報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

思わせぶりにして……。

2013-11-19 19:34:25 | 日記
[20:30. JR仙台駅西口付近 ユタ、威吹、マリア、藤谷(父親)]

 ユタ達を乗せた車は、仙台駅西口ロータリー前の交差点で止まった。信号待ちである。
「そうだ。西口と言ってもまだ広いから、もう少し待ち合わせ場所を絞っておこう」
 ユタはそう言うと、自分のスマホを出した。
「あ、もしもし。イリーナさんですか?稲生ですけど……。もうすぐで仙台駅の西口に着きます。そうですね。今、宮城交通が曲がって行ったと思うんですけど……。え?宮城交通です。いや、宮崎交通じゃないですよ。九州じゃあるまいし……。え?なにって、宮城県仙台市……は!?違う!?」
 ユタのやり取りを見て、威吹とマリアは眉を潜めた。
「えー……」
 助手席に座っているユタは、信じられないといった顔でリアシートの妖狐と魔道師を見た。
「思いっきり間違えたみたいです」
「間違えた?」
 威吹は目を丸くした。
「イリーナさんは、全部解決したそうです。イリーナさんは、鹿児島県川内(せんだい)市にいたんです。宮城県仙台市ではありません」

 ズコーッ!!

「くぉらっ!こりゃ一体、どういうことだ!?」
 威吹はマリアに詰め寄った。
「そ、そういえば師匠、『何かあったら、後であなたも来て』って、交通費を渡してくれた……」
「それが、あの10万円だったんですか。だから言ったんですよ。これ、鹿児島まで行けそうな額ですねって」
 本当に鹿児島方面を意識していたのだった。
「はっはっはっ。ヒドい勘違いだったねー」
 藤谷の父親、藤谷秋彦は笑いながら言った。そして車を駅の車寄せに止めた。
「笑いごとじゃないですよー」
「くそっ!また振り回されたーっ!!」
 威吹は頭を抱えた。
「で、どうするの?帰る?」
「一泊してから帰ります。グスン……」
「じゃあ、今からホテルの予約取ってあげるよ。稲生君は帰りの新幹線の予約でも取ってきたら?」
「そうします」
「ボクも……」
 ユタと威吹は車を降りて駅構内へ。マリアは半泣き状態で、水晶球(屋敷常備用のバレーボールサイズではなく、携帯用のテニスボールサイズのもの)を使い、師匠と詳細な連絡を取った。

[22:00.仙台市内のホテルの大浴場(男湯でスマソ) ユタ、威吹]

「あー、ヒドいオチだった!」
「まあ、ケンショーレンジャーも退治できて、何気に罪障消滅できちゃったけどね」
 威吹は銀色の髪をかきむしりながら、苛立っていた。ユタは、もはや苦笑いするしか無かったという。
 最近のビジネスホテルは、大浴場を兼ね備えていることが多い。藤谷秋彦の同級生がチェーン・ホテルの重役で、その人に頼んだという。
「それにしても……」
「ん?」
 部屋で着物から館内着(作務衣)に着替えた時には気が付かなかったが、威吹の白い背中には無数の小さな切り傷やひっかき傷の痕が見て取れた。
「すごい傷痕だねぇ……」
「ああ。こう見えても、封印前などは修羅場を相当潜り抜けたもんさ。ここは平和でいいねぇ……」
「その平和を乱すケンショーレンジャーがね……」
「まあ、登場する度に段々面倒になってきてるっぽいけど、また何とかするさ」
「警察に逮捕されたはずだよなぁ……」
 脱衣所内にあるテレビではちょうどニュースをやっていて、ケンショーレンジャーが逮捕されたことを報道していた。
「また『御仏智』だとか『御守護』だとか抜かして、脱獄するだろうなぁ……」
「そ、そうだろうね。その時は斬り捨てていいかい?」
「まあ、待ちなよ」
 さすがに許可するわけにはいかないユタだった。

[22:30.客室フロア ユタ、威吹、マリア]

