報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「花のチャイクエ音頭」

2024-07-25 20:50:12 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月23日10時48分 天候:曇 東京都港区新橋 都営バス新橋バス停→JR新橋駅]

 リサと愛原を乗せたバスは、新橋バス停の降車場に到着した。
 ここで乗客達を降ろしたバスはその後、乗車場へと移動して折り返し運転を行う。
 リサは愛原と共に、中扉からバスを降りた。

 愛原「じゃあ、早速制服を回収しようか」
 リサ「うっス!」

 リサは愛原と腕を組んだ。

 愛原「何か、パパ活みたいだな……」
 リサ「違法なパパ活と違って、わたし達のは合法だよ」
 愛原「何で?」
 リサ「わたしは人間じゃないから、法律が適用されないw」
 愛原「オマエ、最早それ自虐ネタにしてるな」

 法律が適用されないということは、人権が無いから、いきなり射殺されても文句は言えないということなのだが。

 愛原「えーと……あのコインロッカーだ」

 横断歩道を渡ってJR新橋駅構内に入り、改札口外側に件のコインロッカーはあった。
 従来の鍵式ではなく、Suica対応式である。
 愛原はスマホを取り出すと、それで善場から送られてきたメールを確認した。
 そこにコインロッカーを開ける暗証番号が書かれているからだ。

 愛原「あ、そうか!」
 リサ「なに?」
 愛原「善場係長がリサの制服をロッカーに入れたのは昨日だ。昨日は昨日で係長が料金を支払ったんだろうが、今日の分の料金が掛かっているんだ」
 リサ「どうするの?」
 愛原「今日の分は俺が払うよ。これも、手間賃だ」

 愛原が料金を払うと、制服の入っているロッカーのロックが解除される。

 愛原「よし、開いたぞ!」
 リサ「おー!」

 リサがロッカーの扉を開けると、そこには白1色の大きめの紙袋が入っていた。
 口は同じ色の布テープで閉じられている。
 納品書みたいなのが表面に貼られており、そこには制服メーカーや取扱店の名前の他、受取者が『NPO法人デイライト東京事務所ご担当者様』となっていた。
 それは善場係長の事で、そこから最終的にようやく着用者のリサが受け取るというわけだ。

 愛原「これは大事な物だ。ちゃんと持ってろよ」
 リサ「もちろん!」

 リサは紙袋を持った。

 リサ「この後はどうするの?」
 愛原「俺はフツーに昼飯食って帰るだけだと思ってるけど、リサはどこ行きたい?」
 リサ「買い物があるからぁ……」
 愛原「どこの店がいいんだ?」
 リサ「特に、お店に拘りは無いよ。先生は本当に無いの?」
 愛原「まあ、色々覗いて行くか。となると、土地勘のあるアキバか……」
 リサ「よし!そこに移動しよう!」
 愛原「何か、元気だな」

 リサは改札口に入ろうとした。

 愛原「あ、ちょっと待った!」
 リサ「ん?」
 愛原「オマエの分のキップも買ってやるよ」
 リサ「別にいいよ、それくらい」
 愛原「そ、そう?」
 リサ「チャージはしてもらってるし」
 愛原「そ、そうか。そうだな……」

 というわけで、改めて改札の中に入った。

[同日11時03分 天候:曇 JR新橋駅・地上ホーム→山手線1074G電車・最後尾車内]

〔まもなく、6番線を、電車が、通過致します。危ないですから、黄色い点字ブロックまで、お下がりください。京浜東北線の、快速電車は、当駅には、停車致しません。山手線の、電車を、ご利用ください〕

 パァァンと電子音の警笛を鳴らして、京浜東北線の電車が通過して行く。
 駅のトイレを利用した後、リサ達は山手線のホームに上がった。

〔まもなく、5番線に、東京、上野方面行きが、参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまで、お下がりください。次は、有楽町に、停車します〕

 山手線は終日各駅停車。
 11両編成の電車がやってくる。

〔しんばし~、新橋~。ご乗車、ありがとうございます。次は、有楽町に、停車します〕

 電車に乗り込むと、2人は開いている座席に隣同士で座った。
 発車メロディがホームに鳴り響く。
 かなり昔から使用されているもので、どちらかというと常磐線などの中距離電車のホームで使われていそうなタイプ。
 恐らく山手線では、この駅でしか使用されていないのではないか。

〔5番線の、山手線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕

 電車のドアが閉まる。
 駆け込み乗車があったが、ホームドアはともかく、車両のドアが再開閉した。
 ようやく閉まり切ると、電車が発車した。

〔次は有楽町、有楽町。お出口は、左側です。地下鉄有楽町線と、地下鉄日比谷線はお乗り換えです〕

 愛原「そういえば、アキバにドンキがあったな……」
 リサ「そこなら、色々買えそうだね」
 愛原「そうだな……」

 相変わらず、空は曇っている。
 雨が降りそうな気もするが、ドアの上にあるディスプレイにちょうど表示された天気予報によると、東京は今日1日ずっと曇。
 降水確率は午前・午後とも30%という、正に降るんだか降らないんだか微妙な天気である。

