[12月28日10:00.天候:晴 東京都江東区豊洲 豊洲アルカディアビル18F 敷島エージェンシー]
敷島:「仕事納めだから会社の大掃除でもしようかと思っていたんだが、移転して間もないから、まだそんなに汚れてないんだよな」
シンディ:「そうですね」
敷島:「まあ普段、キミ達が掃除してくれてるからってのもあるけど」
シンディ:「ありがとうございます。忘年会は会議室ですか?」
敷島:「ああ。寿司とかオードブルとか、もう予約してあるだろう?本当はこっちの方がいいよ」
敷島は『敷島家のクリスマスパーティ』という悪夢を思い出した。
敷島:「老害ジジィ共の相手より、こうして会社の為に頑張ってくれた社員の皆やボーカロイド達を労う方がさ」
シンディ:(その老害ジジィ達から、かなり資金をもらってるのにねぇ……)
そこはシンディ、空気を読んで飲み込む。
しかしエミリーなら、はっきりと言うだろう。
敷島:「でも社長、この業界は年末年始も関係無いんじゃないの?」
シンディ:「まあな。だけど一応、ケジメとして仕事納めと仕事始めはちゃんとしようってことさ。本来例え芸能事務所であっても、俺のような役員や事務方は休みになるはずなんだ」
シンディ:「なるほど……」
敷島:「年末年始特番ったって、殆どは収録だしね。まあ、収録番組の癖にお台場のテレビ局は『LIVE』なんて表示を……」
シンディ:「あら、電話だわ」
敷島:「んんっ!?」
[同日11:00.天候:晴 埼玉県さいたま市西区 DCJロボット未来科学館]
アリス:「うん、これで良しっと……」
アルエット:「ありがとうございます!」
アリスはアルエットの整備を行っていた。
アルエット:「科学館はお休みなんですね」
アリス:「そう。クリスマスが終わってから、来年の4日までね」
アルエット:「何だか寂しいなぁ……」
アリス:「年末年始だけ、あなたは会社に戻ることになるよ。会社にはボーカロイドもいるし、これなら寂しくないでしょう?」
アルエット:「お姉ちゃんはいますか!?」
アリス:「シンディはうちで護衛することになるから、会社にはいないよ」
アルエット:「えーっ!」
萌:「博士、博士!翔太さんは!?翔太さんは会社にいないんですか!?」
アリス:「ショータ?ああ、井辺プロデューサーのこと?一応、プロデューサーも年末年始は休みってことになってるからねぇ……。でもあの人、ぷらっと会社に来ることがあるみたいだから、何とも言えないよ」
萌:「……分かりました。( ̄ー ̄)」
アルエット:(鞄の中に忍び込んで、こっそりついて行くつもりだな……)
萌は唯一の妖精型である。
KR団としてはマルチタイプよりも更に、スパイや破壊工作に特化したロボットを製造しようとしたらしいが、KR団最後の研究者である吉塚広美がファンシーキャラとしての妖精に設計し直した。
アリス:「Next!」
アリスが研究室の外に向かって声を掛けると、ガシャンガシャンと鍬を担いだゴンスケが入って来た。
ゴンスケ:「あ、ども。よろしくお願いしますです」
アリス:「エミリーにイモ畑を焼き払われても尚、めげずに畑を作り直したそのバイタリティは立派なものだわ」
アルエット:「お姉ちゃん達、怒らせると怖いモンねー」
アリス:「アルエットと萌は外に出ていなさい」
アルエット:「はーい」
萌はアルエットの肩に掴まって、移動を楽していた。
[同日12:00.天候:曇 宮城県仙台市青葉区 東北工科大学 南里志郎記念館]
学生A:「トイレ掃除終わりました!」
学生B:「今時、紐引っ張って流すタイプとは……」
因みに作者も、紐引っ張って流すトイレをガチで見たのは1回だけである。
改築前の東北急行バス仙台営業所の中。
平賀:「ご苦労さん。エミリーが常設展示されてるんだから、せめて改築くらいしてくれって学長に頼んでるんだけど、なかなか予算を出してくれなくてねぇ……」
