[4月21日20時45分 天候:雨 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家]
雨が降る中、リサと愛原は帰宅した。
留守番していた高橋夫婦が1階ガレージのシャッターを開けてくれていたおかげで、デイライトの車はその中に入ることができた。
よって、リサ達は雨に濡れずに帰宅できたのである。
善場「到着しました」
愛原「ありがとうございます」
善場「リサは改めて明日、警察による現場検証がありますので、お付き合いください」
愛原「警察……警視庁のレベルなんですか?」
善場「現場検証には、私も付き合います。やはり教育機関で、殺人未遂事件が起きたことは重大ですから」
愛原「まあ、私も再度学校に行くことになりそうですがね」
リサ「そうなの!?」
愛原「臨時の保護者会が行われる。リサ達もリサ達で、月曜日の全校朝礼は長くなるだろうな」
リサ「うへー……わたしは被害者なのに」
愛原「それだけ衝撃が大きかったということさ」
リサ「それにしても、どうして城ヶ崎弟はわたしが犯人だって疑ったんだろう?」
善場「何でも生徒会長が失禁するところを、都合良くカメラで撮影した人物がいたそうです」
リサ「ギクッ」
善場「その動画データが、彼女の自室から見つかったそうですよ」
愛原「それにしたって、撮影者は分からなかったはずですが?」
善場「それ以外については、警察の取り調べ中です。とにかく明日、警視庁の現場検証に御協力をお願いします」
愛原「分かりました」
リサ達は車から降りた。
善場「それではお疲れ様でした」
愛原「お疲れ様でした。また明日、よろしくお願いします」
善場「こちらこそ。現場検証は10時からです。9時半にはお迎えに参りますので」
愛原「えっ?」
善場「どうかされましたか?」
愛原「わざわざ迎えに来て頂けるんですか?」
善場「はい。私共で監視しているBOWに問題が発生しましたので。もちろん、現場検証と臨時保護者会は開催が被るでしょうから、愛原所長はPTA会長として、保護者会の方を優先して頂いて構いません」
愛原「分かりました」
デイライトの車が出て行くと、愛原はガレージのシャッターを閉めた。
愛原「参ったなぁ……」
リサ「とんでもないヤツだったね。死刑になればいいのに」
愛原「いや、ならんよ」
聞いた話、事件を目の当たりにした女子生徒2人も、ショックで意識を失ったり、過呼吸になったりして救急搬送されたそうだ。
愛原「お前はもう夕食食べてろ」
リサ「先生は?」
愛原「明日の緊急保護者会に向けて、色々準備しなくちゃいけないことがある」
愛原はそう言って、エレベーターのボタンを押した。
リサ「そうなんだ」
愛原「PTA会長は色々大変なんだよ」
リサ「うん、そうだね」
そしてエレベーターに乗り込み、3階のボタンを押した。
エレベーターがゆっくり上がって行き、3階に到着する。
リサ「ただいま」
高橋「おっ、帰って来た。さすがは殺しても死なねぇ化け物だぜ」
リサ「わたしを殺したかったら、ロケットランチャー持って来なってね」
高橋「それでも死にそうにねぇな?」
リサ「ねぇ!……お腹空いた!」
パール「はいはい。もう用意してありますよ」
ダイニングのテーブルの上には、夕食が載っていた。
リサ「わぁい!」
リサは鞄をリビングのソファに放り投げると、自分の定位置に座った。
今日はポークソテーのようである。
リサは箸を手に取ると、ガツガツ食べ始めた。
愛原「ちょっと俺は下の事務所にいるから」
高橋「仕事っスか?」
愛原「明日の緊急保護者会の資料作りさ。元々俺はPTA会長だから、立場上、参加しないといけないんだが、ガチの被害者がリサなもんだから、リサのことを話さないといけないから」
高橋「メッタ刺しにされたのに、フツーに登校してますなんて、どうボケたらいいのか、ネタ作りが大変っスね」
愛原「しかも明日は警察の現場検証だろ?尚更だよ」
高橋「ですねぇ……」
パール「リサさん……血の匂いが微かにしますよ……!?」
パールは普段、善場とはまた違うポーカーフェイスをしているのだが、それはシリアルキラーが正体を隠す為の無表情である。
それが今、微かな血の匂いを嗅ぎ取って、僅かにその片鱗を見せた。
リサ「あー!だから、ずっとお腹空いてんたんだ!」
