草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

新若葉(師走句会)は、終了といたします。皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。次は、(睦月句会)来年一月七日に始まります

2023-12-02 | Weblog
今年も、いよいよオーラスとなりました。師走句会が始まります。
12月7日に、仲冬の句を投句してください。やり方は、いつもの通りです。本年の締めくくりですので、奮って名句を投稿してください。
 
 投句が出揃いましたので、コメントをお願いします。
 
コメントが出揃いましたので、コメントバックをお願いいたします。
 
(紘子)
目覚めたる未明一人の冬ごもり
  「未明」で一度切れる句渡りですが、「一人の冬ごもり」で作者は己を客観視されています。それだけに、この句に醒めた諦観を感じてしまいます。心にしみる句です(九分九厘) 
 
   夜明けに目覚めた時に、ふと自分は孤独であることをひしと感じた。しかし、決して悲観的ではなく、定めを受け入れて冬ごもりしている。作者の達観した透明感ある心境が伝わってきます。(龍峰)
 
  清少納言いわく、”冬はつとめて・・・”、というくらいだから朝の4~5時頃に起き出すのですね、しかし、周りには誰もいない。でも、詠み手は「ふゆごもり」を一人で楽しんでいるのですね。寂寥感溢れる句です。(ゆらぎ)
 
 冬ごもりの現在、朝未明に目覚めれば家族と離れている事を実感しますね?「未明一人の」との措辞に、依って来たる過去に想いを深くされている心情が垣間見えます。(かつらたろう)
 
十二月少し眠たき日々重ね
 「一人の冬ごもり」と「眠たき日々重ね」は、自らの有姿を静かにそのまま受け入れておられる。その透明感に心を惹かれます。 (葉有露)
 
北風と歌ふいのちのありにけり
 上五・中七の表現に、人間の宿命の悲しさとそれを克服する強さを感じます。長生きをして下さいね。〔九分九厘)
 関東の御地は北風が強いのでしょうか? 北風にさらされる戸外の冬木を眺めながら、一緒に心の中で歌っていますね!!(かつらたろう)
 
透きとほる師走の朝の空あらむ
 
軽やかに歩こう今朝も着膨れて
 ユーモラスな句ですね。とても寒いので、ジャケットの上にコートも着込んで、まんまるく着膨れてあるく。そんな自分の姿を
 楽しいながら歩く詠み手です。(ゆらぎ)
 
九分九厘)
白菜のおどろく重さ身に余り
 今が旬の野菜だと詠み手は白菜をたっぷり買い込んできた。今夜は、白菜に旬の牡蛎や湯豆腐それに豚バラ薄切り肉などを入れて食べよう、と詠み手は目論んでいる。そのような情景を五七五にすると、”驚く重さ身に余り”、という格調高い句になるのだから、驚嘆する。(ゆらぎ)
 
 さぞかし立派な白菜だったのでしょう。驚きの比喩がいいですね。(龍峰)
 
 我が家でも田舎鳥取の親戚より、何度も冬の野菜を送って貰って居ります。その中でも葉の良く巻いた大きな白菜は一抱えもあり、大人でも持てない程の重さになります。(かつらたろう)
 
 ゆらぎ様、龍峰さま、たろう様
 白菜の句にコメントを頂き有り難うございます。白菜は冬に格好の食材です。鍋物に漬物に炒め物などに万能な野菜です。台所の隅に転がしておいていますが、食べてもたべても大きさが変りません。(九分九厘)
 
冬ひなた吊るすくつした数奇数
  生活句の一風景として身近に感じます。近い日に偶数になります。(葉有露)
 
  葉有露さま、ちょと捻くれた句に目を留めて頂き、有り難うございます。最近雨模様の天気が断続していて洗濯日和を計りかねています。天気予報が余り正確なものでないことを改めて実感しています。(九分九厘)
 
短日の気配カーテン閉じる毎
 
甲辰を迎ふ偕老師走なき
「甲辰」などと難しい言葉が出てきたので、いろいろ調べてみた。ところが、なんのことはない。長年連れ添った仲の良い老夫婦二人が、”師走の用意などどうでもいいわ”、とうそぶいているだけのことだ。(ゆらぎ)
 