学生C:「昔の先輩達みたいに、学生運動して予算出してもらいましょうよ!」
学生D:「オメー、いつの時代の話してんだ?」
学生E:「先生、どうして予算が降りないんですか?講堂はしっかり建て直ししてたじゃないですか」
平賀:「七海を作った時に、ヤツが色々と物ぶっ壊したりしてたんもんで、それが未だに尾を引いてるらしい」
学生A:「マジっすか!」
平賀:「スマン、みんな。自分達のせいで、このゼミもなかなか予算が……」
学生B:「その七海さんがようやく実用化されて、量産化にも成功したってのに……」
平賀:「ほら、自分も最近は人のこと言えないんだけど、ここは理系大学だろ?頭の固い教授達が多いんだよ」
学生C:「学長がケチなだけだと思います」
学生D:「異議なーし!」
学生E:「異議なーし!」
エミリー:「プロフェッサー平賀。展示エリアの・掃除が・終わりました」
平賀:「ご苦労さん。これで記念館の方は、粗方終わったかな?皆、朝から悪かったな」
学生A:「いえいえ」
学生B:「問題無いッス!」
エミリーは平賀と学生達の様子を微笑を浮かべて見ていた。
エミリー:(平賀博士にアンドロイドマスターの素質が無いかと言ったら、そうでもない。だけど、やはり敷島社長の前ではどうしても霞む。東京決戦の際、シンディに殺され掛かったことは大きなマイナスだ……。敷島社長がシャーロックホームズだとしたら、平賀博士はワトソンか……)
[同日18:00.天候:晴 敷島エージェンシー]
敷島:「さあさあ、皆!今年1年お疲れさん!こんなことくらいしかできなくて申し訳無いけど、寿司食いねぇ!酒飲みねぇだ!好きに盛り上がってくれ」
井辺:「えー、それでは皆様、コップを拝借……」
尚、事務所にいるボーカロイドはラジエーターに入れる水か、或いはロボット用の機械オイルである。
井辺:「お疲れさまでした!」
適当に社員達が出前の寿司やオードブル盛り合わせをつまんでいると、シンディが慌てて敷島の所に駆け付けた。
敷島:「えっ、叔父さんが!?」
そこへ入って来たのは、敷島の叔父の敷島俊介だった。
親会社の四季エンタープライズの代表取締役社長である。
井辺:「敷島社長!」
孝夫:「ん?何だい?」
俊介:「いや、オマエじゃない!……ああ、いやいや!気を使わなくて結構!『敷島家のクリスマスパーティ』に私は海外出張で参加できず、ここにいるもう1人の社長が散々グチグチ言っていたという話を小耳に挟んだものでねぇ……」
孝夫:「ここの事務所は盗聴器でも仕掛けられてるんですか!?」
俊介:「何を言っているのか分からんが、私がこうしてここに来たのは、そんな孝夫の愚痴に付き合ってくれた社員の皆さんを労う為だ」
孝夫:「俺のせい!?」
俊介:「まあ、皆さん。こんなまだ社長としては青臭いヤツではありますけども、何とかよろしくやってください。というわけで、私からも感謝の気持ちを!」
俊介がパチンと指を鳴らすと、鯛の活け造りや船盛、更には高級日本酒などが運ばれて来た。
孝夫:「おおっ、さすがは叔父さん!……では私が代表として、味見をば!」
俊介:「あー、シンディ君。そこの社長を止めたまえ」
シンディ:「はーい」
シンディ、後ろから敷島を羽交い絞めにする。
孝夫:「こら、シンディ!何をする!?」
シンディ:「社長の命令です」
鏡音リン:「おおっ!?シンディのおっぱいが社長の背中にムニュムニュ当たってるYo!?」
MEIKO:「それに対抗できるのは、バスト90cmのルカ(※)だけよ!」
※クリプトン社、公式設定です。
俊介:「はっはっはー!盛り上がってるねー!それじゃ、来年も良いお年を。メリークリスマス!」
孝夫:「何がメリークリスマスだ!シンディ、放せ!」