愛原「夕飯食ったら、すぐ風呂入れよ!」
クリニックに搬送された時、血は現場で拭き取られたのだが、完全にというわけではなかったようだ。
リサ「はーい」
高橋「俺、風呂沸かしてきます」
パール「じゃあ、私は先生にコーヒーでもお入れしますね」
愛原「ああ、すまない」
高橋は風呂場に行き、愛原とパールはエレベーターに乗り込んで2階へ下りてしまった。
よって、ダイニングはリサ1人となってしまう。
テレビを点けると、民放はバラエティ番組とかをやっていたが、NHKに切り替えるとニュースをやっていた。
〔「……今日午後5時頃、東京都台東区の高等学校で、生徒同士による刺傷事件がありました」〕
リサ「うわ……やってる」
〔「……こちら、台東区上野の上空に来ています。今日午後5時頃、学校法人東京中央学園上野高校から、消防宛てに、『男子生徒が女子生徒をナイフで何度も刺した』という通報が寄せられました。……」〕
ヘリコプターからの映像がテレビに映し出される。
〔「……男子生徒は駆け付けた警視庁上野警察署の警察官に取り押さえられ、その場で現行犯逮捕されました。その際、銃声の音がしたということですが、詳細は不明です。男子生徒はひどく興奮しており、当初は警察官に激しく抵抗した為、警察官が発砲したのではと見られていますが、詳細は不明です」〕
リサ「えっ?レイチェルが撃ってなかった???」
まさかの揉み消し!?
リサ「BSAAひでぇ!」
〔「……女子生徒につきましては、救急車で病院に搬送されたものの、幸い命に別状は無いとのことです」〕
リサ「メッタ刺しにされたら、フツー死ぬんだけどね。……まあ、わたしのことだけどw」
〔「……以上、現場からお伝えしました」〕
リサ「わたしもインタビュー受けたりして!?」
高橋「人食い鬼はコイツでーす!皆さん、豆ぶつけてくださーいってか」
リサ「節分じゃないよ!」
高橋「いいから、さっさと食っちまえ」
リサ「分かってるよぉ!どうせ今食べたところで、まだお風呂沸いてないんだし!」
高橋「4階のシャワー使えばいいのによ……」
リサ「まあ、先生は『風呂に入れ』と言ったわけだからね。先生の命令はゼッタイ!」
高橋「そりゃそうだ」
高橋は大きく頷いた。
雨が降る中、リサと愛原は帰宅した。
留守番していた高橋夫婦が1階ガレージのシャッターを開けてくれていたおかげで、デイライトの車はその中に入ることができた。
よって、リサ達は雨に濡れずに帰宅できたのである。
善場「到着しました」
愛原「ありがとうございます」
善場「リサは改めて明日、警察による現場検証がありますので、お付き合いください」
愛原「警察……警視庁のレベルなんですか?」
善場「現場検証には、私も付き合います。やはり教育機関で、殺人未遂事件が起きたことは重大ですから」
愛原「まあ、私も再度学校に行くことになりそうですがね」
リサ「そうなの!?」
愛原「臨時の保護者会が行われる。リサ達もリサ達で、月曜日の全校朝礼は長くなるだろうな」
リサ「うへー……わたしは被害者なのに」
愛原「それだけ衝撃が大きかったということさ」
リサ「それにしても、どうして城ヶ崎弟はわたしが犯人だって疑ったんだろう?」
善場「何でも生徒会長が失禁するところを、都合良くカメラで撮影した人物がいたそうです」
リサ「ギクッ」
善場「その動画データが、彼女の自室から見つかったそうですよ」
愛原「それにしたって、撮影者は分からなかったはずですが?」
善場「それ以外については、警察の取り調べ中です。とにかく明日、警視庁の現場検証に御協力をお願いします」
愛原「分かりました」
リサ達は車から降りた。
善場「それではお疲れ様でした」
愛原「お疲れ様でした。また明日、よろしくお願いします」
善場「こちらこそ。現場検証は10時からです。9時半にはお迎えに参りますので」
愛原「えっ?」
善場「どうかされましたか?」
愛原「わざわざ迎えに来て頂けるんですか?」
善場「はい。私共で監視しているBOWに問題が発生しましたので。もちろん、現場検証と臨時保護者会は開催が被るでしょうから、愛原所長はPTA会長として、保護者会の方を優先して頂いて構いません」
愛原「分かりました」
デイライトの車が出て行くと、愛原はガレージのシャッターを閉めた。
愛原「参ったなぁ……」