 ゆらぎ様、いやはや! 仰せの通りの句です。ともあれ、来年は十干が最初の「甲」に戻り、十二支の「辰」が家内の生まれ年であります。(九分九厘)
 
The End of this year to say good-by, as time goes by
 
  Accordinng to the laws of time of the macrocosm, this year is coming to an end.   We've had a lot of ugly battles on this Earth this year. But no matter what's happening on this Earth, time will flow.
    I think, this Haiku is composing the  flow of eternal time superficially, on the hand true meaning seems to be composing "compassion" comparing human stupidity to eternal time.
    I think it's a wonderful English Haiku with the writer's feeling. (Ryuhou)
 
(今年も終わろうとしている、大宇宙の法則に従って。今年もこの地球上に醜い争いが多々起きた、しかし、この地球に何が起こっていようとも、時は流れてゆく。
この句は時の永遠の流れを詠みつつ、人間の愚かさを永遠の時に対比させて”あわれみ”を、実は詠まれているように思われる。作者の思いのこもった素晴らしい句と思います。)(龍峰)
 
Dear Mr. Ryuhou
 Thank you very much for your comment that gets to the heart of my Haiku.  I really want to keep on  my healthy life  until I'm 100 years old  to see how the” Anthropocene “ world is changing. (Kubukurin)
 
 今年も「時の過ぎゆく儘に」年の終わりにさようなら!」との意味のようですね?映画「カサブランヵ」の主題曲のジャズナンバーであり小生の睡眠前の音楽の一つであります。絶世の美女イングリット・バーグマンとハンフリーボカートの息せき切るラブロマンスが想われます。(かつらたろう)
 
    たろう様 コメント有り難うございます。句の真意は龍峰さんの解釈の通りですが、「身のうちの時は過ぎゆく師走かな」の句が最初に出てきて、これを英語にする挑戦をした経由があります。〔九分九厘)
 
(葉有露)
新生児くしゃみ発してデビューせり
 極めて動的な句に感動します。赤ん坊が生まれて初めて発すす言葉が「ハックション」でしょうね。〔九分九厘)
 九分九厘さんのコメントに同意! ある意味名句!(ゆらぎ)
 ユーモア溢れる句ですね。新生を祝福する作者の暖かな思いが伝わってきます。(龍峰)
 
 お孫さんでしょうか?或はひ孫さんでしょうか?生まれたとの報に逢いに行けば、さっそく「くしゃみ」をされたようですね?新生児の最初の声は、生理的現象によりデビューです。(かつらたろう)
 
説教中くしゃみありても淡々と
 新生児のくしゃみも教徒のくしゃみも、それを起こす原因が物理的なものとすれば同じなのでしょう。物理的な原因かどうかはさておき、新生児と一緒に説教を聞いている時に大人がくしゃみすると、新生児はどう反応するのかとても興味があります。前句と並べて解釈していくと面白い仮説が出てきそうです。〔九分九厘)
 
 (お礼)
 九分九厘様、ゆらぎ様、龍峰様
多くの先輩に注目して頂き、感謝もうしあげます。「くしゃみは」俳句教室での兼題です。句に仕立てるのに困りはてた結果、二句できあがりありました。おなじ「くしゃみ」でも、感動あり、無関心であったりで不思議なものです。(葉有露)
 
関西のおでんからしにつんと来て
 冬の夜のおでんは、よろしなあ! 関東炊きだと、ちょっぴり辛めですが・・・。特に友と味わうおでんは最高です。この間も三宮の<まめだ>に行ってきました。
 この句は、そんなおでんの楽しさを伝えてくれるような気がします。(ゆらぎ)
 
 (お礼)
 ゆらぎ様
  共感して頂き有難うございます。大阪支社勤務時代、曽根崎あたりの立ち飲み屋で仲間と一杯やり、その日の仕事終了としたものです。
 
現役中焼酎おでんは良き友よ
 
友としてあいさつかわす山眠る
 毎日見る山には殊のほか愛着が湧いてきます。冬の山は「山眠る」の季語ですが、単に季語だけの意味にとどまらず、「眠る」に作者の暖かい心も兼ねて詠まれているように感じます。(龍峰)
 
