草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句:天高く:葉有露

2022-10-07 | Weblog

漸く、秋の入り口に来た感じの今日この頃です。暮らしに一層変化が乏しい日々の中、五・七・五の世界で何を表現できるでしょうか。

 ・励みなき身に来る秋やや浅し

 ・遅き秋虫の音今だとどかざり

 ・天高く動かざる心少し揺れ

俳句教室:兼題・秋高し・赤い羽根・新松子

 ・天高し普段の山も背伸びして

 ・秋高しつかれの取れし我が心

 ・赤い羽根駅頭の声おだやかで

 ・赤い羽根渡す指先ぎこちなく

 ・雷鳥の待ちかね馳走新松子

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6 コメント

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好きな句 (龍峰)
2022-10-09 10:19:32
葉有露 様

見事な写真ですね。奥深い信州当たりの山並みでしょうか。見事な天高しです。
秋は心情が吐露される季節ですね。秀句の中から厳選して以下を取らせて頂きました。

   ・遅き秋虫の音今だとどかざり
季語の世界では晩秋に入っているのに、いつもの虫の音が聞こえてこないなあと、詠嘆の一句ですね。自然の季節の移り変わりをこよなく愛される、詩情あふれる作者の気持ちがよく伝わってきます。

   ・天高く動かざる心少し揺れ
少々のことでは動かされない自分も、この底が見えない青空の高き天を見上げと、これには自分も感動を覚えるなあと。掲載されている写真がその証拠ですね。

   ・天高し普段の山も背伸びして
抜けて限りない天の高さに、さすがのいつも見慣れている山も、今朝は少し背伸びしているようにすっきりと映えているなあと。自然に深く感動される感情豊かな作者の気持ちが伝わってきます。

   ・赤い羽根渡す指先ぎこちなく
街頭に立って、赤い羽根を渡す人は中学生あたりでしょうか、初々しさと作者の見守る慈愛の目が伝わってきます。

   ・雷鳥の待ちかね馳走新松子
立山辺りのライチョウ親子が、一心に啄む光景が浮かんできます。冬まじかの季節感が伝わってきます。
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好きな句 (九分九厘)
2022-10-10 12:09:34
葉有露さま
 展覧会も終わり、久しぶりにゆっくりと俳句を味わいました。特に「天高く」の季語において、作者の心象風景を観賞させてもらいました。

    励みなき身に来る秋やや浅し
    天高く動かざる心少し揺れ
    秋高しつかれの取れし我が心  
    天高し普段の山も背伸びして

この四句を並べてみて、作者の日常の心象をどうのように解釈するか? 一句目の句またがり。普通の五七五の調子で読むと中七の最後の「や」が切れ字になって、読者は再び読み直すことになる。下五「やや浅し」の手前で切ることになるのでしょう。「励みなき」と「浅し」がうまく響きあって好きな句です。二句目は前句の「励みなき身」と「動かざる心」が対比され、さて如何に解釈するか? 作者に聞いてみないと分からないが、聞くほうが野暮なことであろう。三句目はちょっと散文的ではあるが、前二句とセットになってなるほどと観賞しました。最後の句は秀逸な句だと思います。前三句の総まとめみたいなもので、しかも「私・我」が表に出ていない。
     お互いに長生きをしましょう!    以上
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お礼 (葉有露)
2022-10-10 15:11:38
龍峰様

 投稿早々,而も五句までもお採り上げ頂き、お礼を
申し上げます。
 冒頭の写真は、数年前家内と糸魚川経由で栂池高原に行った時、宿屋付近から取りました。
 家内は山歩きの経験がなく、白馬大池までは行けず途中で下山しました。
 
