Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

後世への最大遺物 デンマルク国の話   内村 鑑三(岩波文庫)

2017年02月27日 | 
Hitorigaten
  Retirmentを来月に控え、後輩諸氏から「思い残すことなく語ってくれ」とのリクエストを受け、ハタトヨワリ本棚に目をやった時、視界に飛び込んできたのがこの一冊…
 三十数年前に購入したので表紙のパラフィン紙が赤銅色に色褪せていたものの、あっという間にこの小冊子の行間に吸い込まれていった…
 講演会を筆耕したモノであり、言うまでもなく、高い理想と深い洞察力をもって著されており、若い頃読了していたら、どの様な人生が拓けていたのだろうかと、感慨に耽る今日この頃である…

〇私の名誉を遺したいというのではない。ただ私がドレほどこの地球を愛し、ドレだけこの世界を愛し、ドレだけ私の同胞を思ったかという記念物をこの世に置いて往きたいのである。すなわち英語でいうMementoを残したい
○ハーシェル(天文学者):「この世の中を私が死ぬときは私の生まれたときよりは少しなりともよくして逝こうじゃないか」
○後世へのわれわれの残すもののなかにまず第一番に大切なものがある-何があるか、金です
○金よりもよい遺物は何であるかと考えて見ると、事業です。事業とはすなわち金を使うこと
○私はまだ一つ遺すものを持っています。何であるかというと、私の思想です
○すなわちこれを短くいいますれば、著述するということと学生を教えるということです
○山陽:勤王論-「日本外史」、「われは今世に望むところはないけれども、来世の人に大いに望むところがある」
○ジョン・ロック:一個人というものは国家よりも大切なものである”Human Understanding”
→ ルソー、モンテスキュー、ミラボー → フランス大革命(1790) → 合衆国 → フランス共和国 → ハンガリア革命、イタリア独立 → 今日のヨーロッパを支配する人
○クラーク先生(札幌農学校):どういう力があったかというに、すなわち植物学を青年の頭の中へ注ぎ込んで植物学という学問のInterest を起こす力を持った人でありました
○先生になる人は学問ができるよりも-学問もなくてはなりませぬけれど-学問ができるよりも学問を青年に伝えることのできる人でなければならない。これを伝えることは一つの技術
○私が考えてみますに人間が後世に遺すもことができる、ソウしてこれは誰にも遺すことのできるところの遺物で、利益ばかりあって害のない遺物がある。それは何であるかならば勇ましい高尚なる生涯であると思います
○二宮金次郎:それだからもしわれわれがこの身を天と地とに委ねて天の法則に従っていったならば、われわれは欲せずといえども天がわれわれを助けてくれる
○人が右へ行こうというと左といい、アアしようといえばコウしようというようなふうで、ことに上州人にそれが多いといいます。武士の意地をわれわれから取り除けてしまったならば、われわれは腰抜け武士になってしまう
○徳川家康のエライところは、多い方はよろしいから、少ない方へ行って助けてやれといった。私の望むところは、少数とともに戦うの意地

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