの嫌い」
 愛原「そこはまだ高橋の方がマシか。あいつ、イケメンという自覚すら無いから。で、見た目の歳は?高橋くらい?」
 リサ「いや……。もしかしたら、高校生くらいかも……」
 愛原「ええっ!?」
 リサ「鬼の年齢なんて、分かんないよ。でも、オジさんとかじゃないよ」
 愛原「顔のイラストとか描けない?」
 リサ「わたし、美術だけは苦手で……」
 絵恋「それなら、美術部のコに描いてもらえばいいんじゃない?リサさんところの『四天王』にいるんでしょ?」
 リサ「そうだ、サクラヤがいた!あいつに描いてもらおう」

 リサはすぐに自分のスマホを取り出した。
 それから、注文したものが運ばれてくる。

 リサ「おー、ステーキ!」
 愛原「まあ、とにかく無事で良かった。好きに食べてくれ」
 リサ「いただきまーす」

[同日20時00分 天候:晴 イオモール与野5階・駐車場]

 夕食を終えた後、トイレに行ったりして、それから車に戻った。

 愛原「ん?」

 その時、私のスマホに着信があった。
 出てみると、それは善場主任だった。

 善場「愛原所長、お疲れ様です」
 愛原「お疲れ様です」
 善場「今、どちらにいらっしゃいますか?」
 愛原「さいたま市中央区のイオンモール与野ですが……」
 善場「これから、車で帰宅されるのですね?」
 愛原「はい、そうです。たった今、出るところです」
 善場「帰りは首都高経由ですね?」
 愛原「そのつもりです。何かありましたか?」
 善場「私達も首都高の上にいるんです。途中のパーキングで合流できませんかね?」
 愛原「ちょっとお待ちください」

 私は運転席にいる高橋に声を掛けた。

 愛原「高橋、首都高はどういう経路で行くつもりだ?」
 高橋「そうっすね……。取りあえず、5号線を通って行こうかと」
 愛原「もしもし?5号池袋線を通る予定です」
 善場「かしこまりました。そうなりますと、途中に南池袋のパーキングがあります。そちらで合流をお願いできますか?駐車場所は確保しておきますので」
 愛原「分かりました」

 私は電話を切った。
 そして、車に乗り込む。

 高橋「いいっスか?」
 愛原「ああ、頼む。でさ、ちょっと善場主任が話があるみたいで、南池袋のパーキングで合流したいんだと」
 高橋「南池袋っスか?」
 愛原「ああ。5号池袋線を行くってことは、通るだろ?」
 高橋「そうっスね」
 愛原「何でも、善場主任達も今、首都高を走っているらしい」
 高橋「何かの取り締まりっスかね?」
 愛原「……鬼の取り締まりをしてるのかもな」
 高橋「……それ、ガチバナっすか?」
 愛原「多分。何でも、リサと戦った『鬼』の男は、長距離トラックの荷台に飛び乗って逃げたそうだ。そうだろ、リサ?」
 リサ「うん!」

 リサはさすがにナンバーまでは覚えていなかったが、それがアルミバンのハコ車の10トン大型。
 キャブの色が緑色っぽいところまでは覚えていた。
 国道17号線新大宮バイパスの上り線を走行していったという。

 愛原「どうやら善場主任、そのトラックを特定したらしいぞ」
 高橋「マジっスか?ヤバいっスねぇ……」

 車は立体駐車場を出て、県道の交差点に出た。
 そこを右折すれば、その新大宮バイパスはすぐそこだ。
 しかし……。

 パール「マサ、ここは左に曲がって」
 高橋「あ?何でだよ?」
 パール「そこからバイパスに乗ると、与野から首都高に入れないから」
 高橋「そうなのか?」
 愛原「パールの方が土地勘あるか」
 パール「まあ、そうですね」

