草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句  木犀/九分九厘

2022-10-30 | Weblog

       

 

 妻の転倒事故で草若葉の投稿が大幅に遅れました。一段落ついた日曜日に、俳句を作ろうと考えましたが何も思いつきません。そこで、このひと月の間のことを俳句にしてみました。作ったあとの感想ですが、何か他人事のような第三者的な句となってしまいました。季語を入れるからこうなるのか分かりませんが、五七五の俳句がもつ特質なのでしょう。解釈は、読まれた方にお任せするに他ありません。

 

      行秋や老ひたる妻の声細し

      暮れの秋老いの介護のこと尽きて

      妻入院木犀匂ふ朝のこと

      心に忘れ物ありし神無月

      スマホ会話だけの夫婦忘れ花

      生き甲斐とははてなはてなと十一月

                        以上

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6 コメント

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好きな句 (葉有露)
2022-10-31 21:38:43
九分九厘様

 俳句は生活日記だと、おしゃっています。
今回の六句はまさにそのものです。その中から、
奥様を思う句に集中させていただきました。

 ・行秋や老ひたる妻の声細し
 細くとも、絶えることなく続く強い存在です。

 ・妻入院木犀匂う朝のこと
 奥様と木犀が重なって存在続けています。奥様も、この匂いと共に朝食を取っているのでしょうか。
 
 ・スマホ会話だけの夫婦忘れ花
 この二人だけに通づる話の花でもありましょう。

               葉有露拝
 
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御礼 (九分九厘)
2022-10-31 23:14:59
葉有露さま
 御礼の一言だけです。有り難う御座います。
           九分九厘 拝
返信する
好きな句鑑賞他、お見舞い。 (かつらたろう(桑本栄太郎))
2022-11-01 16:31:39
九分九厘様

今晩は!!。
急激な冷え込み到来と降る雨に、今日は一気に色濃くなりました庭紅葉です。そのような折り、奥様が転倒事故との御由、草若葉の記事を見て驚いて居ります!!。入院もされたようですが、その後リハビリも進んで居られますでしょうか?年齢が進んでからの転倒事故は、寝たきりにもなる事も多いいと聞いて居り、大変案じて居ります。くれぐれもお大事になさって下さい。
さて、そのような中での生活よりの御句を以下の通り鑑賞させて頂きます。


    ☆行秋や老ひたる妻の声細し
晩秋の今頃の時季ともなれば、それでなくとも物寂しくなる折柄、転倒事故とは奥様も気弱になりがちですね?しっかりリハビリに励まれ又元のようにお出かけを!!。

    ☆暮れの秋老いの介護のこと尽きて
晩秋の時季のお互いに老いた身での介護は大変ですね?何をどう行おうかと思案の日々の事と拝察致します。
    
    ☆妻入院木犀匂ふ朝のこと
転倒事故は秋の最中の金木犀の香る朝の事であったようですね?毎年、金木犀の咲く時季ともなればこれからもいつも想い出される事でしょう!!。
   
    ☆スマホ会話だけの夫婦忘れ花
ご入院中の事でしょうか?それとも病院を退院されても、まだ歩けなく家の中で離れていてもスマホで要件を伝えられているのでしょうか?この様な現状の時にこそ、夫婦そろって元気な事の有難さが分かるようですね!!。
    
    ☆生き甲斐とははてなはてなと十一月
生きて居る以上、どのような年齢になっても「生き甲斐」は必要なようですね?人生は予想出来ない事の連続であるとしても、先々の予想を立てずに生きて行く事は難しい物ですね!!。
十一月ともなり、寒くなって来れば「身ほとり」の現象に意識が纏まって行くようですね!!。
返信する
御礼 (九分九厘)
2022-11-01 22:56:17
たろうさま
 ご心配をしていただき恐縮です。今年年末まで2ヶ月の入院予定です。リハビリに長期の入院となります。目下独り住まいです。こんな俳句を投句するのも如何なものかと分かりながら、あやさんの気持ちも今更ながら分かり、臆面もなく出した次第です。正月には無事な姿で退院して来ることを願っています。有り難うございました。
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好きな句 (龍峰)
2022-11-02 14:38:23
九分九厘様

奥様が入院されてからの経過は如何でしょうか?
一日も早く治癒が進み、平常にもどられることをお祈りします。

奥様の思わぬアクシデントで、日常生活が一変するその様が、作られた句ににじみ出ています。そして一瞬に変わってしまった生活に、気持ちが付いていけていないような、戸惑いが感じられます。
身につまされる思いで読ませて頂きました。

      行秋や老ひたる妻の声細し
現在読み進めている日本の詩歌、特に俳句について、その中でも秋の季語は、例外なく「ものの哀れ」を意味していると。
この句の場合、「おひたる妻」「声細し」のこの文言が「行秋」の「ものの哀れ」、即ち通奏低音に、具体的な哀れを倍加させているように感じます。
作者の哀れさと寂しさの強さが、よく出ている句のように思います。

      暮れの秋老いの介護のこと尽きて
この句も前句と基本的には同じく、「暮れの秋」の哀れさの上に、「老いの介護」を力の尽きるまで行った、心の折れそうな気持が合わさって、読む者には、哀れさが一層迫り、併せて我が身も例外なく、この立場に立たされるかもしれない、この世の哀れさせも感じられます。

      妻入院木犀匂ふ朝のこと
秋を代表する木犀の香が漂う朝に奥様は入院された。そこには漂っている気品が感じられます。

      心に忘れ物ありし神無月
奥様が入院されて、老いの介護から解放されると同時に、一方では作者には、ぽっかり心に穴が空いたような、空虚な気持ちが漂っている。日頃のお二方の思いが伝わってきます。

      スマホ会話だけの夫婦忘れ花
入院されて、二人にとってただ一つの連絡手段はスマホだと。「忘れ花」の季語からすれば、スマホのみの会話が、二人にとって、忘れていた新たな発見があったとと云うことでしょうか。ホッとするものが感じられます。

      生き甲斐とははてなはてなと十一月
老いて、一転する苦労の連続する日々の中で、自分は、何に希望をもっていけば、心がおれないで生きて行けるのか、そのような疑問に解を見つけられぬまま、十一月を迎えているなあと。
他人事でないなあと感じます。
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御礼 (九分九厘)
2022-11-03 13:29:30
龍峰さま
 全て句に私の思いをくみ取って頂きました。そして感動極まるコメントに元気を頂戴いたしました。心から御礼を申し上げます。「忘れ花」の季語を使うことに長いながい時間を費やしましたが、季語の力を改めて知る機会を得ました。有り難うございます。
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