中小企業診断士 地域活性化伝道師のブログ

地域活性化を目指すプロフェッショナル人材をリンクさせイノベーションを目指す中小企業診断士、地域活性化伝道師です。 

設備投資における新たな変化

2014年11月15日 04時34分02秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書図 112-53 年齢 3 区分別人口の推移(1950 ~ 2013 年)を見ましたが、今日は37ページ「図 121-1 国内設備投資の今後 3 年間の見通し」をみます。

下表により今後3年間の国内における設備投資の見通しを見ると、主な業種ではいずれも前年と比較して「増加」させるとの傾向が強まっていることが分かります。

次に、国内設備投資の増加見通しの理由を見ると、単なる「能力増強」を挙げる回答が最も多く、4 割程度を占めていることが分かります。

白書はこの状況について、近年の設備投資の傾向としては、生産能力の拡大・増強を海外拠点で行う一方、国内拠点向けの設備投資は維持・補修が中心であった。

国内拠点においても能力増強の動きが出始めたことは、新たな変化として注目される。

この背景には、為替の円安方向への推移によって、本来は国内に向けられるはずだった海外生産・投資が見直され、国内と海外の生産・投資の役割分担が適正な方向に向かっていると評価できる。

国内生産の増加に伴って、生産設備及び生産能力に対して徐々に不足感が生じつつあるものと考えられる、とあります。

能力増強も重要ですが、私は、新製品・製品高度化の回答が増加している点に注目と期待をしてしまいますね!

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労働力の減少をいかにして補うか?

2014年11月14日 04時41分24秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書35ページ「図 112-49 対北米経常収支の推移」を見ましたが、今日は36ページ「図 112-53 年齢 3 区分別人口の推移(1950 ~ 2013 年)」をみます。

下表により人口推計を見ると、直近、2013年では、32年ぶりに生産年齢人口が8,000万人を割り込み、また老年人口(65歳以上)が全人口に占める比率が初めて25%を超えていることが分かります。

この状況について白書は、今後も少子高齢化と生産年齢人口の減少が見込まれる中、我が国全体の成長率を維持するためには、一人あたりの成長率を高めていくことが求められ、労働生産性を向上させることが必要となる。

労働生産性を高めるには資本装備率(労働者一人当たりの資本設備量)を上昇させることが重要であるが、一方では過度に資本蓄積を進めることは非効率・低採算の資本設備が投資される可能性もあり、人とロボットなどの最先端の自動化設備が棲み分け・協調した新たな生産プロセスの構築を通じて、労働生産性の上昇と効率性・採算性の確保を両立させることが望まれる。

また、生産年齢人口の減少が見込まれる中では、我が国のものづくりに携わる人材を確保する上で、女性や高齢者の参加を促すことも重要である、としています。

少子高齢化による労働力の減少をいかにして補うか、残念ながら、ものづくり白書にもその具体性は見当たらないですね。

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もはや、日本は加工貿易立国ではない!

2014年11月13日 04時54分11秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書35ページ「図112-48「特許等使用料」(収支)の地域別推移(アジア)」を見ましたが、今日は35ページ「図 112-49 対北米経常収支の推移」をみます。

下左図により対北米経常収支を見ると、貿易収支黒字と所得収支黒字がおおむね半々程度の比率で推移しており、高水準の経常収支黒字を支えており、リーマンショック後に大幅に減少した貿易収支黒字も再び増加基調にあることが分かります。

次に下右図により対欧州経常収支を見ると、リーマンショックまでは、貿易収支黒字と所得収支黒字が半々程度の水準であったが、リーマンショック及び欧州の財政危機に伴う景気の低迷により、貿易収支黒字が大幅に縮小し、直近2012年では貿易収支赤字に転じていることが分かります。

