Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

新しい天体  開高健(新潮文庫)

2011年10月10日 | 本と雑誌
Hitorigaten

 「衣食足りて礼節を知る」という。瑞穂の国では量としての食糧は確保されているものの、その中身は安全・安心なものであろうか…
 年間約二千万トン以上を残飯として捨てている反面、今の食生活を国産で賄うとすると、2.5倍の耕地面積が必要と算出されている。
 大いなる矛盾を抱えた日本丸の舵取りには、一体どのような海図が必要なのだろうか…

○ベルグソン:生命力の減退は記憶力の減退からはじまりそれは固有名詞を忘れることからはじまる
○教えることはいろいろと教えてあげるけれど、カンジンのところは教えてあげない。これは教えてもわかるというものではなくて、あくまでも自分で苦労しておぼえなければどうしようもない
○この国を地ひびきたてて通過していくものは徹底的、平均的、無差別であり、全土すみずみまでをふるわせてやまないから、五年か十年そこらはなれていると、もう根がわからなくなってしまう
○男は、女たちに渡されないことには澄むことのできない何かを負わされて生まれてきたのであろうか
○ロダン:都会ハ石ノ墓場デス。人ノ住ムトコロデハアリマセン
○北の国の人は、読書人でもあるが座談の名手でもある。言葉使いはボキボキと剛直だが、かくし味が深く柔らかい
○ある種の人びとについては、その人格を"核心"とか、"根源"とかでまさぐろうとする美質よりは貧寒しか得られないことがある
○酒も、肉も、�撫も、香りも、くそくらえ、呑みこんで吐きだし、食べて流し、無に仕え無に捧げ飽満の瞬後に荒寥があった
○新しい天体の発見よりも人類の幸福にとって重要であり、不可欠であると全身の細胞がどよめいて叫ぶ御馳走があった

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