Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

対話 人間の建設   岡潔 小林秀雄(新潮社)

2011年05月05日 | 本と雑誌

Hitorigaten

 2011.3.11、日本を襲った未曾有の大震災により失われた生命、財産、地縁、血縁や汚された大気、海洋、大地、食糧…
 最先端の科学、文明が瓦解した時、人は哲学、美学に戻り、道を再確認するのであろうか。
 半世紀近く前に著された、本書の頁を繰ると、将来にわたり荊の径を辿る大和人の「覚悟」が説かれているような…

○欧米の文明はギリシャから発したものですから、ギリシャをよく調べないとわからない
○芸術はくたびれをなおすもので、くたびれさせるものではない
○ローマ暗黒時代:政治を重んじ、軍事を重んじ、土木工事を求める-現代もそういう時代
○自然があるということを証明するのは、現在理性の世界といわれている範疇ではできない
○矛盾がないということを説得するためには、感情が納得してくれなければだめなんで、知性が説得しても無力なんです
○母親に抱かれた赤ん坊:自他の別なく、時間というものがない-本当ののどか-涅槃
○ヴィジョンの閃きを感じれば、それでいい
○人の頭には本能や欲情に対する自動調整装置は全然無いのですね。その代わり意識して自主的にそういうものを抑える力が大脳前頭葉に与えられているのです
○私は日本人の長所の一つは、時勢に合わない話ですが「神風」のごとく死ねることだと思います。あれができる民族でなければ、世界の滅亡を防ぎとめることはできないとまで思う
○理性というものは、対立的、機械的に働かすことしかできませんし、知っているものの順々に知らぬものに及ぶという働き方しかできない

○本当の心が理性を道具として使えば、正しい使い方だと思います。
○理性は全く純粋な意味で知らないものを知ることはできない

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