 エレベータを降りるユタと威吹。
「ユタは牛乳飲まないんだ?」
「いやあ、何か飲んだ後、腹の具合が悪くなって……」
 などと話す。
「マリアさんはもう寝てるかな?」
 ユタは何となく言った。すると威吹はニッと笑った。妖狐ならではの鋭い犬歯が覗く。
「ははっ、寝込みなんか襲いにいったら、あのミクとかいう人形にブッ殺されるよ?」
「いや、そうじゃなくてさ……」
「風呂には入りに行ったみたいだけど、体調不良だろ?もう寝てるんじゃない?」
「そうかぁ……」
 と、その時だった。
「あっ、マリアさん」
 ユタ達と隣の部屋に入ろうとしたマリアと会う。
 ユタと威吹は同室だが、マリアは隣のシングルだ。
「あなた達も風呂上りか……」
「明日は10時21分の新幹線なので、少しゆっくりめに起きてもらって構いませんよ」
「ああ、すまない」
「体の具合はどうですか?」
「……もう少し休んでからだな」
「無理しないでくださいね」
「! ……ありがとう」

[22:45.ホテルのツインルーム ユタ、威吹]

「ユタ、ボクも何か疲れたから、そろそろ寝ていいかい?」
「そうだな。寝よう寝よう」
 消灯する。もちろん部屋は暗くなるわけだが、威吹の金色の瞳は暗闇の中、ボウッと光る。
 最初はビックリしたものだ。今でも不気味さは変わらないが、さすがにもう慣れた。
「ユタ、あの女の色香に惑わされるなよ?」
 布団に入ってから、威吹は言った。
「え?」
「風呂上りに、地味に色香を漂わせていた。あれが偶然だと思うかい?多分、ユタを狙ったな」
「考えすぎじゃない?」
「マリアが生粋の人間の女だったら、ボクは何も言わない。むしろ、せっかくだからユタとくっつけたいと思う。けど、あいつは人間を辞めた魔道師だ。人間とも妖怪とも相容れない存在だよ」
「……威吹は、もしも僕とマリアさんが一緒になったら都合の悪いことでもあるの?」
「都合云々じゃない。ユタの安全の為だよ。もしどうしても都合云々って言うのなら、少なくともボクは得しない。むしろ、いつあいつが敵に回るか警戒し通しだから、その分、無駄な労力は増えるだろうね。ユタだって分かってるでしょ?あいつは1度、君を魔術の実験台にしようとしたくらいだぞ?」
「あれは僕は悪かったんだよ。あれさえしなけれぱ、彼女は何もしなかったはずだ」
「ユタ、君は生粋の人間なんだし、生粋の人間の女で代替してくれよ。何だったら、ボクが何人でも引っ張ってくるからさ」
「……そこまで威吹の世話にはならないよ」
 ユタはそう言うと、頭から布団を被った。
「おやすみ」
 これ以上、威吹と話をする気は無いと言わんばかりだ、
「……おやすみ」
 威吹も諦めることにした。
(獲物取扱規定では……。いや、そんなもの無くたって、例え“獲物”が最悪の選択肢を選んでしまったとしても、その被害・損害を皆無もしくは最小限に食い止めるのは“盟約者”たるボクの役目……か)
 そして威吹は丸暗記した規定条文の中の一文を思い出した。
『……被害・損害を皆無若しくは最小限に食い止めるよう、最大限に尽力しなければならない。尚、明らかに近い将来、その事態が起こり得ると判断される場合には、可能な限り予防策を講じても良い
 威吹の心の中に、黒い考えが浮かんだ。その黒い考えとは……。

[同時刻 シングル・ルーム マリアンナ・ベルゼ・スカーレット]

 マリアは1番疲弊しているはずなのに、ベッドに入ってから寝付けなかった。別に、枕が変わると眠れないタチではない。
 魔道師になる前は、親友とよく互いの家に泊まったくらいだ。旅行なんかも一緒に行った。
 ライティング・デスクの椅子には、ミク人形が座っている。フランス人形は、再び屋敷に帰した。