 ということで、県道は左折する。
 モールの駐車場を回り込むようにして、また次の信号を左折といった感じにグルッと回って国道に出た。

 パール「で、そこを曲がれば首都高の入口ってわけ」
 高橋「……なるほどな」
 愛原「さっきの話に戻るぞ。もちろん、トラックは無関係だ。たまたま便乗されただけに過ぎない。しかし、『鬼』の方も、ある程度の距離は便乗したことだろう。それだと逃げたことにはならないからな。そのある程度の距離って何だと思う?」
 高橋「うーん……」
 愛原「俺が鬼なら、最初のパーキングエリアに止まった時にするかな。それだと車も止まってるから、飛び降りる危険性も無いし」
 高橋「なるほど。そういうものっスか。もしかして、それが南池袋なんスか?」
 愛原「いや、さすがにそれは違うみたいだ。たまたま、俺達と合流しやすい場所なだけ」
 高橋「何だ、そうっスか」
 愛原「実際どこに止まってたのかは、後で教えてくれるらしいよ」
 高橋「なるほど……」
 愛原「取りあえず、南池袋まで行ってくれ」
 高橋「了解っス」
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“私立探偵 愛原学” 「鬼との戦い」 2

2023-06-20 11:47:29 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月27日17時30分 天候:晴 埼玉県さいたま市中央区本町西 イオンモール与野]

〔ピンポーン♪ 5階です。下に参ります〕

 私と高橋は、エレベーターで立体駐車場に向かった。
 イオンモール与野の立体駐車場は5階建てで、その上に屋上もある。
 しかし、パールが言ってた最上階とは屋上のことではなく、5階のことだったようだ。

 パール「愛原先生、こちらです!」

 メイド服と打って変わって、革ジャンと迷彩服、ジーンズと、およそメイドらしからぬ私服であったが、私に対する言葉遣いは変わらない。
 ナイフは服のどこに隠しているのだろう?
 私達はパールの案内に従って、車に向かった。

 パール「こちらです」

 見覚えのある車に辿り着くと、パールは助手席後ろのスライドドアを開けた。

 我那覇絵恋「愛原先生」
 リサ「先生……」

 リサは確かに全裸なようで、車の中にあった毛布に全身を包んでいた。

 愛原「リサ!よく無事だったな!いやあ、良かった良かった!」
 リサ「先生?」

 私は何だか嬉しくて、リサの両肩を何度もポンポン叩いた。

 パール「愛原先生、感動の再会中、申し訳ございませんが……」
 愛原「おっと!何だ?」
 絵恋「そうよ!リサさんをずっと裸のままにしておくわけにはいかないわ!新しい服を買ってあげないと!」
 パール「幸いここはイオンモールです。調達は簡単です」
 愛原「そ、そうだったな。幸いイオンモールにはユニクロもABCマートもあるし、いっちょ揃えてくるか」
 絵恋「ユニクロですか?もっと高いいい服にしてあげましょうよ」
 愛原「いや、リサが着てた服、全部ユニクロ調達してたヤツで、靴はABCマートで買った記憶があるんだが?」
 リサ「わたしもそこでいいよ。エレンの服は動き難そう」
 絵恋「ガーン!」😨
 愛原「服のサイズだが……」
 絵恋「あ、わたし知ってまーす!」
 愛原「そうか。それじゃ……って、ええ!?」
 リサ「何でオマエ、わたしの服のサイズ知ってるんだよ?」
 絵恋「リサさんのことは何でもお見通しです!」
 高橋「レズガキがキモガキにアップデートしやがったw」
 絵恋「何よ!?」
 高橋「先生、ついでにスーツを新調されるのというのは?」
 愛原「しかし、服のサイズが……」
 高橋「大丈夫です。俺が全部熟知しています」
 絵恋「アンタも人の事言えないじゃいのよ!」

 車にはもちろん、リサが残った。
 あとは護衛として、パールに残ってもらった。

 絵恋「いいこと?リサさんに危害を加えるヤツは、パールのナイフでズダスダに切り刻んでやって!」
 パール「かしこまりました。御嬢様」

 という物騒なやり取りを残して……。

〔下に参ります。ドアが閉まります〕

 私達は再び駐車場から、ショップフロアに下りるエレベーターに乗り込んだ。

 愛原「リサに敗走したんだろ?鬼の執念深さは俺も聞いているが、さすがに今日は仕返しに来ないだろう」
 高橋「普通はそうっスけどね……」
 愛原「お前だったら、ケガが治り次第、仲間引き連れてリベンジに行くってか?」
 高橋「当たり前っス!」