敷島エージェンシーの仕事納めは、昨年の旧事務所時代もだいたいこんな感じだったという。
敷島:「仕事納めだから会社の大掃除でもしようかと思っていたんだが、移転して間もないから、まだそんなに汚れてないんだよな」
シンディ:「そうですね」
敷島:「まあ普段、キミ達が掃除してくれてるからってのもあるけど」
シンディ:「ありがとうございます。忘年会は会議室ですか?」
敷島:「ああ。寿司とかオードブルとか、もう予約してあるだろう?本当はこっちの方がいいよ」
敷島は『敷島家のクリスマスパーティ』という悪夢を思い出した。
敷島:「老害ジジィ共の相手より、こうして会社の為に頑張ってくれた社員の皆やボーカロイド達を労う方がさ」
シンディ:(その老害ジジィ達から、かなり資金をもらってるのにねぇ……)
そこはシンディ、空気を読んで飲み込む。
しかしエミリーなら、はっきりと言うだろう。
敷島:「でも社長、この業界は年末年始も関係無いんじゃないの?」
シンディ:「まあな。だけど一応、ケジメとして仕事納めと仕事始めはちゃんとしようってことさ。本来例え芸能事務所であっても、俺のような役員や事務方は休みになるはずなんだ」
シンディ:「なるほど……」
敷島:「年末年始特番ったって、殆どは収録だしね。まあ、収録番組の癖にお台場のテレビ局は『LIVE』なんて表示を……」
シンディ:「あら、電話だわ」
敷島:「んんっ!?」
[同日11:00.天候:晴 埼玉県さいたま市西区 DCJロボット未来科学館]
アリス:「うん、これで良しっと……」
アルエット:「ありがとうございます!」
アリスはアルエットの整備を行っていた。
アルエット:「科学館はお休みなんですね」
アリス:「そう。クリスマスが終わってから、来年の4日までね」
アルエット:「何だか寂しいなぁ……」
アリス:「年末年始だけ、あなたは会社に戻ることになるよ。会社にはボーカロイドもいるし、これなら寂しくないでしょう?」
アルエット:「お姉ちゃんはいますか!?」
アリス:「シンディはうちで護衛することになるから、会社にはいないよ」
アルエット:「えーっ!」
萌:「博士、博士!翔太さんは!?翔太さんは会社にいないんですか!?」
アリス:「ショータ?ああ、井辺プロデューサーのこと?一応、プロデューサーも年末年始は休みってことになってるからねぇ……。でもあの人、ぷらっと会社に来ることがあるみたいだから、何とも言えないよ」
萌:「……分かりました。( ̄ー ̄)」
アルエット:(鞄の中に忍び込んで、こっそりついて行くつもりだな……)
萌は唯一の妖精型である。
KR団としてはマルチタイプよりも更に、スパイや破壊工作に特化したロボットを製造しようとしたらしいが、KR団最後の研究者である吉塚広美がファンシーキャラとしての妖精に設計し直した。
アリス:「Next!」
アリスが研究室の外に向かって声を掛けると、ガシャンガシャンと鍬を担いだゴンスケが入って来た。
ゴンスケ:「あ、ども。よろしくお願いしますです」
アリス:「エミリーにイモ畑を焼き払われても尚、めげずに畑を作り直したそのバイタリティは立派なものだわ」
アルエット:「お姉ちゃん達、怒らせると怖いモンねー」
アリス:「アルエットと萌は外に出ていなさい」
アルエット:「はーい」
萌はアルエットの肩に掴まって、移動を楽していた。
[同日12:00.天候:曇 宮城県仙台市青葉区 東北工科大学 南里志郎記念館]
学生A:「トイレ掃除終わりました!」
学生B:「今時、紐引っ張って流すタイプとは……」
因みに作者も、紐引っ張って流すトイレをガチで見たのは1回だけである。
改築前の東北急行バス仙台営業所の中。
平賀:「ご苦労さん。エミリーが常設展示されてるんだから、せめて改築くらいしてくれって学長に頼んでるんだけど、なかなか予算を出してくれなくてねぇ……」
