報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「東京中央学園墨田中学校体育祭」

2023-02-07 20:17:48 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月9日15時00分 天候:晴 東京都墨田区某所 東京中央学園墨田中学校]

 私の名前は愛原学。
 都内で小さな探偵事務所をやっている。
 今日は東京中央学園の中等部に来ていた。
 実は複数の学校を持つ学校法人東京中央学園では、体育祭などのイベントをずらして行っている。
 上野高校は10日であるが、墨田中学校は9日である。
 尚、商業科と工業科の池袋高校は8日だというが、池袋高校とは全く接点が無いので、ここでは省く。
 私が全く接点が無いせいか、リサ率いる『魔王軍』も空白地帯であり、その為、そこではブルマが一切復活していない。
 では何故、私が墨田中学校にいるのかというと、上野凛の妹である上野理子と、栗原蓮華の妹である栗原愛理がこの中等部に通っているからである。
 尚、リサは前日まで体育祭の練習があるとかで上野高校に行っている為、この場にはいない。

 愛原「やあ、お疲れ様」

 私は上野高校のPTA会長代行として、手伝い要員としてやってきた。
 他にも高等部から、生徒の兄姉などが手伝いに来ている。
 上野凛や栗原蓮華もその1人だった。
 上野凛は『魔王軍』の『四天王』だからブルマを穿いているが、同じく『魔王軍』に入っている理子も中等部用のブルマを穿いている。

 

 但し、そうではない愛理は短パンである。
 それでも、上野高校よりは少ないものの、ブルマが少々復活していたことには驚きだった。
 確かに理子以外にも『魔王軍』に入っている者はいるそうだが、数える程度しかいないとのことだったが……。
 意外なのは、『魔王軍』でもない栗原蓮華が高等部用のブルマを穿いていることだった。

 愛原「無事に終わったようで、何よりだね」
 凛「着替えておいで。私達は片づけ手伝うから」
 理子「うん」
 蓮華「さて、片づけ手伝うか。片足義足だからって、ナメんなよ?」
 凛「頼もしい限りです」

 さすがに片づけをする時には、ジャージのズボンを穿く。

 愛原「それにしても蓮華さん。『魔王軍』でもないのに、どうしてブルマを?」
 蓮華「あら?愛原先生は、ブルマがお好きだと、あなたの人食い鬼が言っていましたよ?」
 愛原「あいつ、学校でそんな噂を?」
 凛「まあ、『魔王軍』では公然の秘密って感じですね。私は元々陸上部ですから、ユニフォームよりも露出は少ないと思いますけど」
 蓮華「愛原先生にはお世話になりましたし、その細やかな御礼です」

 蓮華はそう言うと、ジャージを少しだけ脱いで見せた。
 左足の義足が、傾いた太陽の光に反射して輝いている。

 愛原「お気遣い、ありがとう。蓮華さんも似合うよ」
 蓮華「ありがとうございます」
 愛原「剣道着姿も似合うと思うけどね」
 蓮華「今度、道場に来てください。お見せしますよ。……あ、あの人食い鬼は連れて来ないでくださいね。私でなくても、鬼斬りの皆が首を刎ねに行きますよ?」
 愛原「分かった分かった」
 凛「先輩、早く手伝ってください」
 蓮華「分かってるって!」
 凛「リサ先輩、蓮華先輩に、『義足女のブルマ姿なんて、誰も喜ばない』と言って、先輩に追い回されたんです」

 学校の中で、ブチギレた鬼斬りに追い回される人食い鬼。
 想像するだけでシュールだ。

 愛原「俺からリサにはよく言っておくから、蓮華さん、何とか収めてくれないかな?」
 蓮華「愛原先生に言われては、仕方が無いですね。でも、何度もは勘弁ですよ?」
 愛原「分かってるって」

[同日18時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原のマンション]

 愛原「ただいまァ」
 高橋「先生、お帰りなさい。PTAの仕事、お疲れ様です」
 愛原「ああ。何の報酬も無いがな」
 リサ「えー?PTAはお弁当が出て、お茶飲み放題って聞いたよ?」
 愛原「でも、それだけだって」
 高橋「そうだぞ、リサ?カネにならなきゃ、あんなのやってられねーってんだ。それを愛原先生はやっておられる。実に素晴らしい!」
 リサ「『魔王軍』のブルマ姿、どうだった?」
 愛原「見た目が普通のコでも、ブルマだと途端に可愛く見えるから不思議だよな」
 リサ「なるほど。そういうものか」

 そういうリサも、今は体操服にブルマ姿である。
 但し、学校指定の緑ブルマは明日の体育祭で使用する為、今は学校用ではない紺色ブルマを穿いている。
 これは絵のモデル用兼見せパン用に購入したものであるが、コスプレ用ではなく、一応学販品である。

 愛原「一応、学校指定の緑色では統一されているようだけど、一度廃止されたものの復活だから、やっぱりちょっと色合いとかがバラバラだよな」

 それはリサの高等部でも同じことが言える。
 一応、『魔王様』のお膝元ということもあり、リサが購入した物と同じ物で統一しようという動きはあるのだが、そもそも在庫希少だったり、通販品でも入手困難だったりするので、なかなか揃わないのが実情だ。
 中等部のコに聞くと、ぎりぎりブルマが現役だった頃に通っていた従姉がまだ持っていたので、そのお下がりをもらったというコもいた。
 別に、新品の短パンなら余裕で買える家庭のコが、である。
 タグを見ると、メーカーはアシックスのようであった。
 そこなら、今でも女子陸上用のレーシングブルマを生産しているので、東京中央学園用として特注すれば、再生産してくれるかもしれない。

 リサ「そこが問題。本当に復活させるには、短パンのように、大量生産してくれないと」

 恐らくこのムーブメントは、リサが在学中だけのことだろう。
 全校の女子生徒が全員ブルマを着用するようになれば、考えてくれるメーカーも現れるのかもしれないが、上野高校だけでも全女子生徒の3分の1(この全員が『魔王軍』というわけではない)しかブルマを着用していない。
 ましてや、中等部はもっと少ない。
 んでもって、池袋高校では皆無。

 愛原「まあ、頑張ってくれとしか言いようがないな」
 高橋「3分の1達成した時には先生、リサにフレンチ・キスをしてやったそうですね?」
 愛原「は、はは……。変な約束しちゃったよ」

 日本語では『軽いキス』という意味で使われるが、本来はディープ・キスの意味で使われるのだそうだ。

 高橋「それなら先生、3分の2達成した暁には、ディープ・キスしてやり、全員達成の暁には、念願のセックスってのはどうっスか?ヒック!」
 愛原「オマエ、酔っ払って適当なこと言うな!」

 ……っと、俺もか。

 リサ「さ、3分の2でディープキス……全員にブルマ穿かせたら、ついに先生と初エッチ……!」

 リサ、興奮して、第1形態に戻ってしまった。

 愛原「リサ!真に受けるな!高橋のヤツ、酔っ払って適当なこと言ってるだけだ!!」

 3分の1達成の時でさえ、生徒会長が飛び降り自殺を図るなどの死人が出ているのだ。
 ましてや、そんな大それた誓願を達成させようものなら、リサのヤツ……。

 リサ「『流血の惨を見る事、必至であります』!」
 愛原「やっぱりぃぃぃぃ!?いいんだ、リサ!無理するな!3分の1達成だけでも十分だ!」

 私はリサの興奮を抑える為、なかなか夕食に有りつくことができなかった。
 で、高橋には後でみっちり説教してやったのだった。

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