リサ「とんでもないヤツだったね。死刑になればいいのに」
愛原「いや、ならんよ」
聞いた話、事件を目の当たりにした女子生徒2人も、ショックで意識を失ったり、過呼吸になったりして救急搬送されたそうだ。
愛原「お前はもう夕食食べてろ」
リサ「先生は?」
愛原「明日の緊急保護者会に向けて、色々準備しなくちゃいけないことがある」
愛原はそう言って、エレベーターのボタンを押した。
リサ「そうなんだ」
愛原「PTA会長は色々大変なんだよ」
リサ「うん、そうだね」
そしてエレベーターに乗り込み、3階のボタンを押した。
エレベーターがゆっくり上がって行き、3階に到着する。
リサ「ただいま」
高橋「おっ、帰って来た。さすがは殺しても死なねぇ化け物だぜ」
リサ「わたしを殺したかったら、ロケットランチャー持って来なってね」
高橋「それでも死にそうにねぇな?」
リサ「ねぇ!……お腹空いた!」
パール「はいはい。もう用意してありますよ」
ダイニングのテーブルの上には、夕食が載っていた。
リサ「わぁい!」
リサは鞄をリビングのソファに放り投げると、自分の定位置に座った。
今日はポークソテーのようである。
リサは箸を手に取ると、ガツガツ食べ始めた。
愛原「ちょっと俺は下の事務所にいるから」
高橋「仕事っスか?」
愛原「明日の緊急保護者会の資料作りさ。元々俺はPTA会長だから、立場上、参加しないといけないんだが、ガチの被害者がリサなもんだから、リサのことを話さないといけないから」
高橋「メッタ刺しにされたのに、フツーに登校してますなんて、どうボケたらいいのか、ネタ作りが大変っスね」
愛原「しかも明日は警察の現場検証だろ?尚更だよ」
高橋「ですねぇ……」
パール「リサさん……血の匂いが微かにしますよ……!?」
パールは普段、善場とはまた違うポーカーフェイスをしているのだが、それはシリアルキラーが正体を隠す為の無表情である。
それが今、微かな血の匂いを嗅ぎ取って、僅かにその片鱗を見せた。
リサ「あー!だから、ずっとお腹空いてんたんだ!」
愛原「夕飯食ったら、すぐ風呂入れよ!」
クリニックに搬送された時、血は現場で拭き取られたのだが、完全にというわけではなかったようだ。
リサ「はーい」
高橋「俺、風呂沸かしてきます」
パール「じゃあ、私は先生にコーヒーでもお入れしますね」
愛原「ああ、すまない」
高橋は風呂場に行き、愛原とパールはエレベーターに乗り込んで2階へ下りてしまった。
よって、ダイニングはリサ1人となってしまう。
テレビを点けると、民放はバラエティ番組とかをやっていたが、NHKに切り替えるとニュースをやっていた。
〔「……今日午後5時頃、東京都台東区の高等学校で、生徒同士による刺傷事件がありました」〕
リサ「うわ……やってる」
〔「……こちら、台東区上野の上空に来ています。今日午後5時頃、学校法人東京中央学園上野高校から、消防宛てに、『男子生徒が女子生徒をナイフで何度も刺した』という通報が寄せられました。……」〕
ヘリコプターからの映像がテレビに映し出される。
〔「……男子生徒は駆け付けた警視庁上野警察署の警察官に取り押さえられ、その場で現行犯逮捕されました。その際、銃声の音がしたということですが、詳細は不明です。男子生徒はひどく興奮しており、当初は警察官に激しく抵抗した為、警察官が発砲したのではと見られていますが、詳細は不明です」〕
リサ「えっ?レイチェルが撃ってなかった???」
まさかの揉み消し!?
リサ「BSAAひでぇ!」
〔「……女子生徒につきましては、救急車で病院に搬送されたものの、幸い命に別状は無いとのことです」〕
リサ「メッタ刺しにされたら、フツー死ぬんだけどね。……まあ、わたしのことだけどw」
〔「……以上、現場からお伝えしました」〕
リサ「わたしもインタビュー受けたりして!?」
高橋「人食い鬼はコイツでーす!皆さん、豆ぶつけてくださーいってか」
リサ「節分じゃないよ!」
高橋「いいから、さっさと食っちまえ」
リサ「分かってるよぉ!どうせ今食べたところで、まだお風呂沸いてないんだし!」
高橋「4階のシャワー使えばいいのによ……」
リサ「まあ、先生は『風呂に入れ』と言ったわけだからね。先生の命令はゼッタイ!」
高橋「そりゃそうだ」
高橋は大きく頷いた。