[12月28日18時30分 天候:晴 埼玉県さいたま市中央区本町西 イオンモール与野3階サイゼリヤ]
私達は買ってきた服や靴を、リサの所に持って行った。
リサ「ありがとう。すぐに着替える」
リサはそう言って、車の中で服を着た。
リサ「お待たせ」
絵恋「きゃーっ!リサさん、元通り!」
リサ「あー、うん……」
リサはパーカーのフードを被った。
リサ「あのクソ野郎、絶対にブッ殺す……!」
愛原「後で何があったか、聞かせてもらうよ。取りあえず、まずは飯にしよう。ファミレスでいいか?」
リサ「ステーキがいい」
愛原「ステーキならあるぞ」
というわけで、私達はモール内のサイゼに移動した。
愛原「飯代、大人は出せよ?」
絵恋「わ、私も自分で出しますから!……大人の女性として」
リサ「エレン、処女喪失したん?」
高橋「そっちかよw」
リサ「だって、ディルドで処女膜破ったくらいじゃ、『処女喪失』にはならないって……」
高橋「まあ、そこは人それぞれだな」
パール「膜破ったんだから、喪失でいいんとちゃう?」
高橋「いや、やっぱそこはチ○○じゃねーとダメだろ~」
愛原「お前ら、何の話してるんだ」
高橋「あっ……」
店に入って、テーブルに着く。
リサ「リブステーキ」
愛原「あいよ」
リサ「分厚いヤツ」
愛原「いや、多分、厚さは一択しかないと思うぞ」
リサ「えー」
私が注文票に記入していく。
みんなの分の注文が終わると……。
愛原「ほい、高橋。注文してくれや」
高橋「分かりました」
高橋が店員に注文票を渡す。
絵恋「リサさん、ドリンクバー取ってこよう」
リサ「うん」
パール「いえいえ。私が取りに行きますので、御嬢様方はこちらでお待ちください」
高橋「俺は先生のを取ってきます」
愛原「ああ、ありがとう」
高橋とパールがドリンクバーへと向かった。
愛原「それでリサ、男の『鬼』とはどんなヤツだった?」
リサはチラッと近くのテーブルを見た。
そこではリサ達と大して歳の変わらぬ……というか、ほぼ同じ年頃のJK達がK-POPアイドルについて盛り上がっている。
リサ「恐らく、人間の女が見たらイケメン。その男、多分その顔で人間の女を釣って食ってる。そう見えた」
愛原「マジか……。西洋の吸血鬼みたいだな。イケメンと言えば、うちにも高橋みたいなのがいるけど、それは?」
リサ「タイプが違う。お兄ちゃんはあくまでも、ホスト系。鬼の方は多分、アイドル系だと思う。ジャニーズとかK-POPとかはあんま知らないけど……。多分、人間に化けるとしたら、そんな感じ」
絵恋「流行りに流されないリサさんは、素敵ですぅ~」
愛原「そうなのか」
リサ「で、多分、赤鬼だね」
愛原「赤鬼?どうして分かる?」
リサ「全体的に色黒だったから。ほら、赤銅色って言うの?あれ、赤っぽく見えるよね?人間はそんな肌色をした鬼を見て、赤鬼と呼ぶようになったんだよね」
絵恋「うあー……顔の良さだけを自慢してそうなタイプ……。私、そういうの嫌い」
愛原「そこはまだ高橋の方がマシか。あいつ、イケメンという自覚すら無いから。で、見た目の歳は?高橋くらい?」
リサ「いや……。もしかしたら、高校生くらいかも……」
愛原「ええっ!?」
リサ「鬼の年齢なんて、分かんないよ。でも、オジさんとかじゃないよ」
愛原「顔のイラストとか描けない?」
リサ「わたし、美術だけは苦手で……」
絵恋「それなら、美術部のコに描いてもらえばいいんじゃない?リサさんところの『四天王』にいるんでしょ?」
リサ「そうだ、サクラヤがいた!あいつに描いてもらおう」
リサはすぐに自分のスマホを取り出した。
それから、注文したものが運ばれてくる。
リサ「おー、ステーキ!」