対北米経常収支について白書は、対北米の所得収支黒字4.0兆円の内、直接投資収益は1.0兆円であり、3.0兆円は証券投資収益が占めている。

但し、2012年の我が国の直接投資収益の総額約4.2兆円に対して2割弱程度の水準であり、自動車を中心とする北米における我が国の企業集積の厚さがうかがえる。

一方、対欧州経常収支については、2012年の対欧州の所得収支黒字3.0兆円の内訳は、直接投資収益0.5兆円に対して、証券投資収益2.5兆円であり、証券投資収益が対欧州経常収支黒字の柱であることがわかる、としています。

日本の貿易収支の大半が証券投資収益で稼いでいるという現状をみると、日本は、もはや加工貿易立国とは言えないという意見にうなずくしかないのですね。

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中国に続く第二、第三の柱を育てる!

2014年11月12日 04時31分34秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書34ページ「図112-46 対アジア経常収支の推移」を見ましたが、今日は35ページ「図112-48「特許等使用料」(収支)の地域別推移(アジア)」をみます。

下図により、サービス収支の内訳である「特許等使用料」の収支を見ると、2000 年以降順調に増加していることが分かります。

この状況について白書は、特許権などの使用料や経営指導料などが計上される、おり、我が国製造業のアジア地域への進出拡大などを反映したものと考えられるが、足下では頭打ち感も見られる、とあります。

中国が最も多くなっていますが、知的財産は日本の稼ぎ頭であることから、中国に続く第二、第三の柱を育てていくことが求められているのでしょうね。

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日本の貿易収支を支えているのは香港?!

2014年11月11日 04時11分40秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書34ページ「図112-45 経常収支の地域別推移」を見ましたが、今日は34ページ「図112-46 対アジア経常収支の推移」をみます。

下左図により、対アジア経常収支を見ると、近年は貿易収支黒字が減少しているが、所得収支黒字が横ばいで推移していることから、所得収支黒字の比率は徐々に拡大していることが分かります。

次に、上右図により、2012年の対アジア経常収支を主な国・地域及び項目別での分析を見ると、対香港、台湾、韓国では貿易黒字を計上したが、対中国、ASEANでは貿易赤字を計上していることが分かります。

これについて白書は、対アジア所得収支黒字2.3兆円の内、中国とASEANが1.7兆円を占めており、対香港、台湾、韓国では貿易収支で、対中国、ASEANでは所得収支で稼いでいることがわかる、とあります。

日本の貿易収支は中国がこれほど赤字で、香港に支えられているというのは知らなかったですね!

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中東への支出の大きさに驚く!

2014年11月10日 05時28分56秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書33ページ「図 112-44 主な産業の技術貿易における第三者からの受取額(2002年→ 2012年)」を見ましたが、今日は34ページ「図112-45 経常収支の地域別推移」をみます。

我が国が世界のどこで稼いでいるのかという観点から、経常収支を地域別に見ると、長年にわたり北米が最大の経常収支黒字を占めていたことが分かります。

仔細に見ると、新興国の経済成長に伴いアジアの比率は年々拡大し、リーマンショック後は米国の景気後退に伴って北米が大きく減少したため、アジアが最大となっています。

白書は、足下では経常収支黒字全体が減少する中、再び北米が最大の経常収支黒字の計上先となっている。

また、ピーク時からの減少幅が大きいのは欧州であり、2008年の9.4兆円から直近2012年には1.3兆円と急減している、としています。

それにしてもこの中東への支出の大きさをみると、何もない砂漠に超高層ビルが立つのも理解できますし、メタンハイドレートの開発が進み、エネルギーの自給自足が可能となる日本の将来にワクワクしますね!

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知的財産権の稼ぎ方は業種によって異なる!