『無理しちゃダメだよ。マリア、ただでさえ体弱いんだから』

 魔道師になっても、ただの人間だった頃の記憶は残る。アンジェラという名の亡き親友。これを男にすると、ユタのようになるのが不思議だ。
 無論、顔は全然似ていない。もう1度繰り返すが、性別も違う。
 しかし、性格や雰囲気が、死に別れた親友と被ってしまうのだった。
(アンジェラはいいコだったから、天国に行ったと思うけど……。私が魔道師になって、永遠に生き続けることになったと知ったら、何て言うだろう……)
* * *


 その夜、3人は変な夢を見た。

 ユタは威吹がマリアを斬り殺す所を離れた場所から見る夢。

 威吹はマリアを直接斬り殺す夢。

 マリアは威吹に斬り殺される夢だった。

 果たして、これは何の夢だったのだろう。

 ただの偶然?それとも……?
                              終
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ダラダラ続いてスマソ。

2013-11-19 16:06:03 | 日記
[19:30.戦闘場所から少し離れた所 ユタ、威吹、マリア]

「マリアさん、走れますか!?」
「き……気持ち悪い……」
「車でも拾えれば……。ん?ねぇ、ユタ!あれ見て!」
 威吹は、まるで乗り捨てられているかのように更地に停車しているタクシーを見つけた。
「おおっ、正に御守護だ!」
 ユタは歓喜して、タクシーに近づいた。
「すいません!乗せてくだ……って、あれ?誰もいない」
「なにっ!」
「どこに行ったんだろう……?」
「この車……」
 マリアは口元を押さえながら言った。
「来る時に乗ったのと同じ……」
「ええっ!?」
「うん……。間違いない」
「僕達を待っててくれたのかな……」
 しかしその時、誰も乗っていないはずの車が揺れた。因みにエンジンは掛かっていない。
「な、何だ!?」
 威吹はフンフンと鼻を鳴らした。そして、トランクを指さす。
「ユタ、ここから人間の匂いがする」
「何だって!?」
 威吹は無理やりこじ開けようとしたが、
「待って待って。確か、この車種だと、この辺に……」
 ユタは運転席のドアを開けた。そして、レバーを引く。
「開いた」
 果たしてトランクには、
「だ、誰だ、お前!?」
 両手両足を縛られ、猿ぐつわをされている中年男性がいた。
「大丈夫ですか!?」
 ユタは猿ぐつわを外した。
「た、助かったー!」
「もしかして……」
 マリアが相変わらず口元を押さえて言った。
「あなたがこのタクシーの運転手?」
「そ、そうです!」
「ええーっ!」

 そんなやり取りをしているのだから、いかにショベルカーの走行速度が遅いとはいえ、追いつかれそうなものである。
 運転手が無線で個人タクシー協会事務所や警察に電話している間、ユタ達はそんな話題をしていた。
「ここで連中を迎撃しようかと思ったが……。待てど暮らせど来ない」
 威吹は妖刀を鞘に収め、今度は脇差を抜いていた。人を斬る時は脇差を使う。
「何かあったのかな?」
「ミク、ちょっと見てきて」
 マリアはミク人形に命じた。ミク人形はコクっと頷くと、空中を浮遊して現場に向かった。
「何気に自爆してたりして」
「すいません。警察を呼びましたので、よろしいでしょうか?」
 本物の横田運転手が頭をかいて言った。
「運転手さん、ケガは?」
「無いです。でも一応、警察の方から救急車を呼ぶみたいで、病院に行くように言われました」
「そうでしたか」

 ミク人形が戻ってくる。
「どうだった?」
 ミク人形はマリアに耳打ちした。
「えっ?乱闘?」
「乱闘?」
 ユタと威吹は同時に首を傾げた。

[19:45. さっきの戦闘場所 ユタ、威吹、マリア]

