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草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 十三夜/龍峰

2022-11-07 | Weblog

              六甲山と茅渟の海の十三夜

今年の十三夜も最初は雨模様で気をもんだが、月が出始める頃には晴れ上がり、きれいな十三夜を愛でることができた。

 

        清光の雲居にあそぶ十三夜

        前線過ぐ天与の雅十三夜

        雨あがる我にツキあり後の月

 

        三更の街中白し十三夜

        歌仙揚ぐも興醒めやらず十三夜

        絵画談義果てなくつづく十三夜

 

        遠き日の姉の鼻唄「十三夜」

        宵張りの名残の月やドビッシー

        城落ちし能州の上(え)や十三夜

 

最後の句は上杉謙信が天正五年、能登の七尾城を9月13日に攻め落とし、陣中にて詠んだ漢詩「九月十三夜陣中作」を思い起こし、詠んだもの。

 

 


今日の俳句  木犀/九分九厘

2022-10-30 | Weblog

       

 

 妻の転倒事故で草若葉の投稿が大幅に遅れました。一段落ついた日曜日に、俳句を作ろうと考えましたが何も思いつきません。そこで、このひと月の間のことを俳句にしてみました。作ったあとの感想ですが、何か他人事のような第三者的な句となってしまいました。季語を入れるからこうなるのか分かりませんが、五七五の俳句がもつ特質なのでしょう。解釈は、読まれた方にお任せするに他ありません。

 

      行秋や老ひたる妻の声細し

      暮れの秋老いの介護のこと尽きて

      妻入院木犀匂ふ朝のこと

      心に忘れ物ありし神無月

      スマホ会話だけの夫婦忘れ花

      生き甲斐とははてなはてなと十一月

                        以上


今日の俳句:天高く:葉有露

2022-10-07 | Weblog

漸く、秋の入り口に来た感じの今日この頃です。暮らしに一層変化が乏しい日々の中、五・七・五の世界で何を表現できるでしょうか。

 ・励みなき身に来る秋やや浅し

 ・遅き秋虫の音今だとどかざり

 ・天高く動かざる心少し揺れ

俳句教室:兼題・秋高し・赤い羽根・新松子

 ・天高し普段の山も背伸びして

 ・秋高しつかれの取れし我が心

 ・赤い羽根駅頭の声おだやかで

 ・赤い羽根渡す指先ぎこちなく

 ・雷鳥の待ちかね馳走新松子


今日の俳句 月/龍峰

2022-09-28 | Weblog

          月の出

          満月

今年の中秋の名月は、月が出ても雲の中、やきもきしたが、のぼるに従い満月となった。写真は大阪湾の月、手前は神戸、向こう岸は生駒、泉洲方面。

中秋の前後の月を詠み、かつての句帳も広げて句を探した。

 

       むら雲におだやかならず小望月

       幾たびか外に出にけり望の月

       月白や六甲の山黒々と

       月出て雲の波間をわたり行く

 

       やうやうに綾雲抜けて月今宵

       月天心地(つち)に明りと茅渟の海

       村雨の上がりて庭の良夜かな

       十六夜や生駒あたりのほの明かし

 

       宵闇や泉州の灯の消えんとす

       瀬音聞く奈良井の宿の月明り

       旧道をそれて信濃の月の膳

       六甲の山一灯消ゆや寝待月


今日の俳句 敬老の日 / 九分九厘

2022-09-19 | Weblog

       

 

 今日は「敬老の日」の休日である。1966年に制定されたもので、老人福祉の充実と敬老精神の啓発を目的したものと言う。我々が20歳代のときで、その頃の老人は60歳代以上を指していたと思う。両親を含め、戦争の不遇時代を過ごされた人が多かった。今は少子高齢化の時代なので、「敬老の日」の意味を問い直す必要もある。(写真は夜明け直後の秋空、我が家の玄関先で撮影)

  今日の俳句は、私の日常生活の一部を描かせてもらいます。

      年寄りの日孤軍奮闘それ如何

      小鳥鳴く子供の増えし我等が街

      片陰を求めて軋む古カート

      インフレに実感ありし秋なすび

      打ち水や知るや知らぬの水道料

      台風来干上がる狭庭にお湿りを

      秋刀魚食ぶ太きが大事何事も

      夜の長く温故知新の読書かな

                          以上

                 


今日の俳句:爽やかに・葉有露

2022-09-10 | Weblog

今日十日は中秋の名月。                           昨夜、雲間の月を眺めていまたが、特別の感慨はありませんでした。季節感が合わないのか、世相が騒がしいからか。

とは言え我が町でも、月の輝きを感じることができます。大阪湾(茅渟の海)の海面を照らし出す月光です。高校が摩耶山麓にありましたので、遅く帰校するときこの風景を幾度も経験しました。

 