〔ピンポーン♪ 2階です。下に参ります〕

 ドアが開いて、私達はエレベーターを降りた。
 幸い、エレベーターの近くに店があった。

 愛原「リサが今日着ていたものと、なるべく同じ物を買ってあげよう」
 絵恋「えー?それじゃつまらなくないですか?」
 愛原「リサだって、『今日着てたヤツがいい』って言ってたじゃないか」
 絵恋「まあ、そうですけど……」
 愛原「今日着てたのは、パーカーとトレーナーとショートパンツと……」
 絵恋「リサさん、太もも丸出しで寒くないのかしら……」
 高橋「鬼だからな。問題ねぇ」

 そういえば、『鬼』の男に服を燃やされた後も、そんなに寒そうにはしていなかったそうな。

 愛原「あった、これだ。絵恋さん、サイズは?」

 絵恋さんは的確な記憶力でもって、リサの服のサイズをスラスラ答えた。

 高橋「お前、よく知ってるな?」
 絵恋「愛の力です」
 高橋「キモッ!」
 絵恋「あら?お兄さんだって、『愛する』愛原先生のスリーサイズからスーツのサイズまで、全部御存知だとお伺いしましたけど?」
 高橋「当然だ!!」
 愛原「お前らかキメェわ。LとBめ」
 絵恋「ゴメンナサイ」
 高橋「サーセン」
 愛原「因みに、パールのサイズも知ってるんだろ?」
 高橋「えー、あいつは身長167cm、スリーサイズは上から92/60/88っスね」
 絵恋「着痩せするタイプだから気づきにくいけど、結構いい体してるのよね」
 愛原「『主従の垣根を越えて……。~イケないメイドと御嬢様の交感日記~』」
 絵恋「え?何か言いました?」
 愛原「……いや、何でもない。次は下着だな」
 絵恋「リサさんは確か、デニムの下は黒いパンツを穿いてましたわ」
 愛原「あいつはパンツ姿の時は、下にブルマを穿かないんだ」
 絵恋「レギンスも穿かないですよね。私も真似してみようかな……」
 愛原「絵恋さんは普通の人間なんだから、そんなことしたら風邪引くよ」
 高橋「中身は人外っスけどね」

 ダンッ!(思いっきり足を踏みつける音)

 高橋「痛ってーな!」
 絵恋「せっかくだから、もっとかわいい下着を買ってあげましょうよ」
 愛原「そうしたいところだけど、リサはあれでいいらしいから」
 絵恋「そうですかぁ?」

 とにかく、私達はここでリサの服を一式買い揃えた。

 愛原「次は靴だ。ABCマートに行くぞ」
 絵恋「はーい!」

 次は、靴を買いに行った。
 靴のサイズは、私も知っている。
 動きやすいスニーカー系の靴をリサは履いていた。

 高橋「火を吐く鬼なんて、珍しいっスね。どんな血気術っスか?」
 愛原「リサの電撃も大概だが、火の方がタチ悪いな」
 高橋「家が全焼ですもんね」
 愛原「そうそう」

 靴も購入して……。

 愛原「これでクエストクリアかな」
 高橋「高いクエストになりましたね」
 愛原「これも雑損控除として確定申告すれば、税金安くなるから」
 高橋「さすがは先生」
 愛原「あとはリサにこれを着させて、あとは飯食って帰ろう」
 高橋「そうしましょう」
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“私立探偵 愛原学” 「鬼との戦い」

2023-06-19 20:40:14 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月28日17時00分 天候:晴 埼玉県さいたま市中央区鈴谷 浦和西警察署入口バス停→国際興業バス新都01系統車内]

 事件の後、私達は消防や警察から事情を聞かれた。
 もちろん、奇怪な放火事件ということもあり、特に警察からの事情聴取は長引いた。
 事情を聴く為として、上落合地区を管轄している浦和西警察署に連行されたものだ。
 当初は私達が放火または失火させたものだと思ったらしい。
 特に高橋が前科ありの執行猶予者ということで、尚更警察が注目した。
 もちろん高橋は暴行や傷害、暴走行為の前科は数犯あれど、放火の前科は1つも無い。
 それに、火災は私達が家の中にいて巻き込まれたものだ。
 もしも仮に私達が放火犯だったとして、自分達を首を絞めるような放火の仕方などするだろうかという反論をした。
 ようやく疑いが晴れたところで、今度は私達が被害者として被害届を出すことになった。
 要は放火殺人未遂だな。
 あの火災は、明らかに私達を焼死させようとした誰かがやったものだ。
 そして、終わった頃には火が暮れていた。
 警察にいる時に、善場主任から電話があった。
 何だったら、善場主任が身元引受人になっても良いとまで言ってくれた。
 もしかしたら、警察にも何か言ってくれたのかもしれない。
 とにかく、私達が警察署から出た時には日が暮れていた。