2014年11月09日 05時20分22秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書32ージ「図112-42 「知的財産権等使用料」収支の推移」を見ましたが、今日は33ージ「図 112-44 主な産業の技術貿易における第三者からの受取額(2002年→ 2012年)」をみます。

下図により総務省「科学技術研究調査」を見ると、化学業界では海外にある自社の子会社・関連会社よりも第三者に対する技術輸出(特許、ノウハウなどの技術の提供)による受取額の割合が他の産業と比べて高いことが分かります。

これについて白書は、国内を拠点に第三者に対して技術ライセンスなどを積極的に行い、経営資源を獲得している様子がうかがえる。

一方、自動車業界については、海外生産を拡大させる中で、子会社からのライセンス料などの受取が増加しているが、第三者から受け取る比率は低く、また、エレクトロニクス業界では、特許権などの使用を相互に許諾するクロスライセンスが利用されるため、受取額自体が少ない傾向にあると考えられる、とあります。

どちらが良いわけではないと思いますが、知的財産権を用いた稼ぎ方は、業種によって異なった特色が見られることは分かりますね。

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ドイツは特許ではなくコンサルで稼いでいる!

2014年11月08日 05時08分14秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書31ページ「図112-39 サービス収支の推移」を見ましたが、今日は32ージ「図112-42 「知的財産権等使用料」収支の推移」をみます。

下図により、「知的財産権等使用料」収支を見ると、「著作権等使用料」が赤字である一方、「産業財産権等使用料」が黒字であり、かつ「産業財産権等使用料」の黒字が年々拡大することで、「知的財産権等使用料」の黒字拡大に寄与していることが分かります。

「知的財産権等使用料」は、特許権や意匠権などの産業財産権の使用料の他、ノウハウの使用料や経営指導料が含まれる「産業財産権等使用料」と、ソフトウェアや音楽・映像などを複製・頒布するための使用権料、著作物の使用料などが含まれる「著作権等使用料」から構成されます。

なお、この状況について白書は、我が国製造業の海外展開に伴う海外現地法人からの特許権等の使用料や経営指導料などの受取を通じて、「産業財産権等使用料」の増加に寄与していると推測される。

なお、ドイツは特許権などで稼ぐ割合が小さく、コンサルタント業などを含むとされる「その他営利業務」の黒字が大きく、サービス収支の稼ぎ方の違いが分かる、としています。

ドイツは特許ではなくコンサルタントで稼いでいるとは知らなかったですね!

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サービス収支の赤字は年々緩やかに縮小している!

2014年11月07日 05時35分09秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書30ージ「図112-37 海外での収益の使途」を見ましたが、今日は31ージ「図112-39 サービス収支の推移」をみます。

下図により、サービス収支の推移を見ると、直近2013年の赤字額は3.5兆円であり、2000年以降では1.8兆円縮小しており、サービス収支の赤字は年々緩やかに縮小していることが分かります。

この理由について白書は、この間の旅行収支の赤字改善額は2.4兆円であることから、サービス収支の改善には旅行収支が大きく寄与している。

2.4兆円に上る旅行収支の改善額の内、支払の減少が1.3兆円、受取の増加が1.1兆円であり、日本人の海外旅行の減少と外国人の国内旅行の増加が概ね同程度に寄与している、ということです。

ものづくりに関連する項目としては、「その他サービス収支」に含まれる「知的財産権等使用料」がありますが、これはどうなっているのでしょうか?明日、見ていきます!

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海外で稼いだ収益は国内に還元されている!

2014年11月06日 04時27分48秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書30ージ「図112-35 第一次所得収支の推移」を見ましたが、今日は30ージ「図112-37 海外での収益の使途」をみます。

昨日見た通り、海外現地法人の収益である「2013年の直接投資収益」は5.4兆円と年々拡大が続いています。

この5.4兆円の理由を見ると、我が国企業が海外で稼いだ収益6.6兆円から海外企業が我が国で稼いだ利益1.2兆円を差し引いたネットされた金額であるということです。

重要なのはここからで、我が国企業が海外で稼いだ収益6.6兆円の内、日本国内へ還元されたのは4.8兆円に留まり、1.8兆円は海外で再投資されている点にも留意が必要であるが、国内へ還元される金額は年々増加しているということです。

今、為替が円安になったにもかかわらず、なぜ輸出が増加しないのかがテーマになっていますが、これを読むと直接投資収益が間接的に影響していることが分かりますね!

