報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「酔っ払っている間に、急展開かつ新展開」

2023-06-08 20:51:34 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月26日12時00分 天候:不明 神奈川県相模原市緑区某所 国家公務員特別研修センター地下研究施設]

 リサ「ん……」

 リサは昼頃に一旦意識を回復させた。
 しかし、両腕や両足には拘束具が着けられ、ベッドにもベルトが着けられていて、それで固定されている状態だった。

 リサ(ここは……?えーと……)

 少し体をよじらせてみる。
 すると、それで人感センサーが感知したが、部屋の照明が点灯した。
 真っ暗な部屋にいたので、いきなり照明が点くと眩しくて仕方が無い。
 リサが顔をしかめていると、ドアの開く音がした。
 入って来たのは善場と、BSAAの軍服を着て、手にはショットガンやマシンガンを持っている兵士が2人。

 善場「どう?気分は……」
 リサ「善場さん……」

 善場がベッドの操作盤を操作すると、ベッドの上半身部分が起き上がった。

 リサ「う……頭が痛い……」
 善場「あなたは未成年でありながら、大量に飲酒した。これは『二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律』、通称『未成年者飲酒禁止法』違反よ」
 リサ「難しいこと言わないで……。余計、頭が痛くなる……」
 善場「……この法律で飲酒した本人に対する罰則は無いけど、悪質と判断された場合は、別に処分があるのよ」
 リサ「ユルユルのザルザル、少年法かぁ……」
 善場「家庭裁判所に送られて、保護処分が下ることもある。当然、学校は退学。あなたも研究所に逆戻り」
 リサ「そ、それだけは……!」
 善場「だったら、どうして飲んだりしたの!?」
 リサ「それは……頭が痛い……おトイレ行きたい……」

 善場は溜め息を吐くと、BSAAの兵士達に合図した。

 BSAA隊員「はっ!」

 BSAAの隊員達はリサのベッドのベルトを外した。
 但し、手足の拘束具はそのままである。
 室内にはトイレがあり、リサはそこに連れて行かれた。
 トイレ自体は、普通の個室の洋式トイレ。
 飲酒したからか、リサは大量に排尿した。
 よく見るとこのトイレ、底に水が溜まっていない。
 排出した尿が、そのまま穴の中に落ちて行くようになっていた。
 要は、このままリサの尿を採取して調べようということだろう。

 リサ「うう……」

 自分が体操服とブルマのままだったから、きっと合宿所からそのままここに連れて来られたのだとリサは理解した。
 それでも、まだ気分の悪さと頭の鈍痛は抜けない。
 トイレの中にある洗面所と鏡を見ると、第1形態の状態以外で特に変化しているような所は見受けられなかった。
 トイレから出ると、またBSAAに手錠を引かれて、ベッドに戻される。

 善場「少しは気分が良くなった?」

 善場はリサにペットボトルの水を渡した。
 リサはそれを一気に半分ほど飲み干した。

 リサ「……まだ。まだ、頭が痛い……」
 善場「どうして、お酒を飲んだりしたの?」
 リサ「飲みたくなって、どうしようもなかったの。1パックだけ飲んだら、また飲みたくなって……」
 善場「飲んだのは、“鬼ころし”だけね?」
 リサ「うん……」
 善場「他のお酒は、絶対に飲んでないのね?」
 リサ「うん。あの赤鬼さんが描かれるお酒だけ」
 善場「今朝のあなたが、正に酔っ払って赤鬼状態だったらしいわ」
 リサ「はあ……」
 善場「あなたが眠っている間に色々と検査をしたけど、特に変化はしていないみたいね」
 リサ「どうやら、そのようです……」
 善場「但し、まだ体にはアルコールが残ってる。それが全部抜けるまでは、変化の恐れがある。それまでは、その状態でいてもらうから。いいわね?」
 リサ「はい……。あの……頭が痛いので、頭痛薬もらえませんか?」
 善場「……ここで渡せる頭痛薬は、眠くなる薬だけどいい?」
 リサ「はい」

 すると、医療技師がやってきて、リサの右腕に何か注射を打った。

 医療技師「少し……眠くなるかもしれませんよ?」

 その通り、リサには再び強い眠気が襲った。

[同日18時00分 天候:不明 同場所]

 リサ「ん……」

 浅い眠りとも深い眠りとも言えない、何ともよく分からない眠りから覚めた。
 だから、途中何か大きな音や衝撃があったような気がするのだが、それは夢かもしれないし、現実かもしれない。
 とにかく、そこでリサは目が覚めた。

 リサ「……?」

 ベッドのベルトは外れている。
 確か、電気で固定されているはずなのだが……。
 だからリサは、簡単にベルトを外すことができた。
 しかし、今度は動いても、部屋の照明が点くことはない。
 室内がそれでも若干明るいのは、別の照明が点いているからだった。
 それは非常灯。
 停電の時に点灯する、電球の明かりが僅かに付いていたからだった。

 リサ「停電でもしているの?」

 リサは元警備員だった愛原から、その光が非常灯であると教わったことがある。
 マンションの部屋には無いが、事務所のビルにはあるからだ。

 リサ「…………」

 起き上がって、トイレに向かう。
 トイレの照明も点かなかった。
 もっとも、夜目が大変利く鬼型BOWのリサは、暗闇でも見える。
 しかし、傍から見れば両目が赤く光っているようように見えるので、不気味極まりないだろうが。

 リサ「何かあったのかな……?」

 トイレから出て、ベッド脇にあった水のペットボトルを飲む。
 寝過ぎた為に、その理由でまた別の頭痛が起きていたものの、さすがに酒は抜けたらしく、気分は悪くない上、頭痛も二日酔いによるものは無くなっていた。

 リサ「うーん……」

 リサの両手・両足には、ジャラジャラと鎖が付いている。
 ドアがあるが、さすがに向こうから鍵が掛かっていた。

 リサ「ホントに閉じ込められた?」

 よく見ると、室内には電話があった。
 受話器を取るが、全く作動している様子が無い。

 リサ「ん?」

 机の上には、鍵が置いてあった。
 自転車の鍵よりも小さな鍵である。

 リサ「もしかして……」

 リサは自分の手錠に差し込んでみた。
 すると、手錠が外れた。

 リサ「おー!」

 もう1つの鍵で、足の錠も外してみる。

 リサ「べ、別にいいよね?ここに鍵があるのが悪いんだし」

 リサは今の状況を考えた。
 どうやらこの部屋は、停電しているようだ。
 本来は通電状態であるはずなのに、何らかの理由で停電した。
 だから、非常灯が点灯している。
 だから、電話も通じない。
 ドアの鍵は、向こうから掛けられたまま。
 つまり、閉じ込められた状態となる。

 リサ「えーと……。どこから脱出しようかな……」

 と、その時だった。
 ドンドンドン!とドアが激しくノックされた。

 リサ「!?」

 リサはびっくりして、ドアの方を見た。
 リサが応答しようとした時、向こうから鍵が開けられた。
 鍵を持っているのなら、どうしてわざわざノックなどしたのだろう?

 リサ「え……?」

 リサはつい、入って来たのは善場辺りだろうと思っていた。
 だが、そうではなかった。
 入って来た意外な人物。
 それは誰だろう?

 ①我那覇絵恋
 ②斉藤早苗
 ➂栗原蓮華
 ④上野凛
 ⑤タイラント
コメント
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