 愛原「取りあえず、絵恋さん達が待つイオンモールに行こう。確か、近くのバス停からバスで行けるはずだ」
 高橋「はい」

 尚、不動産屋の松浦氏は、不動産会社が寄こした迎えの車に乗って行った。

 高橋「あのバーコードヘッド、俺達も乗せてけってんだ」
 愛原「まあまあ。俺達はあの家を買いに来た客じゃないしな」

 もしも客だったら、それこそマンションまで乗せてくれたかもしれない。

 愛原「肝心の家が全焼しちゃったけど、蓮華さん、報酬払ってくれるかな?」
 高橋「これでタダ働きだったら、あのクソ女、レイプしてやりますよ」
 愛原「首を刎ねられないように気を付けてな?」

 ようやくバス停に着いて、バスを待っていると、私のスマホに着信があった。
 パールからだった。

 パール「もしもし?愛原先生ですか?」
 愛原「あー、パール。悪いな、待たせて。ちょっと、大変なことになっちゃって……」
 パール「それは構わないんですけど、こっちはもっと大変なことになって……」
 愛原「何だ?今度はイオンモールが放火されたのか?」
 パール「そうじゃないんです。リサ様が車の後ろでお待ちになっていたんです」
 愛原「えっ、リサがそっちにいるのか!?」
 パール「さようでございます」
 愛原「で、リサの何が大変なんだ?」

 確かリサは、『鬼』を発見して急いで追い掛けた。
 ようやく、その『鬼』の首でも持ってきたのだろうか?

 パール「全裸だったんです」
 愛原「は!?」
 パール「私、モールの立体駐車場の最上階に車を止めていたんです。先生方から何の連絡も無かったので、御嬢様がついに痺れを切らしてしまいまして……。それで、様子を見に行こうってなったんです。で、車に戻ったら、車の後ろに隠れるようにして全裸のリサ様が……」
 愛原「何で裸なんだよ!?」
 パール「何でも、『男の鬼にマッパにされた。火を吐く鬼だった』と」
 愛原「はあ!?」

 本当なら焼死するレベルだろう。
 しかし、リサも鬼……というか、鬼型BOW。
 確かに炎に巻かれたくらいでは死なない。
 皮膚はその時は焼け爛れたとしても、すぐに回復してしまう。
 だが、服は普通の人間の服だ。
 それは燃えてしまうだろう。
 それで、全裸だったようだ。

 愛原「それで、どうしてイオンモールの立駐にいたんだ?」
 パール「リサ様の猛反撃で、その『鬼』は逃げ出したそうです。それが、モールの近くだったそうなんですよ」

 あの近くには首都高が通っている。
 『鬼』の男は、半死半生ながら、長距離トラックの荷台に飛び乗って、それで逃げたというのだ。

 愛原「分かった。俺達も、バスでそっちに行くところだ。リサは?」
 パール「取りあえず、車の中にいて頂いております」
 愛原「車の中に毛布があっただろ?取りあえず、それに包まってもらえ」
 パール「かしこまりました」
 高橋「先生、バス来ました」
 愛原「ああ」

 ヘッドライトを点灯し、バス停にいる私達を見つけたバスは、左ウィンカーを上げて私達の前に停車した。

〔白鍬電建住宅、イオンモール与野経由、さいたま新都心駅西口行きでございます〕

 引き戸式の中扉が開いて、私達はそこからバスに乗り込んだ。
 平日の夕方ということもあり、席は空いておらず、私達は吊り革に掴まった。

〔発車致します。ご注意ください〕

 私達が乗り込み、何名かの乗客を降ろしたバスは、2つの乗降扉を閉めて発車した。

〔♪♪♪♪。このバスは白鍬電建住宅、イオンモール与野経由、さいたま新都心駅西口行きです。次は彩の国さいたま芸術劇場入口、彩の国さいたま芸術劇場入口でございます〕

 私は左手で吊り革に掴まりながら、善場主任にメールを送った。
 リサが追い掛けたのは、男の『鬼』であること。
 その『鬼』は、火を吐く能力があること。
 リサも電撃使いであることから、その男の『鬼』も、何がしかのBOWである可能性があることを送信した。
 善場主任は了解した旨を返信した後、リサと合流して、もっと詳しい話を聞くようにと指示してきた。

