[4月22日12時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家1階ガレージ]
リサを乗せたデイライトの黒いセレナは、無事、愛原家に到着した。
例によってまたガレージが空いていたので、車はそこにバッグで入る。
そして、車止めにタイヤが当たる衝撃がしたところで、運転役の善場の部下は車を止めた。
部下「到着しました」
善場「ありがとう。リサ、着きましたよ」
リサ「はーい」
リサが内側から開けようとしたが、助手席に座っていた善場が降りて、外からスライドドアを開けた。
善場「できれば今日、明日は家で大人しくしていた方がいいですね」
リサ「えーっ、明日も~?」
善場「明日には新しい制服を……。外出したければ、制服に取りに行ってもらいましょうか」
リサ「ほお?」
善場「新橋駅のコインロッカーに、あなたの新しい制服を入れておきます。明日、取りに行ってください」
リサ「鍵は?」
善場「一応、ICカード式のコインロッカーにするつもりです。それだと、後で暗証番号を教えますので、暗証番号を入力すれば開きます。もし普通の鍵式だったら、午前中指定で鍵を送りますよ」
リサ「ふむふむ」
善場「但し、愛原所長と一緒に出掛けてもらいます」
リサ「それは面白そう!」
高橋「あんまり先生のお手間を取らすんじゃねーぞ?」
リサ「お兄ちゃん」
高橋「ねーちゃん、先生はどうした?」
善場「緊急保護者会が緊急中止となった為、その善後策を練っているところです」
高橋「な、なに!?」
リサ「モールデッドが現れたんだから、そりゃ無理でしょ」
高橋「な、何があったんだよ?」
[同日15時00分 天候:曇 同地区内 愛原家1階ガレージ]
リサは昼食に、パールが作ったサンドイッチを食べた。
そして、3時のおやつという時間、愛原を迎えに行ったパールの車が戻ってきた。
リサがガレージまで迎えに行くと、車から愛原が降りて来た。
リサ「先生、お帰り~!」
愛原「ああ、ただいま」
リサ「緊急保護者会、どうだった?」
愛原「どうもこうも……だな」
リサ「うん?」
すると、エレベーター横のインターホンが鳴った。
リサ「はいはい」
リサが受話器を取ると、高橋からだった。
高橋「先生はお疲れなんだ。くっちゃべってねーで、早いとこリビングに御案内しろ」
リサ「分かってるよー」
リサは電話を切った。
リサ「お兄ちゃんが、コーヒーでも入れて待ってくれてるみたいだよ?」
愛原「あー、そうかい。取りあえず、上に上がるか」
リサ達はエレベーターに乗り込んだ。
それで3階に向かう。
高橋「先生、お帰りなさい!」
愛原「ああ、ただいま」
リサ「それで、学校の方はどうだったの?」
因みにリサ、今は体操服にブルマではなく、白いTシャツに黒い短パンというシンプルな恰好だった。
愛原「上野高校での緊急保護者会は無理だと判断された。まず、体育館が使えない。今、BSAAがやってきて、体育館に立てこもっているモールデッドの掃討作戦を行っている。リサに襲い掛かったモールデッドが潜んでいた宿泊施設は汚染されていて、とても使える状態じゃない。そういったことから、モールデッドが逃げ込んだダクトも汚染されていると思われる。除染が完了しない限り、体育館は使えないと見ていいだろう」
リサ「それじゃあ……」
愛原「緊急に池袋高校の体育館を借りようかと思って照会したが、明日はバスケットの試合で使うとかで断られた」
リサ「中等部の体育館を借りる」
愛原「それも照会したが、墨田中学校もまたバレーボールの試合で使うからダメだと断られた」
リサ「タイミング悪いねぇ……。もうオンラインでやるしかないじゃん」
愛原「そうだな。そうなると、もう俺の出番は無い」
リサ「あー……」
愛原「結局、校長先生が状況を説明して、あとは質疑応答するだけだから」
リサ「そうだよねぇ……」
愛原「月曜日にプリントが配られて、それからだろうさ」
リサ「ふむふむ。尚更わたしは月曜日に登校しないといけないわけだ」
愛原「まあな。それで、オマエは?リサはリサで、何か善場係長と話をしたのか?」
リサ「明日、制服を取りに来てもらうって」
愛原「そうなのか」
リサ「先生と一緒に!」
愛原「んん?」
リサ「善場さんが新橋駅のコインロッカーに、私の新しい制服を入れておくから、取りに行けだって」
愛原「随分面倒臭いことするなぁ……。あれ?でも、鍵とかはどうするんだ?」
リサ「後で暗証番号を教えてくれるらしいよ?」