 リサ「お昼はどこで食べる?」
 愛原「俺はラーメンでも食べたい気分なんだが……」
 リサ「いいよ!ラーメンにしよう!」
 愛原「そうなのか。若いから、マックの方がいいのかなと思ってね」
 リサ「マックは、ヨドバシやレイチェルと一緒の時に食べてるからねぇ……」
 愛原「あ、やっぱりそうなんだ」
 リサ「今日は愛原先生とデートの日なんだから、『魔王軍』の事は一旦置いとくよ」
 愛原「はは、そうか……」

 と、そこへリサのスマホにLINEの着信音が鳴る。
 どうやら、言ったそばから『魔王軍のグループLINE』に着信があったようだ。

 リサ「ヨドバシからだ。『2年7組の庄子、貸した2000円まだ返せないって言ってますけど?』だって」
 愛原「おいおい、金の貸し借りは……」
 リサ「このアホ、財布忘れたりするからだよ。『月曜までに返せないようだったら、授業中公開お漏らしの刑だと言っとけ』と……」
 愛原「何が、『魔王軍のことは一旦置いとく』だ。しっかり魔王様やってんじゃねーかw」

 愛原はそうツッコミを入れた。

 愛原「もしかしたら、月曜日は休校になるかもしれんぞ?」
 リサ「えっ!?」
 愛原「まだ、モールデッド事件のゴタゴタが鎮まってない」
 リサ「たかだか体育館に立てこもったモールデッド1匹でしょ?」
 愛原「それはもうBSAAが掃討したんだが、実際には数匹のモールデッドが現れただろ?そいつらが撒き散らした黒カビ汚染が深刻でな。上の宿泊施設だけじゃなく、体育館全体を消毒しないといけなくなったようだ」
 リサ「でも、体育館だけだよね?」
 愛原「だから。今日中に職員会で、明日どうするか会議しているらしい」
 リサ「ふーん……。わたしは別に平気なんだけどなぁ……」
 愛原「そりゃオマエはなw」
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“愛原リサの日常” 「今日は都心へ」

2024-07-25 15:05:31 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[4月23日09時00分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階ダイニング]

 リサ「おはよう……」

 日曜日の朝、どんよりと曇った空。
 そんな中、リサは4階の部屋から降りて来た。
 今度は変な夢を見ることはなかったが。

 高橋「起きたか。さっさと朝飯食っちまえ」
 リサ「んー」

 3階の浴室の脱衣所からは、洗濯機の音がする。
 この場にパールがいないところをみると、洗濯をしているのだろう。
 高橋がサンドイッチを作っていた。

 

 リサ「先生は?」
 高橋「今、お手洗いだ」

 しばらくすると、3階のトイレから愛原が戻って来た。

 愛原「おはよう」
 高橋「おはようございます!先生、朝食をどうぞ!」
 愛原「ありがとう。早速頂くよ。……おや、リサ?オマエは食べないのか?」

 目の前に、自分の使用済みブラウスでオ○ニーしたダーリンがいる。
 そう思うと、リサは愛原を直視できなかった。

 リサ「た、食べる!」

 リサは目の前のサンドイッチにがっついた。

 リサ「ぱ、パールは今、洗濯してるんだよね!?」
 高橋「ああ。それがどうした?オメーもたまには手伝え」
 リサ「わ、分かってるよ!」
 愛原「もしかして、ポケットの中に何か入れっ放しだったとか?」
 リサ「そ、そうじゃなくて……」

 すると、洗濯機の方から……。

 パール「愛原先生、ちょっと宜しいですかー?」

 と、パールが愛原を呼ぶ声が聞こえた。

 愛原「って、いっけね!俺がズボンのポケットに小銭入れっぱだった!」
 高橋「はあ……」

 愛原は慌てて席を立つと、洗濯機の方に走って行った。

 高橋「で、オメーは何なんだ?」
 リサ「いや、昨日の戦いで、ブラウスが臭ってたから、大丈夫かなぁと思って……」
 高橋「パールが何も言ってこないってことは、大丈夫ってこったろ」
 リサ「そ、そうか。い、いやね、わたしの体臭が気になるみたいで……」
 高橋「肉の食い過ぎだ、オメーは!」
 リサ「そ、そうだね。う、うん……」