 愛原「よし。善場主任への報告は、これでいいだろう」
 高橋「さすが先生っス」

 思えばバスに乗ってしまったが、この場合はタクシーを呼んで向かうのが正解だったかもしれないな。

[同日17時20分 天候:晴 同区円阿弥 円阿弥バス停→同区本町西 イオンモール与野バス停]

〔♪♪♪♪。次はイオンモール与野、イオンモール与野でございます。……〕

 途中から車内が空いてきたので、私と高橋は空いた座席に座った。
 そして、ようやく下車バス停が近づいてくる。
 私は降車ボタンを押した。

〔次、止まります。……〕

 この辺りは県道を走行するが、途中で国道17号線新大宮バイパスを横断したり、首都高の下を潜ったりする。
 当然そこと接するわけだから、大型車は路線バスだけではないということだ。
 その国道をひたすら走るのか、はたまたこの近くの首都高入口から首都高に乗るのか、長距離トラックとすれ違ったりする。
 その理由は、イオンモールもあるからだろう。
 イオンモールに搬入に来るトラックの中には、他の地方から来た長距離トラックとかも含まれているはずだ。
 パールからの又聞きではあるが、どうやらリサとの戦いに敗れた『鬼』の男は、そんなトラックの荷台に便乗して逃げたようなのだ。
 そのトラックが何だったのかが特定できれば、そいつがどこに逃げたのかも分かるのではないか。
 そう思った。

〔「イオンモール与野です」〕

 バスが停留所に到着し、折り戸式の前扉が開く。
 ここでは私達を含め、下車客は数人しかいなかった。
 その代わり、バス停には長蛇の列ができている。
 空いていたバスも、ここからまた混雑するようだ。

 高橋「モールに着きましたが、どうします?」
 愛原「まずはリサが待っている車に行こう。パール達もそこにいるから」
 高橋「パールの野郎、先生のお出迎えに来いってんだ」
 愛原「別にいいよ。もしかしたら、またその『鬼』が襲ってくるかもしれない。しかも、今度は絵恋さんがいる。全裸のリサでは戦いにくいだろう。そんな時、ナイフ使いのパールがいれば安心だ」
 高橋「あのレズガキも空手の黒帯らしいっスから、大丈夫だと思いますけどね」
 愛原「まあまあ。とにかく、先を急ごう」

 バスを降りた私達は、足早にモールの中へと向かって行った。
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“私立探偵 愛原学” 「鬼の棲む家」 3

2023-06-18 21:03:51 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月28日14時30分 天候:晴 埼玉県さいたま市中央区上落合 某戸建て住宅]

 私は物置の天井にある点検口を開けた。
 そこから天井裏に入ると、壁にはある物があった。

 愛原「梯子がある!?」

 それは上に続いていた。
 上というと2階だ。
 この上は何の部屋があったっけ?

 愛原「松浦さん、この上って何がありましたっけ?」

 私はこの家を管理している不動産屋の松浦氏に質問した。

 松浦「えー、この位置ですと、だいたい夫婦の寝室辺りですかね……」
 愛原「ちょっと図面を貸してもらえませんか?」
 松浦「はい」

 私は松浦氏から図面を借りた。
 そして、1階の図面と2階の図面を重ね合わせてみる。
 確かに、この上は夫婦の寝室のようだ……が、よくよく見ると、『子供部屋』の角にも重なっているように見えた。
 子供部屋の角にあるのは……棚?