愛原「まあ、とにかく無事で良かった。好きに食べてくれ」
リサ「いただきまーす」
[同日20時00分 天候:晴 イオモール与野5階・駐車場]
夕食を終えた後、トイレに行ったりして、それから車に戻った。
愛原「ん?」
その時、私のスマホに着信があった。
出てみると、それは善場主任だった。
善場「愛原所長、お疲れ様です」
愛原「お疲れ様です」
善場「今、どちらにいらっしゃいますか?」
愛原「さいたま市中央区のイオンモール与野ですが……」
善場「これから、車で帰宅されるのですね?」
愛原「はい、そうです。たった今、出るところです」
善場「帰りは首都高経由ですね?」
愛原「そのつもりです。何かありましたか?」
善場「私達も首都高の上にいるんです。途中のパーキングで合流できませんかね?」
愛原「ちょっとお待ちください」
私は運転席にいる高橋に声を掛けた。
愛原「高橋、首都高はどういう経路で行くつもりだ?」
高橋「そうっすね……。取りあえず、5号線を通って行こうかと」
愛原「もしもし?5号池袋線を通る予定です」
善場「かしこまりました。そうなりますと、途中に南池袋のパーキングがあります。そちらで合流をお願いできますか?駐車場所は確保しておきますので」
愛原「分かりました」
私は電話を切った。
そして、車に乗り込む。
高橋「いいっスか?」
愛原「ああ、頼む。でさ、ちょっと善場主任が話があるみたいで、南池袋のパーキングで合流したいんだと」
高橋「南池袋っスか?」
愛原「ああ。5号池袋線を行くってことは、通るだろ?」
高橋「そうっスね」
愛原「何でも、善場主任達も今、首都高を走っているらしい」
高橋「何かの取り締まりっスかね?」
愛原「……鬼の取り締まりをしてるのかもな」
高橋「……それ、ガチバナっすか?」
愛原「多分。何でも、リサと戦った『鬼』の男は、長距離トラックの荷台に飛び乗って逃げたそうだ。そうだろ、リサ?」
リサ「うん!」
リサはさすがにナンバーまでは覚えていなかったが、それがアルミバンのハコ車の10トン大型。
キャブの色が緑色っぽいところまでは覚えていた。
国道17号線新大宮バイパスの上り線を走行していったという。
愛原「どうやら善場主任、そのトラックを特定したらしいぞ」
高橋「マジっスか?ヤバいっスねぇ……」
車は立体駐車場を出て、県道の交差点に出た。
そこを右折すれば、その新大宮バイパスはすぐそこだ。
しかし……。
パール「マサ、ここは左に曲がって」
高橋「あ?何でだよ?」
パール「そこからバイパスに乗ると、与野から首都高に入れないから」
高橋「そうなのか?」
愛原「パールの方が土地勘あるか」
パール「まあ、そうですね」
ということで、県道は左折する。
モールの駐車場を回り込むようにして、また次の信号を左折といった感じにグルッと回って国道に出た。
パール「で、そこを曲がれば首都高の入口ってわけ」
高橋「……なるほどな」
愛原「さっきの話に戻るぞ。もちろん、トラックは無関係だ。たまたま便乗されただけに過ぎない。しかし、『鬼』の方も、ある程度の距離は便乗したことだろう。それだと逃げたことにはならないからな。そのある程度の距離って何だと思う?」
高橋「うーん……」
愛原「俺が鬼なら、最初のパーキングエリアに止まった時にするかな。それだと車も止まってるから、飛び降りる危険性も無いし」
高橋「なるほど。そういうものっスか。もしかして、それが南池袋なんスか?」
愛原「いや、さすがにそれは違うみたいだ。たまたま、俺達と合流しやすい場所なだけ」
高橋「何だ、そうっスか」
愛原「実際どこに止まってたのかは、後で教えてくれるらしいよ」
高橋「なるほど……」
