報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵” 愛原学” 「我那覇絵恋からの画像と夕食」

2024-07-11 20:16:15 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月16日17時00分 天候:雨 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階ダイニング]

 リサ「先生!やっとエレンから画像来たー!」
 愛原「包丁ごと持って来るなーっ!」

 リサのスマホに映っていたのは……。

 
(“しんた”様より画像拝借。https://x.com/777_shinta)

 愛原「これが斉藤早苗?かわいいねー」
 リサ「ム!

 バチッ!

 愛原「あぅちっ!」

 リサから強い静電気を食らってしまった。
 そのショックでスマホを床に落としてしまう。

 リサ「ちょっとォ、わたしのスマホ壊さないでねぇ?」
 愛原「いや、お、お前なぁ……」

 リサは私の足元に落ちたスマホを拾った。
 体の線が浮き出やすい半袖の体操服を着ているせいか(しかもその上にエプロンを着けている)、リサの胸の形が見えた。
 ロリ体型かと思っていたが、案外成長しているんだな……。

 リサ「なに?」
 愛原「い、いや……。こ、この画像、俺のスマホに転送してくれないか?」
 リサ「いいけど、『おかず』にしちゃダメだよ?」
 愛原「しないから!」
 リサ「するなら、わたしでね」
 愛原「ええっ?」

 リサはそう言うと、ダイニングに戻って行った。

 愛原「このコ……」

 確かに髪型はリサと似ている。
 ボブヘアーだが、髪質はややウェーブしている。
 顔は似ていない、リサよりも少し大人びているか。
 だが、雰囲気は似ている。
 意外なのは、眼鏡を掛けていること。
 これは本当に度入りなのだろうか?
 それとも……。

[同日18時00分 天候:雨 愛原家3階ダイニング]

 

 リサ「いただきまーす!」

 夕食は宣言通り、すき焼きだった。
 日曜日の夕食は鍋であることが多い。

 高橋「先生、ビールです」
 愛原「ありがとう」

 

 リサはあまり焼けていない生煮えの肉を、普通に頬張った。
 人間なら食あたりするかどうかの瀬戸際だが、リサは全く平気。
 取り皿に溶き卵を入れ、そこに肉などを入れる。

 愛原「野菜も食えよ」
 リサ「分かってるよ」
 愛原「ところで斉藤早苗の画像なんだが……」
 リサ「なに?あれじゃダメなの?」
 愛原「いや、全然いいと思う。1つ気になったのは、彼女は眼鏡を掛けているのかということだ」
 リサ「どういうこと?」
 愛原「ほら、この前送ってくれた体操服の画像だと眼鏡が無かっただろ?」
 リサ「普段は眼鏡を掛けていても、体育の時は外すって場合もよくあるからね」
 愛原「でも、あれだと白い仮面着けられないだろ?」
 リサ「そっかぁ……」
 愛原「“トイレの花子さん”は、リサにだけ素顔を見せてくれたそうじゃないか」
 リサ「眼鏡を外せば、そっくりだと思うよ」
 愛原「つまり、白い仮面を外した時、“花子さん”は眼鏡を掛けてなかったと?」
 リサ「うん、まあ……」
 愛原「それも含めて、善場係長にメールしておこう」
 リサ「先生は仕事熱心だねぇ……」
 愛原「当たり前だ。デイライトさんからの仕事のおかげで、俺達は生活できてるんだからな」

 ちょこちょこと小口の依頼もあるが、それだけだと赤字だ。
 本当は斉藤元社長からの仕事もプラスされ、2本柱でこの事務所を成り立たせていた。
 それが今や、デイライト1本だけに……。
 事故物件の調査や、行方不明人捜索依頼の仕事なども引き受けなくてはならない。

 愛原「リサもデイライトに協力すれば、係長に褒められるぞ」
 リサ「そーかなー……」

[同日19時30分 天候:雨 愛原家4階・愛原の部屋]

 夕食の後、私は自分の部屋に行き、自分のノートPCから善場係長にメールを送った。
 もちろん、あの私服姿の斉藤早苗の画像を添付するのを忘れない。
 本文には、『この眼鏡が普段から掛けているものなのか、或いは変装用に掛けているのかは不明です』というのも付け加えておいた。
 これを送信しておけば明日、善場係長が出勤されてメールをチェックした時に呼んでもらえるだろう。
 あとは、両親のグループLINEにも送っておいた。
 もしもこういうコを沖縄旅行中に見つけたら教えて欲しいと。
 だが……。

 父親「かわいいコだが、どこにでもいそうなコだぞ。ちょっと似ているだけなら、何人か那覇市内にいたぞ」

 と、父親からの返信。

 母親「何となくリサちゃんに似てなくもないわねぇ……」

 と、母親からも安定の反応が返って来た。
 これで実は眼鏡は変装用でしたとなったら、更にややこしい。
 一応正直に、もしかしたら眼鏡を外している可能性もあると送信しておいた。

 父親「まあ、それらしいコを見つけたら教えてやるよ」

 とのこと。

 母親「高校生くらいでしょ?修学旅行生を何人も見かけたから、その中にいるかもしれないわねぇ……」

 というので、私は、就学旅行生の中にはいないと返信しておいた。
 沖縄中央学園の生徒として潜り込んでいるわけだから、他校生のフリはできないだろう。
 ただ、私服の学校もあるだろうから、そういう所に紛れられたら、ちょっと困ることになりそうだ。

 リサ「私が会えば、すぐに分かるのに……」
 愛原「やっぱ沖縄に行くしかないか。……って、いつの間に!?」

 いつの間にかリサが私の部屋の中に入ってきていた。
 確かに、鍵は掛けてなかったが……。

 愛原「な、何の用だよ?」
 リサ「食後のコーヒーだよ」
 愛原「わざわざ持って来てくれたのか」
 リサ「仕事忙しいと思って」
 愛原「もうすぐ終わるところだったんだがな」
 リサ「あ、そうそう。エレンがね、沖縄中央学園の廃止前のブルマを手に入れたから、それを着てみた画像送ってくれるって。見る?」
 愛原「あ、ああ……。ちょっとだけな」
 リサ「分かった。後で送ってもらうね」
 愛原「まさかとは思うが、お前も着るんじゃないだろうな?」
 リサ「フム……。確かに青ブルマはまだ持ってないからね、それはいい機会かもしれない」
 愛原「廃止されてから何十年も経つだろうに、よくあったな?」
 リサ「制服とか体操服とかを扱っている服屋さん、在庫持ってたみたいだよ。『魔王軍沖縄支部』が復活させたということもあって、様子を見に来たんだって」

 そしたら、東京中央学園の緑ブルマが穿かれていたので、沖縄中央学園のかつての青ブルマを納入してきたというわけか。
コメント
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