 愛原「ちょっと!もう1度、『子供部屋』に行くぞ!」
 高橋「はい!」

 私達は急いで2階の『子供部屋』に向かった。
 そして、その部屋の角にある棚の所に行く。

 愛原「高橋、ちょっとこの棚、退かすぞ!そっち持て!」
 高橋「うっス!」

 棚は本棚か何かに使われていたのだろうか。
 私と高橋でそれを退かすと、何と!
 跳ね上げ扉があった。
 それを跳ね上げると、果たして下に降りる梯子があった。

 リサ「この梯子、血の臭いがする」

 というか、よく見ると、血の痕が付いているようだ。
 さすがにここは分からないと思ったか、清掃しなかったようである。
 懐中電灯で下を照らすと、開けっ放しにしておいた物置の点検口が見えた。

 高橋「何の為にこんな抜け穴が?非常脱出用っスかね?」
 愛原「んなわけあるか。ここから『鬼』が食い残した死体を投げ込むんだよ。そして投げ込まれた死体は、物置の中に自動的に一時保管されるシステムってわけだ」
 高橋「よく、こんな凝った造りを……」
 愛原「ああ。となると……」

 私は部屋のもう一隅を見た。
 そこにも同じような本棚が置かれている。

 愛原「あの下にも何かあるんじゃないのか?」
 高橋「見てみましょう」

 その本棚を退けると、やっぱり跳ね上げ扉があった。

 愛原「この下はどこに通じてる?」
 松浦「え、ええと……」

 松浦氏も少し混乱気味だった。
 不動産屋でも知らない、秘密の通路が出て来たから当然だろう。

 松浦「ゲストルームかキッチンですかね……」
 愛原「いや、違うな……。これは……」

 私は、あっと気づいた。

 愛原「ここじゃないのか?」

 それはキッチンの裏にある、謎の空間。
 最初は収納スペースとして設計された所だと思われた空間。

 愛原「確かに、収納スペースだったのかもしれんが、もしかしたら、死体を隠す為の場所だったりしてな?」
 高橋「ま、まさか……」
 愛原「開けてみるか?」
 高橋「あ、開けましょう……か」

 私は跳ね上げ扉を開けた。

 愛原「うっ!?」
 高橋「げっ!?」
 松浦「わっ!」
 リサ「ウウウ……!」

 物置側に通じる方は、僅かな臭いしかしなかったが、こちらは明らかにとんでもない腐臭がした。

 愛原「おい、この下に何かあるぞ、きっと!」
 高橋「まじっスか!」

 私は息を止めながら、跳ね上げ扉の下をライトで照らした。
 死体らしき物は見当たらなかったが、それでも壁にはベットリと赤黒い染みがいくつもできているのが分かった。

 愛原「これはさすがにマズいだろ!警察案件だ!松浦さん、警察に連絡を!」
 松浦「わ、分かりました!」

 松浦氏は自分のスマホを片手に、部屋の外に出て行った。

 高橋「先生。この下の収納スペースって、横長なんスよね?」
 愛原「ああ。畳2畳分くらいだな。それを縦に合わせた感じの……」
 高橋「向こう側って、どこに通じてるんでしょ?」
 愛原「そうだな……って、ちょっとここは気分が悪い。早いとこ外に……」
 リサ「ねぇ、先生。何か変な臭いがするよ」
 愛原「今度は何だ?」
 リサ「何かが焼ける臭い……」
 愛原「は?」

 その時、松浦氏が慌てて戻って来た。

 松浦「た、大変です!」
 愛原「どうしました!?」
 松浦「火事です!1階が火の海です!」
 愛原「はあ!?」

 私達は部屋の外に出た。
 すると、焦げ臭いというか、もう白い煙が充満していた。
 完全に隔離された『子供部屋』にいたのと、血やら獣やら腐臭やらの強い臭いに鼻をやられて、焦げ臭ささに気が付かなかったのだ。
 私は廊下の窓を開けた。

 愛原「おい、ウソだろ!」

 1階の周りが全て火に包まれている。
 まるで、家の周囲に万遍なくガソリンを撒いて、そこに火を点けたかのようだ。
 玄関も車庫の出口もキッチンの勝手口も火に包まれている。
 もう逃げ場は無い。

 愛原「消火器は!?消火器は無いの!?」
 松浦「確か、キッチンに……」
 愛原「その1階が火の海なんじゃないか!」
 リサ「あーっ!」

 その時、リサが窓の外に何かを見た。

 リサ「鬼だ!待て、この野郎!」

 リサは窓の外に飛び出した。
 自分も『鬼』だから、人外的な跳躍力で外に飛び出すことは可能だった。

 高橋「お前だけ逃げんな!」
 愛原「おい、高橋!こっちから逃げられそうだぞ!」

 私は物置に通じる抜け穴を見た。
 こちらからは、意外と煙が来ていない。
 車庫だからか、防火体制がこの家の中で1番しっかりしているのかもしれない。
 そういえば、玄関ホールからのドアも鉄扉になっていたような気がする。