 ・遅き秋虫の音今だとどざかり
 いつもなら、とっくに虫の音が聞こえるのに、虫の集合がないようです。気分を落ち着かせる役者の出番を待っています。

 ・天高く動かざる心少し揺れ
 行動制限の日々長く、外向きの心が薄れ居ました。そんな時でも、天空はきっちり姿を見せて呉れました。

 ・天高し普段の山も背伸びして
 この山は、普段の生活に溶け込んで入る六甲連山から甲山付近です。親しい友の元気な姿を見る思いです。

 ・赤い羽根渡す指先ぎこちなく
 ご指摘の通りで。学生の姿に自らの経験を重ねています。

 ・雷鳥の待ちかね馳走新松子
 コメントの通りで、小生も立山での山スキーの際、雷鳥を多数見かけました。最近は,遠くの山々からサルの集団が押し寄せ,新松子を奪っているとの事でっす。
 
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好きな句鑑賞、他 (かつらたろう(桑本栄太郎))
2022-10-11 16:07:14
葉有露様

つい先日まで、残暑と思って居りましがたここに来て急激な冷え込みですね?身ほとりは秋の景色が一気に増えて来ました。
お写真の中の芒の穂が靡いて、すっかり秋の野のようですね!!。
今回は下記の御句を選び、鑑賞させていただきました。

    ☆励みなき身に来る秋やや浅し
この御句は少し前の初秋ののようですね?「励みなき身」とは、長いコロナ自粛に倦んでいたものの、愈々秋を迎えた嬉しさが伝わります。
 
    ☆天高く動かざる心少し揺れ
秋ともなれば、日毎に空が澄み青空となりますね?愈々秋到来かと思えば、旅行、読書、芸術の秋など、色々な事に興味が湧き心が動きます。「秋高く」の季語がその事を物語っていますね!!。

    ☆天高し普段の山も背伸びして
秋となり空気が澄み、青空の天が高く望まれる時は、いつも眺めている山の谷間もくっきり見え背伸びして居るように想えます。秋の良い気候となれば、山も背伸びを行い深呼吸のようです。

    ☆赤い羽根駅頭の声おだやかで
秋の10月ともなれば、一斉に「赤い羽根」共同募金が始まりますね?駅の入り口などで、ボランティア活動のご婦人によりお勧めのようです。ボランティアだけに勧誘の声も穏やかな掛け方のようです。・・少し僭越ながら「で」との下五の止めは、散文的になり「に」などが良いようですね?

    ☆雷鳥の待ちかね馳走新松子
やはり、お写真の後ろの山は嶺に雪も見え、信州か立山の雰囲気が想われましたが、「雷鳥」との措辞に立山かと拝察いたしました。まだ青みが残る「新松子」との季語が効いて居ますね!!。
 
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お礼 (葉有露)
2022-10-11 18:00:06
九分九厘様

今日この頃、やっと秋の入り口に立てた気分です。
 お採り上げ頂いた四句とも時期は、まだまだ夏の感じで秋の気分になっていませんでした。
 加えて、小生の心象風景を探っていただいたように、前三句のには深層は、今年の春、夏共何の働きもなく成果を収穫できなかった自分があります。春先に始めたレポートも途中で止まっています。
 四句目でやっと自分の心をほぐし、自らも背を伸ばし「、姿勢をしゃんとせねばいかんなー」と思った次第です。
 九分九厘様には、小生の心象分析につき行き届いた診断書出して頂き、感謝申し上げます。

            葉有露拝
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お礼 (葉有露)
2022-10-12 16:38:06
かつらたろう様

 少し秋めいてきました。
凡句にも拘わらづ五句までもお採り上げ頂きお礼申し上げます。しかも、それぞれの句を綿密に掘り下げて頂き、初心者にとって大変参考になります。

 ・励みなき身に来る秋やや浅し
 春夏の通じての収穫無きまま、秋をむかえます。
それでも秋の来るのは楽しみです。

 ・天高く動かざる心っ少し揺れ
 前句の続き、澄み切った青天はきっと心を動かしてくれると期待します。

 ・天高し普段の山も背伸びして
 身近な山もいつもと違うように見えます。山の方がこちらを見ているいrようです。

 ・赤い羽根駅頭の声おだやかで
 小生も駅頭に立った経験があります。人とのつながりを知る良い機会でした。

 ・雷鳥の待ちかね馳走新松子
 ご指摘の通りで、立山で見たようすを句にしました。もっとも雷鳥は夏の季語だと指摘され、入選しませんでした。
 
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