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海外現地法人の収益を示す、第一次所得収支とは??

2014年11月05日 05時08分22秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書29ージ「図112-33 海外現地法人の現地化と逆輸入の進行」を見ましたが、今日は30ージ「図112-35 第一次所得収支の推移」をみます。

日本のものづくりの稼ぎ方は、従来の「国内生産・海外輸出型」から、市場に近いところで生産する、いわゆる「世界最適化生産型」へと変化しつつあり、こうした動きが今後進展するものと考えられます。この動きをみる指標として「第1次所得収支」があります。

第1次所得収支とは、企業が工場など海外現地法人を開設するために投資を行うと、対外直接投資として認識され、その海外現地法人の収益は直接投資収益として第一次所得収支に計上されます。

また、海外現地法人に対して特許権などの知的財産権の使用を認めると、その対価として日本の本社が受け取るロイヤリティはサービス収支に計上されます。

こうした動きを踏まえ、下図を見ると、海外資産の増加を背景に拡大基調が続いていることが分かります。

具体的に見ると、海外の株式や債券など有価証券投資に対する収益である「証券投資収益」が直近2013年では10.5兆円と全体の約6割強を占めているが、海外現地法人の収益である「直接投資収益」も5.4兆円と年々拡大が続いています。

こういう経済指標での分析がものづくり白書の特徴ですので、明日、もう少し詳しく見ていきます!

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株価が上がっても・・・

2014年11月04日 04時51分50秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書28ページ「図112-30 各製品向け部品メーカーの輸出の今後3年間の見通し」を見ましたが、今日は29ージ「図112-33 海外現地法人の現地化と逆輸入の進行」をみます。

下左図により、海外現地法人の現地化と逆輸入の進行(1987年→ 2012年)を見ると、一般機械、電気機械、産業機械のいずれも海外現地法人の現地化の進行は、日本からの仕入れ比率の低下という点にも反映されており、とりわけ「輸送機械」では他業種に比べて現地化が進んでいることが分かることが分かります。

次に、下右図により、海外設備投資の伸びを見ると、国内設備投資の伸びを大きく上回っており、製造業の海外展開が年々進行していることが分かります。

この状況について白書は、グローバル需要を取り込むための投資であるだけでなく、現地調達の進展、電気機器を中心とした日本に対する逆輸入の進展があり、こうしたことを背景に、為替が円安方向に推移したとしても、直ちに日本からの輸出が伸びるということに繋がりにくくなっている可能性がある、とあります。

先日のWBSで輸出は死語になりつつあると語っていた、まさにその翌日に、日銀が追加金融緩和を行い、株価暴騰と急速な円安を引き起こしています。

円安になっても輸出が伸びず収益が好転しない経営者の心境は、株価が上がっても本心から喜べないのではないか、そんな気がしますね。。。

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輸出は「増加」する見通し!

2014年11月03日 04時28分45秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書27ページ「図112-28 輸出の今後 3 年間の見通し」を見ましたが、今日は28ページ「図112-30 各製品向け部品メーカーの輸出の今後3年間の見通し」をみます。

下上図により、輸出見通しを各最終製品向けの部品メーカーごとに見ると、「電気機械向け」、「産業用機械向け」、「自動車向け」のいずれにおいても、輸出が「増加」するとの見通しが「減少」するとの見通しを上回っていますが、「自動車向け」の部品メーカーではやや見通しが弱いことが分かります。

次に、下左図により、輸出が増加する理由を見ると、「産業用機械向け」や「電気機械向け」では「海外新規顧客の開拓」との回答の比率が高いのに対して、「自動車向け」では「取引先の海外生産移管」との回答の比率が高くなっています。