学生C:「昔の先輩達みたいに、学生運動して予算出してもらいましょうよ!」
学生D:「オメー、いつの時代の話してんだ?」
学生E:「先生、どうして予算が降りないんですか?講堂はしっかり建て直ししてたじゃないですか」
平賀:「七海を作った時に、ヤツが色々と物ぶっ壊したりしてたんもんで、それが未だに尾を引いてるらしい」
学生A:「マジっすか!」
平賀:「スマン、みんな。自分達のせいで、このゼミもなかなか予算が……」
学生B:「その七海さんがようやく実用化されて、量産化にも成功したってのに……」
平賀:「ほら、自分も最近は人のこと言えないんだけど、ここは理系大学だろ?頭の固い教授達が多いんだよ」
学生C:「学長がケチなだけだと思います」
学生D:「異議なーし!」
学生E:「異議なーし!」
エミリー:「プロフェッサー平賀。展示エリアの・掃除が・終わりました」
平賀:「ご苦労さん。これで記念館の方は、粗方終わったかな?皆、朝から悪かったな」
学生A:「いえいえ」
学生B:「問題無いッス!」
エミリーは平賀と学生達の様子を微笑を浮かべて見ていた。
エミリー:(平賀博士にアンドロイドマスターの素質が無いかと言ったら、そうでもない。だけど、やはり敷島社長の前ではどうしても霞む。東京決戦の際、シンディに殺され掛かったことは大きなマイナスだ……。敷島社長がシャーロックホームズだとしたら、平賀博士はワトソンか……)
[同日18:00.天候:晴 敷島エージェンシー]
敷島:「さあさあ、皆!今年1年お疲れさん!こんなことくらいしかできなくて申し訳無いけど、寿司食いねぇ!酒飲みねぇだ!好きに盛り上がってくれ」
井辺:「えー、それでは皆様、コップを拝借……」
尚、事務所にいるボーカロイドはラジエーターに入れる水か、或いはロボット用の機械オイルである。
井辺:「お疲れさまでした!」
適当に社員達が出前の寿司やオードブル盛り合わせをつまんでいると、シンディが慌てて敷島の所に駆け付けた。
敷島:「えっ、叔父さんが!?」
そこへ入って来たのは、敷島の叔父の敷島俊介だった。
親会社の四季エンタープライズの代表取締役社長である。
井辺:「敷島社長!」
孝夫:「ん?何だい?」
俊介:「いや、オマエじゃない!……ああ、いやいや!気を使わなくて結構!『敷島家のクリスマスパーティ』に私は海外出張で参加できず、ここにいるもう1人の社長が散々グチグチ言っていたという話を小耳に挟んだものでねぇ……」
孝夫:「ここの事務所は盗聴器でも仕掛けられてるんですか!?」
俊介:「何を言っているのか分からんが、私がこうしてここに来たのは、そんな孝夫の愚痴に付き合ってくれた社員の皆さんを労う為だ」
孝夫:「俺のせい!?」
俊介:「まあ、皆さん。こんなまだ社長としては青臭いヤツではありますけども、何とかよろしくやってください。というわけで、私からも感謝の気持ちを!」
俊介がパチンと指を鳴らすと、鯛の活け造りや船盛、更には高級日本酒などが運ばれて来た。
孝夫:「おおっ、さすがは叔父さん!……では私が代表として、味見をば!」
俊介:「あー、シンディ君。そこの社長を止めたまえ」
シンディ:「はーい」
シンディ、後ろから敷島を羽交い絞めにする。
孝夫:「こら、シンディ!何をする!?」
シンディ:「社長の命令です」
鏡音リン:「おおっ!?シンディのおっぱいが社長の背中にムニュムニュ当たってるYo!?」
MEIKO:「それに対抗できるのは、バスト90cmのルカ(※)だけよ!」
※クリプトン社、公式設定です。
俊介:「はっはっはー!盛り上がってるねー!それじゃ、来年も良いお年を。メリークリスマス!」
孝夫:「何がメリークリスマスだ!シンディ、放せ!」
敷島エージェンシーの仕事納めは、昨年の旧事務所時代もだいたいこんな感じだったという。