ニューヨークに滞在中、一日掛けてグランドセントラルステーションより電車でハドソン川沿いに終点まで出掛けた。この川の上流は時には狭く、又、広くなり、まるで湖の畔かと思われる、ゆったりと何事にも動じないような流れだった。終点では高さ34m、長さ2kmの歩道専用の橋を歩く。風の心地よさを満喫。
6月20日より3日間ワシントンに出かけた。30数年ぶりである。ここも以前は治安が悪かったように思うが、今回は街並みはきれいで、治安もよく、地下鉄は最新で便利だった。往きはAmtruckの最速の電車に乗ったが、新幹線の倍ぐらいの値段で必ずしも速くなく、快適とは思えなかった。ビジネス客で満員。黙々と皆PCに向かっている。帰りはGreyHoundのバスに乗った。あまり時間は変わらないが、料金はAmtrackの5分の1。市内の議事堂や国会図書館、ホワイトハウス、リンカーン記念堂、トーマス・ジェファソン記念堂等々を回り、スミソニアン博物館群を訪ねた。航空宇宙館ではアメリカの栄光の歴史を見、かのゼロ戦にもお目に掛かった。絵画も素晴らしかった。
7月1日より6日間ボストンへバスで出かけた。若者中心に満席ではあるが、車内は静かで快適、窓外の景色に退屈せず。ボストン郊外に清教徒が最初にアメリカにたどり着いたことから、独立前の歴史的遺跡、建物、独立戦争の舞台、ボストン茶会事件の後も残されており、旧市街はそれらの歴史地区が中心である。地図を頼りに終日歩き回った。ボストニアンの子孫が今でも住むレンガ建ての高級住宅街は静かで古い昔の雰囲気が何世紀もそのまま残されている。思わず一枚スケッチ。ハーバード大学並びにMITへ一日掛けて出かけた。ハーバードは1636年創立のアメリカ最古の大学。卒業生からは7人の大統領、30人以上のノーベル賞やピューリッツア賞の受賞者を輩出。緑の公園の中にレンガの歴史と栄光の校舎が数多建ち、ここがアメリカの頭脳、中核の一角かとしばし、緑陰に感じ入る。意外と観光客や家族連れも多く、外観には厳めしさがない。MITのキャンパスは対照的に学生以外は歩いておらず、歴史ある建物の間に有名彫刻家のオブジェが置かれている。如何にも理の塊の感がした。
今回のボストン往きでボストン美術館を訪ねることが大きな目玉と考えていた。期待を裏切らず、展示絵画も建物も立派。唯一つ浮世絵などは他に貸し出されていて見れなったことは残念至極。岡倉天心ゆかりの日本庭園にてしばし、瞑想。
再びニューヨークに戻った。タイムズスクエアは昼夜問わず、人と熱気で溢れかえっていた。マンハタンが濃縮、煮詰められた趣である。ここでは英語があまり聞こえてこず9割が世界中から来た人々であろう。ほとんど日本人には会わない。
帰国前にヤンキースタデイアムに出かけた。生憎ヤンキースは負けたが、アメリカ人の熱狂ぶりに国民性を垣間見た。
今回は約40日のアメリカ行きだったが、この間に、何だかんだと言っても、やはりこの国は世界一の力を持つ偉大な国であると強く感じたことである。およそ25年前に比べ、表の治安はよくなり、街を歩いていても気持ちよい。一方では大胆な再開発で街は進化していることダイナミズムがある。百聞は一見に如かずとつくづく感じた次第である。長文にお付き合い頂き有難うございます。
ハドソン川
終点の歩道橋を見上げる
ハドソン川にかかる橋
ハドソンの流れ泰然と風薫る
High Lineよりの開発進むハドソンヤード
ハドソンヤードの中心部
夏日燦ハドソンヤードの熱気かな
炎天に進化止まずやマンハタン
ポトマック河畔のトーマス・ジェファソン記念堂
ポトマツクの白亜の堂や雲の峰
ボストンのチャールズ川
ボストン旧市街の中心の公園
ボストンの古い高級住宅街
ボストンの風に歴史問ふ夏帽子
ハーバード大学のキャンパス
ハーバードのレンガの校舎群青葉風
MITのキャンパス
夏の日や理知と静なるMIT
タイムズスクエア
タイムズスクエア
エネルギたぎるタイムズスクエア夏の夜
虚さまよふタイムズスクエア夏夜更け
映像と人種のるつぼ不夜の夏
ヤンキースタジアム
ヤンキースタジアム
ヤンキースにヤンキーと酔ふ夏の夜
旅をへて齢悟らむ冷素麺