愛原「ああ、そうか。今はSuicaとか暗証番号で開ける方式だもんな。まあ、いいか。それで、汚れた方の制服はどうした?」
血だらけになった方は、さすがに廃棄処分である。
しかし、ただの廃棄処分ではなく、リサの血を多分に含んでいるので、ちゃんと焼却処分にしなければならないので、デイライトを通してBSAAに引き取ってもらっている。
特異菌のカビが染み付いた方の制服は、クリーニングに出しておいた。
最近の調べでは、モールデッドから攻撃を受けるなどの直接的な接触が無い限りは、感染するわけではないことが分かっている。
ただ、クリーニング店でも行われている特殊な染み抜きをする必要がある為、料金はかなり掛かったらしいが。
リサ「……ということなの」
愛原「それでも、クリーニング店で対応してくれるんだねぇ……」
愛原は特異菌の黒カビで汚れた制服も廃棄処分になるかと思いきや、それは免れたことで逆に驚いた。
リサ「見た目は普通のカビだからね」
愛原「そりゃそうだ」
だから、旧校舎の黴臭さも、普通のそれだとずっと思われていたのだ。
愛原「カビキラーが普通に効くくらいだもんな」
リサ「そうそう」
後から上がって来たパールが言った。
パール「ただ、急ぎでは依頼しませんでした。高校は5月からもう夏服になるという話じゃないですか」
愛原「あ、そうか。もう、あと10日くらいだもんな、どうせ」
パール「はい。なので、カビの染み抜きだけお願いしました。これが伝票です」
愛原「ああ、分かった。パールが立て替えてくれたんだな。後で精算するよ」
パール「ありがとうございます」
厳密に言えば、登下校の際のブレザー着用が自由化されるということだ。
ネクタイやリボンの着用も、自由化される。
また、スラックスやスカートも、夏用の物を穿いても良いことになる。
尚、ポロシャツに関しては盛夏用なので、もっと暑い時季になってからの解禁だ。
夏服用のブラウスやスカートに関しては、何の汚損も無いので、あと10日ほど持たせればOKということになる。
愛原「じゃ、明日、制服取りに行くか」
リサ「わぁい」
高橋「俺が車出しましょうか?」
愛原「せっかくの日曜日なんだから、お前もパールとゆっくりしてていいぞ」
高橋「あざーす」
リサを乗せたデイライトの黒いセレナは、無事、愛原家に到着した。
例によってまたガレージが空いていたので、車はそこにバッグで入る。
そして、車止めにタイヤが当たる衝撃がしたところで、運転役の善場の部下は車を止めた。
部下「到着しました」
善場「ありがとう。リサ、着きましたよ」
リサ「はーい」
リサが内側から開けようとしたが、助手席に座っていた善場が降りて、外からスライドドアを開けた。
善場「できれば今日、明日は家で大人しくしていた方がいいですね」
リサ「えーっ、明日も~?」
善場「明日には新しい制服を……。外出したければ、制服に取りに行ってもらいましょうか」
リサ「ほお?」
善場「新橋駅のコインロッカーに、あなたの新しい制服を入れておきます。明日、取りに行ってください」
リサ「鍵は?」
善場「一応、ICカード式のコインロッカーにするつもりです。それだと、後で暗証番号を教えますので、暗証番号を入力すれば開きます。もし普通の鍵式だったら、午前中指定で鍵を送りますよ」
リサ「ふむふむ」
善場「但し、愛原所長と一緒に出掛けてもらいます」
リサ「それは面白そう!」
高橋「あんまり先生のお手間を取らすんじゃねーぞ?」
リサ「お兄ちゃん」
高橋「ねーちゃん、先生はどうした?」
善場「緊急保護者会が緊急中止となった為、その善後策を練っているところです」
高橋「な、なに!?」
リサ「モールデッドが現れたんだから、そりゃ無理でしょ」
高橋「な、何があったんだよ?」
[同日15時00分 天候:曇 同地区内 愛原家1階ガレージ]
リサは昼食に、パールが作ったサンドイッチを食べた。
そして、3時のおやつという時間、愛原を迎えに行ったパールの車が戻ってきた。
リサがガレージまで迎えに行くと、車から愛原が降りて来た。
リサ「先生、お帰り~!」
愛原「ああ、ただいま」
リサ「緊急保護者会、どうだった?」
愛原「どうもこうも……だな」
リサ「うん?」
すると、エレベーター横のインターホンが鳴った。
リサ「はいはい」
リサが受話器を取ると、高橋からだった。
高橋「先生はお疲れなんだ。くっちゃべってねーで、早いとこリビングに御案内しろ」
リサ「分かってるよー」
リサは電話を切った。
リサ「お兄ちゃんが、コーヒーでも入れて待ってくれてるみたいだよ?」