 リサは笑って取り繕った。

 高橋「今日は夕飯の手伝いしろよ?」
 リサ「分かったよ」

 愛原が戻った。

 愛原「いやあ、参った参った」
 高橋「大丈夫っスか?パールのヤツ、オーリョーしてませんでしたか?」
 愛原「いや、大丈夫。それに、ズボンの小銭くらい横領されてもしょうがない」
 リサ「いくら入れてたの?」
 愛原「銀行に行って両替してた500円玉の束の一部だよ。指導する立場の俺が、何とも情けない」
 高橋「人間、誰しも間違いはありますよ」
 リサ「そ、そうだよね。だから、わたしが間違って人食いしても……」
 高橋「オメーは人間じゃねーんだから、許されるわけねーべよ!!」
 愛原「そこは絶対に気をつけてね?」
 リサ「はーい……」
 愛原「というわけで、口止め料」
 高橋「えっ?」

 愛原は高橋とリサに、ピカピカの真新しい500円硬貨を1枚ずつ渡した。

 愛原「因みに3枚入ってたから。1枚はパールにあげた」
 高橋「いいんスか?」
 愛原「だから、この事は内緒な?」
 リサ「これでタバコでも買いなよってこと」
 高橋「な、なるほど……」
 愛原「今日はリサと出かけるから、昼は要らないよ。昼は2人で適当に食ってて」
 高橋「分かりました」
 愛原「夕飯までには帰るから」
 リサ「お兄ちゃんに、夕食作るの手伝えって言われた」
 愛原「そうか。因みに夕飯は?」
 高橋「カレーにしようかと。余れば、月曜日も朝カレーできます」
 愛原「分かった。それじゃ、それまでに帰るようにするよ」
 高橋「お願いします」

 リサから見て、今の愛原は普通だった。

 リサ(なるほど……。そうか)

 リサは中等部からも含めて6年近くの学校生活の中、変わった光景を見ることもあった。
 校内でオ○ニーしている男子生徒を見たこともある。
 終わった後、何食わぬ顔して教室に戻っていたのが印象的だった。

 リサ(あれと同じか……)

 さすがのリサも、学校でオ○ニーはしたことはないが、家ではよくする。
 イッた後は、しばらく余韻に浸って動けないことも多々ある。

 愛原「今日のリサは、随分ボーッとしてるな?体の具合が悪いのか?」
 リサ「い、いや、そんなことないよ。まだ、目が覚めてないだけ」
 愛原「飲み物、ジュースじゃなくて、コーヒーにするか?」
 リサ「そ、そうだね」
 愛原「高橋、リサにもコーヒー淹れてやってくれ」
 高橋「ハイ。思いっ切り濃い目にしますか?」
 リサ「ふ、フツーでいいよ!」

 辛党のリサだが、別にコーヒーはビター派というわけでもない。
 というか、そもそもコーヒー自体、嫌いというわけではないが、愛原のように大好きというわけでもない。

[同日10時03分 天候:曇 同地区内 菊川駅前バス停→都営バス業11系統車内]

 出かける前、リサは体操服とブルマから別の服に着替えた。
 今日は少し趣向を変えて、制服風のスタイルにした。
 ブラウスの上にニットのベストを着用し、首にはリボンを着けて、下はチェック柄のプリーツスカート。
 上着はブレザーではなく、フード付きのパーカーを羽織っている。

 愛原「今日はいつもと少し違う服だな?」
 リサ「前に、ヨドバシ達と買い物に行った時に買った服」
 愛原「殆ど制服だな、それは」
 リサ「ねー?」

 これを着た目的は、他にある。
 ブラウスの下には、ブラジャーしか着けていない。
 もしもこれにまた自分の体臭を着ければ、愛原が夜中に発情してくれるかもしれない。
 その時、自分がそこに飛び込めば……。
 リサはニッと笑った。

 愛原「おっ、バスが来た。行きはあれに乗って行くぞ」
 リサ「分かった」

 家の近所のバス停でバスを待っていると、ちょうど新橋行きのバスがやってきた。
 前扉からバスに乗り込む。

 愛原「大人2名で」
 運転手「はい。……どうぞ」

 今日は愛原が連れて行くからと、バス代は愛原が出してくれた。
 後ろの方の空いている2人席に座る。
 観光地のスカイツリーの方に行くバスは賑わっていたが、逆に都心の方に行くこっち側の方が少し客は少ない。
 本当に新橋まで急ぎで行くなら、1回の乗り継ぎはあっても、電車の方が早いからである。

〔発車致します。お掴まり下さい〕

 バスは折り戸式の前扉と、引き戸式の中扉を閉めると発車した。
 まずは三ツ目通りを南下する。

〔ピンポーン♪ 毎度、都営バスをご利用頂き、ありがとうございます。このバスは東京都現代美術館前、豊洲駅前、勝どき橋南詰経由、新橋行きでございます。次は森下五丁目、森下五丁目でございます〕

 リサ「帰りは違うルートなの?」
 愛原「リサも買い物したいって言ってただろ?付き合うよ」
 リサ「! ありがとう!」
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