 六甲山の景色でしょうか?いつも眺めて暮らす山川草木は、日々の暮らしの中の友ですね?(かつらたろう)
 
 (お礼)
 龍峰様、たろう様
 お採りあげいただき有難うございます。神戸生まれ、神戸育ちにとって六甲の山々は、小生にとっていつまでたっても遊び友達です。海外駐在時もその姿を思い出していました。 (葉有露)
 
(龍峰)
厳冬にそなへて黙や北の森
 
雪吊りや掛け声一つ縄の張り
 金沢の冬を詠んだ五句、全部を選んでも良い、いずれも名句ぞろいです。その中から一句! この句は、ピンと張りつめた空気感とその中で響く肉声、そして縄の張り具合の緊張が句全体を締めていてとても素晴らしいです。〔九分九厘)
 
 冬の北陸金沢の有名な風物詩の一つですね?あれ程、びっしり縄を張る作業は、掛け声を発しながらの共同作業によるもののようです。(かつらたろう)
 
 「そなへて黙や」と「掛け声ひとつ」、この中七は私のなかに金沢を引き戻してくれました。とてもいい感じです。(葉有露)
 
九分九厘様 たらう様 葉有露様
 本句を取り上げて頂き有難うございます。雪吊りを公園の中で見ると、周りの景色と大変マッチしていることをあらためて発見しました。「雪吊り」は有名な季語なので凡句にならないようにと気を付けましたが、果たしてどうなのかと思っています。(龍峰)
 
一雨来て治部煮の味の深まりぬ
 石川県金沢の有名な郷土料理の治部煮ですね?鴨肉や鶏肉に椎茸や他の野菜を一緒に煮込み、片栗粉で煮汁にとろみをつけるようです。是非一度は現地にて味わってみたいものです。この句の眼目、「味の深まりぬ」との措辞が効いていますね!!。(かつらたろう)
 
 たらう様
 本句のご感想有難うございます。冬の金沢のあのどんよりした空の下でこそ、この料理も味わい深さが出てくるように感じました。(龍峰)
 
主計町(かずえまち)や紅葉散りゆく浅野川
 吟行で金沢へ行きました。懐かしい光景です。浅野川の辺りに茶屋街がありましたね。当時の思い出が蘇ってくるようです。お詠み頂きありがとうございました!(ゆらぎ)
 
 ゆらぎ様
 本句にコメントをお寄せいただき有難うございます。皆さんで金沢へ吟行に行き、盛り上がりましたね。川の光景も茶屋街も昔の風情を今にとどめ、俳句詠みにはたまらないです。そして、この地には独特の温もりを感じます。(龍峰)
 
氷雨かかる紅がら格子三味かかへ
 
(たろう)
南座の金の唐破風冬日さす
 南座の唐破風を見た思い出がないのですが、西本願寺の金の唐破風を思い出しています。荘厳、極まりないものです。そこに冬が射すと見事なものでしょうね。
 その眺めを思い起こさせる名句です! (ゆらぎ)
 
 ゆらぎ様
 大変有難う御座います!!。
 時々、四条河原町~花見小路界隈を散策して居ります。この景は四条大橋より八坂神社方面を眺めれば、南座の大屋根が見え、その唐破風を詠んだものであります。
 近年新装なった南座の金で縁取った唐破風に、冬日が差し見事なものです。(たろう)
 
 
 
 
ロンドンの霧にさまよふ漱石忌 
 漱石のロンドン滞在中のことを以前読んだことを思い出しました。漱石はかの地で孤独な日々の中、内面的な探求で自分を追い詰めていったようです。さぞかし霧の中をさ迷い歩いた  ことでしょう。(龍峰)
  龍峰様
 大変有難う御座います。
 折しも12月9日は夏目漱石の忌日でしたが、彼漱石は大変ナイーブな性格であったようであり、ロンドンに滞在中も胃薬をよく飲んでいたと聞いております。
 気晴らしに有名なロンドンの霧の街を彷徨ったものと想われます。(たろう)
 