さらに、下右図により、輸出が減少する理由を見ると、いずれの製品においても「取引先海外工場の現地調達への切り替え」の回答比率が最も高いが、特に「自動車向け」においてその比率が高いことが分かります。

白書はこの状況について、自動車のサプライチェーンでは、高付加価値部品の輸出は引き続きあるものの、それ以外の部品については、生産拠点の海外移転に伴い、海外への部品輸出が増加するという期待よりも、現地調達の増加による輸出減少を懸念する声が強まっている可能性がある、としています。

昨日と同様、為替レートは理由としては弱く、需要が優先されていることが分かります。このような状況下、海外現地法人の現地化の進行はどうなっているのでしょうか。明日、見ていきます!

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企業収益の源泉は為替ではなく個客ニーズである!

2014年11月02日 04時22分58秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書26ページ「先端素材の輸出力を維持する上での技術管理の重要性」を見ましたが、今日は27ページ「図112-28 輸出の今後 3 年間の見通し」をみます。

下左図により、今後3年間の輸出見通しを見ると、多くの業種において輸出が増加するとの回答が多いことが分かります。

下右図により、その理由を見ると、「為替レートの変化」が概ね約2割程度の回答にとどまるのに対して、「海外新規顧客の開拓」や「海外需要(既存顧客)の回復」を挙げる比率が約4~6割程度と高く、拡大する海外需要をうまく獲得しようとしている様子がうかがえることが分かります。

しかし、仔細に見ると、「輸送用機械器具」(自動車など)については、他業種と比べると相対的に見通しが弱い結果となっていることが分かります。

この理由について白書は、海外展開が進んでいる影響が反映された可能性があるとしている。

自動車のサプライチェーンでは、高付加価値部品の輸出は引き続きあるものの、それ以外の部品については、生産拠点の海外移転に伴い、海外への部品輸出が増加するという期待よりも、現地調達の増加による輸出減少を懸念する声が強まっている可能性がある、としています。

連日の大手企業の決算報告を見ていると、企業収益を左右するのは為替のように感じてしまいますが、企業収益の源泉は為替ではなく個客ニーズであるという、本来の姿勢を感じますね!

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”花形製品”と”金のなる木”という理想

2014年11月01日 05時21分37秒 | 2014年版ものづくり白書を読む!
おはようございます。株式会社リンクアンドイノベーション 中小企業診断士の長岡力(ながおかつとむ)です。

昨日は2014年版ものづくり白書24ページ「コラム 今後も国内での生産・輸出が期待される建設機械・工作機械」を見ましたが、今日は26ページ「先端素材の輸出力を維持する上での技術管理の重要性」をみます。

下図により、プラスチックの貿易収支の推移を見ると、1兆円規模の輸出超過(2013年は1.0兆円の黒字)で安定的に推移していることが分かります。

これについて白書は、化学製品の中でも黒字の割合が一番大きいのはプラスチックであるとあります。

プラスチックに分類される製品でも、ゴミ袋やレジ袋といったエチレン重合体製の袋は生産拠点の海外展開が進み、また、海外企業製品の競争力の向上により、輸入比率が8割を超えるなど輸入超過の状況にある。

その一方で液晶ディスプレイに使用される機能性フィルムは、輸出力を維持している。

その背景には、機能性フィルムを製造するメーカーが海外展開する際に、ノウハウが必要な機器や最先端素材を国内に残し、汎用機や汎用性の高い素材のみを現地に出していたり、原料を国内で混ぜた状態で現地の生産拠点に輸送するといった工夫をすることで、技術流出の防止に努めていることなどが挙げられる、とあります。

”花形製品”と”金のなる木”という成長性と付加価値が高い部分だけ国内に残すという、日本のものづくりの理想が液晶ディスプレイで実現しているとは知らなかったですね!

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