 ・月の照る茅渟の海を鏡とし

 ・鎌倉に大仏居ます爽やかに

 ・ごみ収集駆ける若者爽やかに

 ・我が家向け急ぐ肩先蜻蛉居り

 ・やんま釣り竿で大空かきまわす


今日の俳句 秋/龍峰

2022-09-02 | Weblog

               高岡大仏

 

先月長岡の花火の帰り、高岡の街を散策。高岡と言えば400年の歴史を誇る銅器づくり、全国の90%を占めるとか。加賀藩の城下町として栄えた、今に伝える古き街には貴重な情緒が漂う。

猛暑と言っていた今夏も、後半は雨模様、早くも家の周りには、秋の気配が感じられる。

 

       大仏に日の傾くや寺の秋

       青銅の店先昏し秋簾

       幾たびか頭上飛び交ふ去ぬ燕

 

       門を閉ず画家の庭越し青棗

       八十路越え太字の跳ぬや新豆腐

       山郭の空き地の天下男郎花

 

       天空に放つ音とや牽牛花

       鳴きいそぐ声日のかなた秋の蝉

       蜩や鳴きつる間にも時は過ぎ

 


今日の俳句 金魚 / 九分九厘

2022-08-27 | Weblog

         

 俳句は私の日誌みたいなものです。同じような日常が毎日続きますが、その中で生きている自分を「言葉」で表現するのに俳句は便利なものです。その時に咲いている花などを取り上げて、己を言葉で表すべく、俳句に身をあづけることになります。所詮、自分を美化したり揶揄したりしているのでしょう。

 このコロナ禍の八月末、訪れてきたのが睡蓮の花。これが睡蓮鉢に清々しく生気をもたらしてくれます。太陽があがると満開となり、午後の夕暮れには次第に花びらをしぼめていきます。それから、かれこれ20年近く60センチ水槽で金魚を飼っていますが、最近は水替えや餌やリを忘れてしまうことが多くなりました。生き物を飼うのはそろそろ止めねばなりません。今回は断片的ですが、私の日常を詠んでみます。

 

    浮き沈む金魚と私ふたつで一つ

     睡蓮やモネのラブラブ訪れり

    夏草に散歩の道を譲りけり

    遅咲きで花も小ぶりか百日紅

    秋暑しドップラーサイレン耳の底

    ばね指の痛みに注射敬老の日

    コーヒ豆価格上がりつ天高し

    秋鯖や出刃の片刃に人の知恵

    2キロ先七回裏の花火かな

                      以上

   

 

 


今日の俳句:秋の蝉・葉有露

2022-08-17 | Weblog

  前線が日本列島に居座り、季節感がおかしくなりそうです。俳句教室では、兼題が正確に出されますが、日々の生活実感とあわず困惑しています。

  俳句教室兼題:: 秋の蝉・流星・芙蓉

               午前五時律儀に仕事秋の蝉

  ・秋の蝉殻に行方を問ふてみる

  ・秋の蝉今の舞台が終の日か

  ・帰還せし流星土産謎に満ち

  ・酔芙蓉化粧鮮やか日暮れまで

  ・芙蓉見るその出会いにて別れたり


今日の俳句 花火/龍峰

2022-08-10 | Weblog
 
            長岡大花火大会
 
 
8月2日の夜、長岡の日本三大花火大会に出かけた。
折からのコロナ感染流行最盛期ではあったが、待ちに待った3年ぶりの大花火大会の誘惑に負け、一方ではコロナなんぞに負けてたまるかと、老いのカラ元気にムチ打って出かけた次第。本日現在発熱などはなく、クリア出来たかと。
 
長岡の大花火は古く、明治11年に花火350発上げられたのが始まりとか。戦後、大空襲からの復興をねがい、今日の花火大会が始まった。
長岡と言えば、上杉謙信に始まり、幕末の河合継之助の活躍、小林虎三郎の「米百俵」「食えないからこそ教育」は余りにも有名。また山本五十六も旧長岡藩士の六男として生まれた。他に多くの偉人が巣立っている。
 
花火大会は滔々と流れる信濃川、広大な河川敷を会場に、夜も更けかかるころから2時間、息つく間もなくスターマインなどの大玉の花火が連続で打ち上げられた。又川にかかる橋を舞台に壮大な仕掛け花火でナイヤガラの滝が出現した。
大観衆は一夜の一大ページェントに酔いしれた。
 注)スターマインとは連続発射の大型花火
 
    夏の夜に大輪重ぬ歓の声
    七色の花火広ごる信濃川
    息を呑む乱れ打ちなる揚げ花火
    川風のほほに次なる花火待つ
 
    スターマインや真昼をつくる大花火
    尺玉の花火越後を轟かす
    炸裂音連なる花火頭の上
    残像の残る静寂大花火
    信濃橋や仕掛け花火のナイヤガラ
 
    人豊かなる長岡や花火重し
    五十六と虎三郎や揚げ花火
    花火師とライト振れあふフイナーレは
    揚げ花火消えて夜深き越後かな