愛原「あー、そうかい。取りあえず、上に上がるか」
リサ達はエレベーターに乗り込んだ。
それで3階に向かう。
高橋「先生、お帰りなさい!」
愛原「ああ、ただいま」
リサ「それで、学校の方はどうだったの?」
因みにリサ、今は体操服にブルマではなく、白いTシャツに黒い短パンというシンプルな恰好だった。
愛原「上野高校での緊急保護者会は無理だと判断された。まず、体育館が使えない。今、BSAAがやってきて、体育館に立てこもっているモールデッドの掃討作戦を行っている。リサに襲い掛かったモールデッドが潜んでいた宿泊施設は汚染されていて、とても使える状態じゃない。そういったことから、モールデッドが逃げ込んだダクトも汚染されていると思われる。除染が完了しない限り、体育館は使えないと見ていいだろう」
リサ「それじゃあ……」
愛原「緊急に池袋高校の体育館を借りようかと思って照会したが、明日はバスケットの試合で使うとかで断られた」
リサ「中等部の体育館を借りる」
愛原「それも照会したが、墨田中学校もまたバレーボールの試合で使うからダメだと断られた」
リサ「タイミング悪いねぇ……。もうオンラインでやるしかないじゃん」
愛原「そうだな。そうなると、もう俺の出番は無い」
リサ「あー……」
愛原「結局、校長先生が状況を説明して、あとは質疑応答するだけだから」
リサ「そうだよねぇ……」
愛原「月曜日にプリントが配られて、それからだろうさ」
リサ「ふむふむ。尚更わたしは月曜日に登校しないといけないわけだ」
愛原「まあな。それで、オマエは?リサはリサで、何か善場係長と話をしたのか?」
リサ「明日、制服を取りに来てもらうって」
愛原「そうなのか」
リサ「先生と一緒に!」
愛原「んん?」
リサ「善場さんが新橋駅のコインロッカーに、私の新しい制服を入れておくから、取りに行けだって」
愛原「随分面倒臭いことするなぁ……。あれ?でも、鍵とかはどうするんだ?」
リサ「後で暗証番号を教えてくれるらしいよ?」
愛原「ああ、そうか。今はSuicaとか暗証番号で開ける方式だもんな。まあ、いいか。それで、汚れた方の制服はどうした?」
血だらけになった方は、さすがに廃棄処分である。
しかし、ただの廃棄処分ではなく、リサの血を多分に含んでいるので、ちゃんと焼却処分にしなければならないので、デイライトを通してBSAAに引き取ってもらっている。
特異菌のカビが染み付いた方の制服は、クリーニングに出しておいた。
最近の調べでは、モールデッドから攻撃を受けるなどの直接的な接触が無い限りは、感染するわけではないことが分かっている。
ただ、クリーニング店でも行われている特殊な染み抜きをする必要がある為、料金はかなり掛かったらしいが。
リサ「……ということなの」
愛原「それでも、クリーニング店で対応してくれるんだねぇ……」
愛原は特異菌の黒カビで汚れた制服も廃棄処分になるかと思いきや、それは免れたことで逆に驚いた。
リサ「見た目は普通のカビだからね」
愛原「そりゃそうだ」
だから、旧校舎の黴臭さも、普通のそれだとずっと思われていたのだ。
愛原「カビキラーが普通に効くくらいだもんな」
リサ「そうそう」
後から上がって来たパールが言った。
パール「ただ、急ぎでは依頼しませんでした。高校は5月からもう夏服になるという話じゃないですか」
愛原「あ、そうか。もう、あと10日くらいだもんな、どうせ」
パール「はい。なので、カビの染み抜きだけお願いしました。これが伝票です」
愛原「ああ、分かった。パールが立て替えてくれたんだな。後で精算するよ」
パール「ありがとうございます」
厳密に言えば、登下校の際のブレザー着用が自由化されるということだ。
ネクタイやリボンの着用も、自由化される。
また、スラックスやスカートも、夏用の物を穿いても良いことになる。
尚、ポロシャツに関しては盛夏用なので、もっと暑い時季になってからの解禁だ。
夏服用のブラウスやスカートに関しては、何の汚損も無いので、あと10日ほど持たせればOKということになる。
愛原「じゃ、明日、制服取りに行くか」
リサ「わぁい」
高橋「俺が車出しましょうか?」
愛原「せっかくの日曜日なんだから、お前もパールとゆっくりしてていいぞ」
高橋「あざーす」
私もビックリしましたよ。
最初はこの暑さでレールが歪んで、それで脱線しちゃったのかなと思っていたのですが、だいぶ変わりましたね。
で、作業員2人が軽傷という話が、最終的には、「1人は首の骨を折る重傷」だったそうじゃないですか。
あれにもビックリしましたね。