報恩坊の怪しい偽作家!

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“愛原リサの日常” 「事件の夜」

2024-07-18 20:19:39 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月21日21時30分 天候:雨 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階・浴室]

 リサ「んー……」

 リサは体を洗うと、浴槽の中に入った。
 僅かに自分の血が残っていたらしく、シャワーで流すと、僅かに血の色が混じっていた。
 傷は立ちどころに癒えたとしても、1度噴き出した血までは消えない。

 リサ(それにしても……)

 リサが今1番印象に残っているのは、浜町のクリニックに愛原が飛び込んだ時のこと。
 まさかあそこまで、心配してくれていたとは思わなかった。

 リサ「やっぱり先生はァ、わたしを心配してくれたっちゃー!」

 リサは両手・両足を上げて、大歓喜した。
 興奮したことで、鬼形態に戻ってしまう。

 リサ「♪~♪」

 しばらく浴槽に使っていると、浴槽から出る。
 手に持っているのは、剃刀。
 体毛を剃る為である。
 リサの場合、主に腋毛と陰毛。
 特に陰毛は、外国人のようにツルツルに剃る。
 その理由は、愛原が観ていたエロ動画に、パイパンの女優が多く登場する作品があったからだ。
 今ではリサがそうしているからと、我那覇絵恋や上野利恵まで真似してパイパンにしているらしい。
 昔は、このまま裸で外に出ることが当たり前だった。
 アンブレラの研究所にいた頃は、入浴後、自室までは服を与えられず、他の『リサ・トレヴァー』達と全裸のまま歩かされたからかもしれない。
 まだ小学生くらいの歳だったリサにとっては、それが当たり前だと思わされていたからだ。
 なので服さえ着れば良いということで、今では愛原の気を引く為に体操服にブルマという恰好をしている。
 最近またブルマものをダウンロードして観ているようだ。

 
(画像拝借「こんいろ」様より。https://bsky.app/profile/konirohozonkai.bsky.social)

 リサ「よしっと」

 リサは紺色のブルマを穿いた。
 最近はこれを穿くことが多い。
 緑のブルマは、学校の体育用として穿くことが多い為、家用としてはこれやエンジ色のブルマを穿いている。

 リサ「お風呂出たよー」
 高橋「おーう」
 リサ「あれ?先生は?」
 高橋「2階の事務所だ。明日の準備をしておられる。邪魔すんじゃねーぞ」
 リサ「そうなんだ……残念」
 高橋「オメーも明日に備えて早く寝ろ、だとよ」
 リサ「愛原先生がそう言ったの?」
 高橋「そうだよ。オメーのLINEの通知音で、先生からのヤツが鳴ってたぞ」
 リサ「えっ、ホント!?」

 リサはリビングに行くと、充電中の自分のスマホを見た。
 LINEの通知はいくつかあって、『魔王軍のグループLINE』もあったし、絵恋からのLINEもあった。
 そして、もう1つは……。

 リサ「おー!ホントだ!」

 愛原からの通知もあった。
 これをいの1番に見る。
 確かに、高橋が言った内容のことが書かれていた。

 リサ「本当だ」
 高橋「だから言ったろ。俺はウソ付かねーよ」
 リサ「確かにね。鬼はウソ付きなのに」
 高橋「正気か?気は確かか?ワザとブーメラン投げたんか?」
 パール「そんなのどうでもいいから、次はマサが風呂に入りなよ」
 高橋「先生はどうした?先生を差し置いて、先に入れるかよ」
 リサ「わたしは入ったよ?」
 高橋「オメーの場合は先生の御命令だからしょーがねぇ。でも、俺は命令されたわけじゃねーから……」

 ピロリーン♪(高橋のスマホに、LINEの着信音)

 高橋「おっと!先生からだ!なになに?……ちっ、先生の御命令じゃ、しょうがねぇ」
 パール「お風呂、先に入れって?」
 高橋「ああ」
 リサ「新婚さんらしく、メイドさんと一緒に入ったら?」
 高橋「くぉらっ!」
 パール「お気遣いはありがたいんだけど、長湯はちょっとね……。その間に先生がお風呂に入りたがったら申し訳無いし」
 高橋「その通りだ!」
 リサ「じゃあ、わたしが先生に聞いてみてあげるよ」
 高橋「おい!だから、邪魔すんなって!」
 リサ「わたしは先生のお嫁さんだから、特権だよぉ」
 高橋「何がだ!」

 リサは素早く愛原のスマホにLINEを送った。
 すると早めに返信が来た。

 リサ「先生は4階のシャワーを使うから、お兄ちゃん達、ゆっくり入っていいってよ」
 高橋「マジか」
 パール「じゃあ、お言葉に甘えようか」
 高橋「先生のお気遣い、無駄にはできねーな」
 リサ「楽しんでね」

 リサはそう言うと、冷蔵庫から水や清涼飲料水のベッドボトルを取り出した。
 そしてその足で、4階の自分の部屋に向かった。

[同日22時00分 天候:雨 同地区内 愛原家4階・リサの部屋]

 リサは自分の部屋に入ると、ベッドに入って『魔王軍四天王』とLINEをしていた。
 話題はやはりリサが刺されたこと、そして人間なら失血死してもおかしくない傷を負いながらも、今は全く傷が無いということだった。

 リサ「月曜日はフツーに登校だから」
 淀橋「さ、さすがは魔王様です」
 小島「登校、お待ちしております」
 リサ「愛原先生、しばらくPTA会長として、『見守り』活動やるってよ」
 淀橋「『見守り』って、そんな小学校じゃあるまいし……」
 リサ「学校の中を見回りするんじゃない?愛原先生、探偵の前は警備会社で働いてたから」
 小島「なるほど、そういうことですか」
 リサ「というわけで、月曜日の体育は全員ブルマで。愛原先生を喜ばせてあげるんだ!」
 淀橋「ええーっ!」
 桜谷「私、今日からちょっと『重い日』で……」
 上野凛「陸上部で、大会を想定したトレーニングで、実際にユニフォームを着てやるんですけど、それじゃダメですか?」
 リサ「さっき先生のエロ動画覗いたら、『神ブルマ』観てた。なので、体育用のブルマで。逆らったら『公開おもらし』の刑」
 淀橋「ぴえっ!?」
 リサ「『全体朝礼中にお漏らし』『教室で授業中にお漏らし』『体育で授業中にお漏らし』『登下校中の電車の中でお漏らし』どれでも好きなの選ばせてやるから」
 小島「ど、どれも嫌です……」
 凛「陸上部ユニフォームで、ショーツタイプの方を穿きますから……」
 リサ「あぁ?リンの場合、『寮で妹の前でお漏らし』の方がいいか?」
 凛「ご、ごめんなさい!」
 リサ(全ては愛原先生の為……!)

 リサは布団を被ると、瞳を赤く鈍く光らせた。
 もうしばらくは、人間に戻れないかもしれない。

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