愛原「取りあえず、南池袋まで行ってくれ」
高橋「了解っス」
私達は買ってきた服や靴を、リサの所に持って行った。
リサ「ありがとう。すぐに着替える」
リサはそう言って、車の中で服を着た。
リサ「お待たせ」
絵恋「きゃーっ!リサさん、元通り!」
リサ「あー、うん……」
リサはパーカーのフードを被った。
リサ「あのクソ野郎、絶対にブッ殺す……!」
愛原「後で何があったか、聞かせてもらうよ。取りあえず、まずは飯にしよう。ファミレスでいいか?」
リサ「ステーキがいい」
愛原「ステーキならあるぞ」
というわけで、私達はモール内のサイゼに移動した。
愛原「飯代、大人は出せよ?」
絵恋「わ、私も自分で出しますから!……大人の女性として」
リサ「エレン、処女喪失したん?」
高橋「そっちかよw」
リサ「だって、ディルドで処女膜破ったくらいじゃ、『処女喪失』にはならないって……」
高橋「まあ、そこは人それぞれだな」
パール「膜破ったんだから、喪失でいいんとちゃう?」
高橋「いや、やっぱそこはチ○○じゃねーとダメだろ~」
愛原「お前ら、何の話してるんだ」
高橋「あっ……」
店に入って、テーブルに着く。
リサ「リブステーキ」
愛原「あいよ」
リサ「分厚いヤツ」
愛原「いや、多分、厚さは一択しかないと思うぞ」
リサ「えー」
私が注文票に記入していく。
みんなの分の注文が終わると……。
愛原「ほい、高橋。注文してくれや」
高橋「分かりました」
高橋が店員に注文票を渡す。
絵恋「リサさん、ドリンクバー取ってこよう」
リサ「うん」
パール「いえいえ。私が取りに行きますので、御嬢様方はこちらでお待ちください」
高橋「俺は先生のを取ってきます」
愛原「ああ、ありがとう」
高橋とパールがドリンクバーへと向かった。
愛原「それでリサ、男の『鬼』とはどんなヤツだった?」
リサはチラッと近くのテーブルを見た。
そこではリサ達と大して歳の変わらぬ……というか、ほぼ同じ年頃のJK達がK-POPアイドルについて盛り上がっている。
リサ「恐らく、人間の女が見たらイケメン。その男、多分その顔で人間の女を釣って食ってる。そう見えた」
愛原「マジか……。西洋の吸血鬼みたいだな。イケメンと言えば、うちにも高橋みたいなのがいるけど、それは?」
リサ「タイプが違う。お兄ちゃんはあくまでも、ホスト系。鬼の方は多分、アイドル系だと思う。ジャニーズとかK-POPとかはあんま知らないけど……。多分、人間に化けるとしたら、そんな感じ」
絵恋「流行りに流されないリサさんは、素敵ですぅ~」
愛原「そうなのか」
リサ「で、多分、赤鬼だね」
愛原「赤鬼?どうして分かる?」
リサ「全体的に色黒だったから。ほら、赤銅色って言うの?あれ、赤っぽく見えるよね?人間はそんな肌色をした鬼を見て、赤鬼と呼ぶようになったんだよね」
絵恋「うあー……顔の良さだけを自慢してそうなタイプ……。私、そういうの嫌い」
愛原「そこはまだ高橋の方がマシか。あいつ、イケメンという自覚すら無いから。で、見た目の歳は?高橋くらい?」
リサ「いや……。もしかしたら、高校生くらいかも……」
愛原「ええっ!?」
リサ「鬼の年齢なんて、分かんないよ。でも、オジさんとかじゃないよ」
愛原「顔のイラストとか描けない?」
リサ「わたし、美術だけは苦手で……」
絵恋「それなら、美術部のコに描いてもらえばいいんじゃない?リサさんところの『四天王』にいるんでしょ?」
リサ「そうだ、サクラヤがいた!あいつに描いてもらおう」
リサはすぐに自分のスマホを取り出した。
それから、注文したものが運ばれてくる。
リサ「おー、ステーキ!」
愛原「まあ、とにかく無事で良かった。好きに食べてくれ」