風垣や何処か遠くに海鳴りを
 たろうさんの句を選ぶと、いつもこの種の自然描写の句を選んでいます。とてもすんなりと私の心に入り込んできます。日本海の故郷を思い出されての句だと思いますが、私にとっては何か遠い昔が今の私を呼び寄せているように響いてきます。〔九分九厘)
 
 共感を呼び起させる句ですね。人間幾つになっても生まれ育った環境への思いはにじみ出てきます。(龍峰)
 
 九分九厘様、龍峰様
 大変有難う御座います!!。
 鳥取の田舎のの実家は日本海の海も近く、海より500m程の丘の上にある集落であり、冬になれば海が大時化となり、海岸のごろた石が大波に洗われて恐ろしい程の音を立てて居りま す。

顔見世の襲名披露成田屋に

満天星の冬の紅葉の火炎かな
 ドウダンツツジの咲き誇る冬。紅蓮の炎を思い起こさせる一句。見事です!(ゆらぎ)
   ゆらぎ様
大変有難う御座います!!。
満天星躑躅の冬の紅葉は、植込み一面が日に当たれば紅蓮の火炎のように美しく、息を飲むほどの見事さですね!!。(たろう)
 
(ゆらぎ)
いつまでも相思相愛漱石忌
 この句を、漱石の小説『こころ』に描かれる<先生と奥様>の関係に見立てて深読みをすると、とても興味のあるものとなります。まさに本句の<そのこころ>をどう解釈するのかが問題です。「相思相愛」の言葉の奥にある意味のことです。互いに、知って良いこと悪い事があるようです。長い人生を健やかに過ごせる秘訣なのでしょうか? その善し悪しの判断はとても難しいです。〔九分九厘)
 折しも今日12月9日は夏目漱石の忌日ですね?小説こころ」にもありますように夏目漱石は大変ナイーブな性格であったようです。その為、神経衰弱にもなり胃薬をいつも飲用していたようです。然し、作者は大変心細やかに奥様にも気を配りながら、いつまでも相思相愛のようです。・・・大変ご馳走さま!!。(かつらたろう)
 
 (お礼)九分九厘様、たろう様
  駄句にコメントを頂きありがとうございました。この句は、単純に漱石と奥様の鏡子さんの、仲の良さを詠んだもので、それほど深い意味はありません。深読みして頂き恐縮です。
  (ゆらぎ)
 
浪の音聴きつつ入る柚子湯かな
 この浪には人生の波も入ってるでしょうか。それを受け止めてくれるのが、柚子の香りとは、風流,風雅なことです。(葉有露)
 何とも羨ましい限りの光景です。作者の超満足な笑顔と詩作に耽る姿が浮かんできます。(龍峰)
 何処の温泉でしょうか?浪の音も聞こえる「オーシャン・ビュー」の露天の菖蒲湯とは、まさに極楽、極楽ですね!!。(かつらたろう)
 
 (お礼)葉有露様、龍峰様、たろう様
  柚子湯の句にコメントを頂き恐縮です。この句は、琵琶湖西線の堅田にある<浪の音酒造>にかけて詠んだものです。近くにある<シェラトンホテル>のお風呂では柚子を沢山浮かべてくれます。柚子の香りがしていいものです。極楽極楽!(ゆらぎ)

訃報聞く不眠不休の臘八会

ターナーの絵に立ち止まる十二月
 ターナの晩年の絵は、モチーフも地も空も混然一体、ただただ宇宙を描いているような感じですね。作者はこのターナの混然一体となった絵に引き込まれて、立ちすくまれたのではないかと思います。作者の深い感銘が伝わってきます。(龍峰)
 
 (お礼)龍峰様、ターナーの句にコメントを頂き有りがとうございました。ターナーの絵は、大好きです。先頃、大阪の中之島美術館へいき、そこでターナーの作品を見ました。
その絵に思わず引きこまれ、しばし呆然としていました。昔、英国へ旅した時、ロンドンのテムズ川畔、ミルバンク地区にある国立美術館をおとずれ、「ターナー」の絵を眺めた事があり、その時の事を思い出していました。(ゆらぎ)

押し通す「私
の流儀」伊集院忌



 
 
 
 
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