 愛原「イチかバチかだ。こっちへ避難しよう」
 高橋「は、はい!」

 私達は物置に通じる抜け穴を通って、車庫に避難することにした。

 愛原「あっ!」

 そして、いい物を見つけた。

 愛原「消火器と水ホースだ!」

 物置の中に消火器が。
 そして、車庫の中に水道とホースがあった。
 これは洗車用のものだろう。

 愛原「高橋!シャッターを開けろ!」
 高橋「スイッチボックス!鍵が掛かってますよ!?」
 愛原「松浦さん!」
 松浦「はいはい!」

 松浦さんは持っていた鍵束の中から、シャッターボックスの鍵を取り出し、それで蓋を開けた。
 そして、高橋がボタンを押す。
 ギギギという音がして、シャッターが少しずつ開いて行く。
 が、下から70センチほどの所で止まってしまった。
 恐らく、火災の熱でシャッターレールまたはシャッターそのものが歪んでしまったか、停電でもしてしまったのだろう。
 やはり、外から放火されたようで、開いたシャッターの隙間から、炎が蛇の舌のような動きで屋内に進入してこようとする。
 私はその炎に消火器を噴き付けた。

 愛原「よし、今だ!」

 炎の猛攻が怯んだ隙に、私達は家の外に避難した。
 そして、敷地外まで出たところで、家を振り返ると……。

 高橋「先生、2階にも火が……」
 愛原「ああ!間一髪だな……」

 周りからは近所の住人達が集まり、そして遠くからパトカーや消防車のサイレンが響いていた。
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“私立探偵 愛原学” 「鬼の棲む家」 2

2023-06-18 18:27:58 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月28日14時00分 天候:晴 埼玉県さいたま市中央区上落合 某戸建て住宅]

 愛原「本当に隔離部屋があるんですか?」
 松浦「それが、本当にあるんですよ。こちらです」

 それは夫婦の寝室に面したドアだった。
 開けると、また通路があって、奥にドアがある。

 愛原「ん?」

 もう1つのドアを開けると……。

 愛原「何だこれは?」

 見た目は8帖くらいのフローリングの洋室。
 シングルベッドが置いてあって、棚が2つ置かれている。
 引っ越す前は他にも物はあったのだろうが、今はそれだけの殺風景な部屋だ。
 しかも、窓が無い。
 なるほど。
 確かに、隔離部屋である。

 リサ「……この匂い……」

 リサがマスクの上から鼻を押さえている。
 そりゃそうだ。
 人間の私ですら、何となく気づいたのだ。
 見た目には痕跡など無いが、他の部屋とは明らかに何がしかの臭いがする。

 リサ「人間の血の匂いと、それを沢山食べた鬼の体臭が染み付いてる……この部屋……」
 愛原「どことなく、獣の臭いがすると思った。ここに鬼が棲んでいたんだな」
 リサ「恐らく。というか、間違いない」
 愛原「そっちのドアは何だ?」

 部屋の中には、もう1つドアがあった。
 それを開けると、トイレがあった。
 1階のトイレと同様、それは洋式だった。
 特に、変わりはない。

 高橋「このトイレ、この部屋から出入りできないっスね」
 愛原「そうだな。ということは、このトイレはこの部屋備え付けってことですか?」
 松浦「そういうことですね」

 トイレの横には洗面所もある。
 高橋がこんなことを言った。

 高橋「まるでムショの独居房みたいっスね」
 愛原「……あ」
 高橋「それでもムショの方は、まだ窓がありますからね。まあ、トイレは仕切りがあるだけっスけど」

 因みにトイレにも窓が無い。

 愛原「この部屋に出入りするには、2枚のドアを通り抜けなければならない。そして、部屋には一切窓が無い。正に、誰かを閉じ込めておくための部屋だな」
 高橋「もしかして、ここに“獲物”を閉じ込めていたんじゃないスかね?で、鬼が入って来て、“獲物”を食い殺す」
 愛原「なるほど。……松浦さん、この部屋は何に使われていたんですか?」
 松浦「それが、『子供部屋』なんです」
 愛原「子供部屋!?」
 松浦「はい」
 愛原「ゲストルームじゃなく?」
 松浦「はい。ゲストルームは、あくまでも1階のリビングの隣の部屋です」
 高橋「そういえば先生、下のゲストルームも窓がありませんでしたね?」
 愛原「そ、そうだな。ちょ、ちょっと一旦外に出よう。何だか気持ち悪い」
 高橋「そうですね」