「この野郎、やっと見つけたぞ!」
「この前、うちの講員にケガさせやがって!」
 ケンショーレンジャー達は、数人の男達に連れ去られようとするところだった。
「警察に突き出すからな!」
「あ、あの人は……」
 リーダーシップを発揮している壮年の男。体格などは、藤谷にそっくりな……。
「藤谷地区長!」
 ユタが声を掛けると、懐中電灯で照らされた。
「おおっ、稲生君!威吹君も一緒か!」
「何をしてるんです?」
「息子から電話があってね。こっちに君達が来て、おおかたケンショーレンジャー達と鉢合わせになるだろうから、何とかしてやってくれってさ。そこで君のケータイのGPSを追ってみたら、ここに来たじゃないか。横田君には大変な思いをさせてしまったがね」
「横田……君?」
「顕正会的には、まだ男子部所属になっているようだが、今ではうちの講員だよ」
「ええっ!?」
「藤谷さん!横田さん、向こうにいますよ!」
 藤谷地区長の下にいると思われる地区員がやってきた。
「横田繋がりで、横田理事に接近してみたら、まさか車ごと奪われるとはな……。今度こそ、会館ガサ入れだけでは済まんぞー」
「ちょっと待った!ボク達は藤谷親子に踊らされただけですか!?」
 威吹は開いた口が塞がらなかった。
「もう1つ!イリーナさんはどこ!?」
 そこへユタのケータイが鳴った。
「はい、もしもし?」
{「あっ、稲生君?あたし、イリーナだけど」}
「あっ、イリーナさん、どうも。あの、今どこですか!?」
{「どこって、センダイにいるよ。長野の屋敷に連絡したんだけど、マリア知らない?」}
「マリアさんなら、ここにいますよ」
{「あなた達、今どこにいるの?」}
「仙台ですよ。イリーナさんこそ、仙台のどこにいるんです?」
{「センダイ駅前よ」}
「分かりました。じゃあ、今から駅に行きますから。駅のどこで、待ち合わせしますか?……西口ですね。じゃあ、着いたらまた電話します。この番号でいいですね?……分かりました。失礼します」
 ユタは電話を切った。
「今から、駅に向かおう。イリーナさん、そこにいるって」
「全く。ボクは何回、この女達に振り回されればいいんだ?」
「まあまあ」
 ユタは威吹をなだめた。
「駅まで行くのかい?それじゃ、送って行こう」
「あ、すいません」
 藤谷地区長の誘導で、ゼロ・クラウンに乗り込む。
「この後、どうするの?今からなら最終の新幹線に間に合うけど?」
「ああ……。まずは、待ち合わせしている人に会ってから決めます」
「そうかい。もし市内に宿泊するんなら、私に連絡ちょうだい。私が顔を利かせるから」
「ありがとうございます」
 車は産業道路に出て、西の市街地へ向かった。

 この後、とんでもないオチが待っているとも知らず……。
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何か、Kレンジャーがモノホンの悪役になってるのが気になる。

2013-11-19 09:14:38 | 日記
 [19:00.仙台市東部 ユタ、威吹、マリア]

「ぇ怠惰の戦士、ぇケンショー・レッド!」
「新潟から来た強欲の戦士、ケンショー・ブルー!」
「暴食の戦士、ケンショー・イエロー!」
「色欲の戦士、ケンショー・グリーン!」
「嫉妬の戦士、ケンショー・ホワイト!」
 そして、キメポーズ!
「5人合わせて、ケンショー・レンジャーっ!!」
「はあ……」(脱力のユタ)
「相変わらず意味不明な……」(刀を持ったまま変顔になる威吹)
「…………」(目が点になるマリア)
 で、マリアが突っ込む。
「取りあえず……あと2人」
「ああっ!?何か文句あんのか?ああっ!?」(ブルー)
「7つの大罪の悪魔を模したのなら、あと2人。『憤怒』と『傲慢』が足りない」
「いいですかー?私達は悪魔ではないんですね。唯一、大聖人様の仏法を実践する仏弟子であります。見てごらんなさい。この荒れ果てた大地を。これ正に、地獄界の様相を呈しているのですね。逆縁怨嫉の故です。しかるに……」
 しかし、ユタはイエローの言葉を遮った。
「ふざけんな!」
「ああっ!?イエローセンセーはふざけてなんかいねーぜ!」
「ぇそうでしょ?ぇこれもひとえに、ぇ先生の御指導を拝しますとき……」
「ちょっと!考えたら分かるでしょ!東北の連中がケンショーに怨嫉したから、震災なんか起きたんじゃないの!何度も言わせないでちょうだい!ねぇっ!」
「……何かウザいので、倒してもいいか?」
 マリアがユタに聞いてきた。
「やっちゃってください!」
「でやーっ!!」
 先に威吹が斬り込んで行った。

