明けましておめでとうございます! 今年もよき句を吟じるべく精進いたしましょう。早速、新年の句を一句でも、二句でも詠んでアップしましょう。頭に句が浮かんだら、また追加してください。 (文責 ゆらぎ)
丁半、駒が揃いましたので、選句をいたしましょう。上手い句ということでなく、全体の中でお好きな句を二、三句選んでいただき、たっぷりとご高評ください。下の方に講評欄を設けましので、そこに書き込んでください。コメント欄に書いていただいても結構です。すぐ本文にアップします。 また句とは関係なく、こうして正月を過ごしているという様子を書いて頂くのもいいかと思います。ご自由にどうぞ。
(九分九厘)
初詣神社を決めず電車乗る
初詣生田の森の名残闇
竹原の銘酒「まぼろし」屠蘇延命散
二日はや箱根駅伝山登り
餅作り自動エレキを見張りをる
ほどよくに今年も呑まん「一刻者」
(四捨五入)
注連飾すずめ喜ぶひと日かな
新年の計は尊し八十路かな
日韓の新時代来よ去年今年
(龍峰)
初御空鎮守の森に覗きをり
大吉をそつと財布に初もうで
門松や雄松と雌松丈並ぶ
元旦や加賀の地酒に能登のうを
淑気満つ蹴球の碑の八咫烏
読初や文春枕に現世問ふ
(ゆらぎ)
茅渟の海越ゆれば浪速初日の出
初茜寒く冷たし手を包む
初山河暴虐の面笑むごとし
初日記なにやらインクの香りして
書初や古きみ寺の大瓦
読初はたっぷり野菜の料理帖
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~講評~
(九分九厘)
初御空鎮守の森に覗きをり(龍峰)・・・青く神々しい初御空が初詣の森に見えた。大いなる宇宙の広がりと、今年も己は元気に生きるという手練の句。
新年の計は尊し八十路かな(四捨五入)・・・ 作者は今年で八十路を迎える。おめでたいことである。自分自身を褒められていることに全くの賛同!
茅渟の海越ゆれば浪速初日の出(ゆらぎ)・・・ 写真の景を句に表現されたものだが、まさに作者の実感だと思う。家の直ぐ傍でかくなる
日の出が見えることに羨望を覚える。
尚、拙句の「まぼろし」は広島竹原のまさに幻の大吟醸酒、なかなか入手困難、今年はゲット!。「一刻者」(いっこもん)は小生毎日愛飲の芋焼酎。
(四捨五入)
初詣神社を決めず電車乗る(九分九厘)・・・目的地を決めずに電車に乗ってしまったというところがユーモアがあって面白いです。自由気儘ゆとりがあっていいですね!
大吉をそつと財布に初もうで(龍峰)・・・大吉をポケットでなく財布にそっと入れるところが愉快です。宝くじと一緒にすればもっと効果があるかも。
茅渟の海越ゆれば浪速初日の出(ゆらぎ)・・・「ちぬ」「なにわ」と奥ゆかしい地名が並んだあと、「初日の出」と結んで雄大な風景が思い出されます。視点が近くから遠方へと広がっていくのが素敵です。
(龍峰)
餅作り自動エレキを見張りをる(九分九厘)・・・今期は新しく自動の餅つき機を導入された.
それで多種類の餅を思う存分搗かれた.作者の「見張りをり」にその導入の新鮮な喜びと期待度がよく伝わってきます。
注連飾すずめ喜ぶひと日かな(四捨五入)・・・ 注連縄に飾られている稲穂を雀が目ざとく見つけ、頂いた。なんと至福の一日であったと。雀の気持ちになった作者の優しが伝わってきます。
書初や古きみ寺の大瓦(ゆらぎ)・・・ 初詣に薬師寺に行き、東院堂の聖観音を拝んで大満足。その上食堂(じきどう)の屋根にのせる大瓦に「心」と一字書初されたと。「古きみ寺の大瓦」がいいですね。新年早々のその行動半径の広さとユニークさに感心すると共に、今年もまた東奔西走のご活躍が期待され、句にその勢いが溢れでています。
(自句)
ゆらぎさんご指摘の加賀の酒は「天狗舞」です。車多酒造は小生の高校の同級生の会社だろうと思われます。
(ゆらぎ)
お正月ということで俳味(ユーモア)を感じさせる句を頂きました。
初詣神社を決めず電車乗る(九分九厘)・・・いつもは難しいことを仰るのに、ぱっと豹変して、なんとも頭の柔らかに句を詠まれるのには感心します。まだまだ若いなあ! 「一刻者」は芋焼酎ですね。呑んでみます。
注連飾すずめ喜ぶひと日かな‹四捨五入)・・・注連飾りのお米の粒に雀が飛んできて、ついばむシーン。それを微笑ましく見つめる作者の優しい心が伝わってくる。一休さんみたい。そういえば似てるかな(笑)
大吉をそつと財布に初もうで(龍峰)・・・・おみくじが大吉だったから財布にいれる。愉快、愉快! ”そっと”と云うところが幼い子みたい。俳味を感じさせる。選んでいたら、いつのまにか句が増えました。加賀の酒
といったら「天狗舞」かな。この句もお正月らしくていいですね。
(初詣)薬師寺に行ってきました。お目当ては東院堂の聖観音です。それほど人の姿もなく、板敷きの間に座ってゆっくり拝めました。至福のひととき。ついでのことに再建中の食堂(じきどう)の屋根にのせる大瓦に
墨痕淋漓、”心”と般若心経からの一字を選んで書いて寄進しました。