 私達は一旦、『子供部屋』を出て、夫婦の寝室に戻った。

 愛原「ふう……」

 夫婦の寝室は臭いも殆ど無く、窓が多いということもあって、解放感があった。

 愛原「そっちの部屋とは偉い違いだな」
 高橋「そうっスね。結局その部屋、何なんでしょう?」
 愛原「そこがゲストルームなんだとしたら納得できるんだけど、ただ、それでも少しおかしいんだよな」
 高橋「え?」
 愛原「そこの『子供部屋』に入るのにも、夫婦の寝室を通らないとダメだろう?」
 高橋「そうですね」
 愛原「ということは、ゲストルームとしては使えないよ、やっぱり。となると、やっぱり『子供部屋』なんじゃないかと思う」
 高橋「何なんスかね?つまり、子供を閉じ込めていたってことっスか?」
 愛原「そう。そしてきっと、その子供が『鬼』だったんだと思う。そこの部屋に“獲物”を連れ込んで……って、ダメだな」
 高橋「ダメですか?」
 愛原「だったら、何でこんなメンド臭い導線になってるんだ?」

 私は再び階段まで戻った。

 愛原「こうやって2階に上がって、廊下をグルッと大回りして、夫婦の寝室に入ってから、ようやく子供部屋だで?“獲物”を連れ込むのに、こんなメンド臭いことするか?」
 高橋「確かに……」
 愛原「それに、子供部屋とかには窓が一切無いのに、廊下にはある。しかも、カーテンが付いていない。外から丸見えの状態で、“獲物”を連れ込んだりして、ややもしたら外から目撃されるかもしれないのに、そういうリスクを取るかね?だったら、階段を上って右に曲がり、その突き当りにドアを付ければいいだろう。まあ、両側の突き当りにも窓はあるけどね」
 高橋「そう考えるとこの家、案外窓多いっスね」
 愛原「そうなんだ。そうなんだよ。まるで、『外から見てください』と言わんばかりに……」
 リサ「『この家に鬼なんていませんよォ』ってことかな」
 愛原「心理トリックか……」

 血の臭いがしたのは、子供部屋と浴室と、家の外のマンホールだった。
 これが意味するものとは?

 リサ「あ、あとちょっと……人間の血の臭いがした所が……」
 愛原「なに?どこだ?」
 リサ「こっち来て」

 リサは階段を下りて1階に行き、それから車庫に向かった。

 リサ「ここから微かに臭いがしたの」

 それは車庫に備え付けられた物置。
 私はそれを開けた。
 恐らくタイヤとかもしまっていただろうから、そういった道具の臭いが微かに残っている。
 しかし、リサはその中から人間の血の臭いを嗅ぎ取ったようである。

 高橋「何でこんな所に?」
 愛原「いくら人食い鬼だからって、人肉や贓物を全部食べるわけではないだろう。仮に食べたとしても、骨までは食べないはずだ。それらを捨てに行く必要がある。だけど、いきなり車に積んで運び出すということができない場合、一時仮置きの場として、この物置の中に死体を入れてたんじゃないかな?」

 それに対して、リサはウンウンと頷いた。

 リサ「さすがにわたしも、骨まで食べたいとは思わない」

 とのこと。

 高橋「なるほど……。因みに、あの切れ目は何なんスかね?」
 愛原「切れ目?」

 物置の天井に、点検口の蓋のようなものがあった。

 愛原「あれは点検口の蓋じゃないのか?」
 高橋「何の為にですか?」
 愛原「何の為って……配管とか配線とかを点検する為の物だよ」
 高橋「そう、ですか」
 愛原「気になるなら、開けて確認してみるか?」

 私は車から持って来た脚立を立てた。
 まさか、ここで使うことになるとは。
 私は脚立に乗り、点検口を開けてみた。

 愛原「ん!?何だこりゃ!?」

 私は天井裏で、ある物を見つけた。
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