リサ「いただきまーす」
[同日20時00分 天候:晴 イオモール与野5階・駐車場]
夕食を終えた後、トイレに行ったりして、それから車に戻った。
愛原「ん?」
その時、私のスマホに着信があった。
出てみると、それは善場主任だった。
善場「愛原所長、お疲れ様です」
愛原「お疲れ様です」
善場「今、どちらにいらっしゃいますか?」
愛原「さいたま市中央区のイオンモール与野ですが……」
善場「これから、車で帰宅されるのですね?」
愛原「はい、そうです。たった今、出るところです」
善場「帰りは首都高経由ですね?」
愛原「そのつもりです。何かありましたか?」
善場「私達も首都高の上にいるんです。途中のパーキングで合流できませんかね?」
愛原「ちょっとお待ちください」
私は運転席にいる高橋に声を掛けた。
愛原「高橋、首都高はどういう経路で行くつもりだ?」
高橋「そうっすね……。取りあえず、5号線を通って行こうかと」
愛原「もしもし?5号池袋線を通る予定です」
善場「かしこまりました。そうなりますと、途中に南池袋のパーキングがあります。そちらで合流をお願いできますか?駐車場所は確保しておきますので」
愛原「分かりました」
私は電話を切った。
そして、車に乗り込む。
高橋「いいっスか?」
愛原「ああ、頼む。でさ、ちょっと善場主任が話があるみたいで、南池袋のパーキングで合流したいんだと」
高橋「南池袋っスか?」
愛原「ああ。5号池袋線を行くってことは、通るだろ?」
高橋「そうっスね」
愛原「何でも、善場主任達も今、首都高を走っているらしい」
高橋「何かの取り締まりっスかね?」
愛原「……鬼の取り締まりをしてるのかもな」
高橋「……それ、ガチバナっすか?」
愛原「多分。何でも、リサと戦った『鬼』の男は、長距離トラックの荷台に飛び乗って逃げたそうだ。そうだろ、リサ?」
リサ「うん!」
リサはさすがにナンバーまでは覚えていなかったが、それがアルミバンのハコ車の10トン大型。
キャブの色が緑色っぽいところまでは覚えていた。
国道17号線新大宮バイパスの上り線を走行していったという。
愛原「どうやら善場主任、そのトラックを特定したらしいぞ」
高橋「マジっスか?ヤバいっスねぇ……」
車は立体駐車場を出て、県道の交差点に出た。
そこを右折すれば、その新大宮バイパスはすぐそこだ。
しかし……。
パール「マサ、ここは左に曲がって」
高橋「あ?何でだよ?」
パール「そこからバイパスに乗ると、与野から首都高に入れないから」
高橋「そうなのか?」
愛原「パールの方が土地勘あるか」
パール「まあ、そうですね」
ということで、県道は左折する。
モールの駐車場を回り込むようにして、また次の信号を左折といった感じにグルッと回って国道に出た。
パール「で、そこを曲がれば首都高の入口ってわけ」
高橋「……なるほどな」
愛原「さっきの話に戻るぞ。もちろん、トラックは無関係だ。たまたま便乗されただけに過ぎない。しかし、『鬼』の方も、ある程度の距離は便乗したことだろう。それだと逃げたことにはならないからな。そのある程度の距離って何だと思う?」
高橋「うーん……」
愛原「俺が鬼なら、最初のパーキングエリアに止まった時にするかな。それだと車も止まってるから、飛び降りる危険性も無いし」
高橋「なるほど。そういうものっスか。もしかして、それが南池袋なんスか?」
愛原「いや、さすがにそれは違うみたいだ。たまたま、俺達と合流しやすい場所なだけ」
高橋「何だ、そうっスか」
愛原「実際どこに止まってたのかは、後で教えてくれるらしいよ」
高橋「なるほど……」
愛原「取りあえず、南池袋まで行ってくれ」
高橋「了解っス」