[19:30.同場所 同メンバー]

「マリアさん?」
 マリアはミク人形の他に、1体だけフランス人形を召喚した。その人形は小さな体に不釣合いの人間サイズのレイピアを持っていた。
 屋敷の内外では、一気に10体もの人形を操ってなお余裕の様子だったが、今は違う。肩で息をしていた。
「……行って。一気にカタをつけて」
「大丈夫ですか、マリアさん?」
 ユタはふらつくマリアを支えた。
「バカだな。魔力が低下してるのに、遠くから人形を呼び寄せるからだ」
 威吹は侮蔑するようにマリアを見た。
 しかし人形達には影響は無いようで、元気に動き回り、ケンショーレンジャー達を倒して行く。
「はわわわ……」
「浅井、あとはお前だけだ!」
 ユタはイエローを睨みつけた。
「ちょっと!グリーン!アンタ、何とかしてアタシを逃がしなさいよ!何度も言わせないでちょうだい!」
「えー、では……。ケンショー・グリーン・ジャーンプ!」
 グリーン、マリアの横に着地する。
「!?」
「こんばんは。美しいお嬢さん。今宵もきれいな月夜ですね。しかし、あなたの美しさの前には霞んでしまう。嗚呼……」
 ※今夜は新月である。
「そんな月夜に、生き人形のごとく、お美しい貴女は……ハァ、ハァ……」

 ナデッ……。(興奮の横田、マリアの尻を撫でる)

あっ!?」
「ああっ!?グリーン、てめー、羨ましいじゃねーか!おい、そこのアマ!極上そうな処女【ぴー】に俺様の【ぴー】をブチ込ませやがれっ!ああっ!?じゃ、頼んます」

 ゴッ!(ミク人形に鈍器のようなもので後頭部を殴られるブルー)

「いてぇよぉ……クスン……」
 バタッと倒れて意識を失うブルーだった。

 グサッ!(フランス人形に、マリアの尻を触った右手をレイピアで貫かれるグリーン)

「お前は寝てろ!」

 ゴーン!(更にユタにコンクリート片で殴られるグリーン)

「先般の総かん……グフッ」
 やっと倒れるグリーン。
「大丈夫ですか、マリアさん!?」
「頭がクラクラする……」
「とにかくここは仕切り直しましょう。威吹、離脱しよう」
「そうだな」
 その時だった。

 ゴゴゴゴゴゴゴという大きなエンジン音が聞こえる。

「げっ!?」
 それは大きなショベルカーだった。
「見てごらんなさい。これぞ、我がケンショーレンジャーが誇る秘密兵器、ダイケンショー5であります。我々に残された時間は少ない。ホワイト、この私と異体同心にて、この怨嫉謗法者を倒して埋めるべきと思われまするが、どうでしょう?」
 パチパチパチパチ(ホワイトが1人だけ伏せ拝)
「ホワイトの決意、しかと伝わった!」
「何がだ!ただのショベルカーだろうが!!」
 しかし今、マリアが戦闘不能(人形に命令を与えることができない)とあっては、分がやや悪い。
「どうせ産業道路辺りに逃げれば、こっちのもんだ。どうせあのショベルカーじゃ、そんなにスピード出ないしな」
「離脱!」
 ユタ達はその場を離れた。
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