草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句/インド旅吟(完) 春日差し(龍峰)

2011-02-28 | Weblog
カジュラホでは有名なヒンドウ教の西、東、南の寺院群を訪ねた。寺院の外壁の天女たちの天真爛漫な姿にこの宗教の開放的な根源を見た。次にベナレスへ。ガンジス河畔のガート(祈りの場)での幻想的なプージャ(祈り)を見学。翌朝ガンジスの日の出を拝むため再度ガートへ。船に乗りガンジスを移動しながら、日の出と幾つもあるガートを見る。暁に祈る人、沐浴する人そして隣のガートでは、煙が幾筋も上がり、夜明けと共に荼毘にふされている。最上の幸せとか。ヒンドウ教では墓はなく全てガンジスの流れに撒かれると。更に釈迦が初めて弟子に説法したサルナートへ行く。

ベナレスからデリー方向のアグラへ、寝台車で行くも10時間以上遅れ、日程が混乱。しかし、これもインドとか。アグラでのタージマハルは中に入る時間が無くなった。世界遺産のアグラ城を見てジャイプールへ。アンベール城や風の宮殿を見る。インドには中世イスラムとモンゴル系が攻め込んでおり、これらの城はモンゴル系のものである。なかなか立派で大きい。
最後のデリーへ移り、フマユーン廟やインド門等を見て帰国の途に就く。
写真はガンジスのカート

 春日差し笑み豊かなる天女たち
 菩提樹の陰の祠や春の風
 ヒンドウの経に癒さる春の宵

 春暁やガンジスの岸沐浴す
 ガンジスの夜明けに祈る春の水
 春暁のガンジスの辺に今けむり

 春の日や雲間に笑みのサルナート
 王侯の栄華哀しや春の雨
 天竺の万重の山春の雨
 天竺の春の西空天が紅
 
今回の旅は自分なりに、インドで起きた仏教がなぜこの国ではほとんど消えてしまい(0.8%)ヒンドウ教が栄えているのか問いただすためだった。こちらの人に何人か聞いて回った。あまり明確ではないが、ヒンドウ教から出た仏教は1000年の後、元の7000年の歴史のヒンドウ教に飲み込まれてしまったらしい。釈迦はもともとヒンドウ教から出発し、悟りを開き仏陀になった。
しかし、ヒンドウ教の一番の神様のヴィシヌシンの第9番目の生まれ変わりが釈迦だと。完全に飲み込んでいる。それだけヒンドウ教は懐が広いわけである。
ガンジスのゆったりした流れを見ているとこの国は牛のごとくマイペースで進むのだろう。

 
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の俳句/インド旅吟(1) 春の夕(龍峰)

2011-02-23 | Weblog
今月の初めよりインドへ出かけた。ムンバイに降り立ち、石窟寺院で有名なエローラやアジャンタを訪ね、ボパール郊外のサンチーの仏教遺跡、有名なカジュラホの天女像などの寺院群等を訪れた。

 街騒を牛のゆったり春の夕
 日ののぼるデカン高原麦青む
 春浅し卒塔婆光る日の出かな

 春の日や家族そろひて綿の畑
 平原に卒塔婆一つ菜種畑
 石窟の仏陀の笑みや春日差

インドは初めてである。行く前に聞いたり、読んだりしていたが、想像以上に大変な国である。ホテルを一歩出ても歩けない。人も動物も寄ってきて進めない。彼らの言う通りについていけば身ぐるみ剥がされると。ムンバイは世界一のスラム街を有するそうである。窓外にはブルーシートやヤシの葉の家並が泥にまみれて延々と続く。一方では世界一の金持ちの家がムンバイ市内にあるという。つまりインドには家畜と同居するどん底生活から世界一の超大金持ちまでが一つの街に住んでいる国である。
写真は街の中を牛は堂々と人や車はせこせこと走る。どこかでバランスが取れているのかもしれない。
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の俳句 / 余寒 (四捨五入)

2011-02-14 | Weblog
宿題を抱へし夜半の余寒かな
国債の格付け下がり余寒あり
妻の留守厨に立てば余寒かな

山肌の炎焼野を置き去りに
蔓草の黒く地を這ふ焼野かな

立春を過ぎて10日も経つのにこの寒さです。
まさに余寒です。
皆様お変わりありませんか。
3日後に句会があるのにまだ準備ができていません。
余寒を乗り越えて頑張ります。
写真が無く愛想なしで申訳ありません。
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の俳句/ 寒椿 (さゆり)

2011-02-06 | Weblog
立春も過ぎ、まだ名のみの春ですが、日差しがやはり違ってまいりました。
龍峰様が海外旅行に出られたので、急きょ私に順番が回ってきて、あわてて駄作の句の中から何句かを出したいと思います。春の句はこれから頑張って(?)作るつもりでしたので、冬の季題となりますがお許しください。


 寒椿ぽとりと苔の上にかな
 寒椿一輪がよし茶の心
 古備前の壺にひと枝寒椿
 落ちてなほ色を留めつ寒椿

 寒晴れや心空へと吸われゆく

 日当たりの白き小花も春隣
 海峡の潮目際だつ春隣

 何処よりわらんべの声梅二月

 写真の壺は古備前でなく、現代の作家物です。
コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする