草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 花火/龍峰

2022-08-10 | Weblog
 
            長岡大花火大会
 
 
8月2日の夜、長岡の日本三大花火大会に出かけた。
折からのコロナ感染流行最盛期ではあったが、待ちに待った3年ぶりの大花火大会の誘惑に負け、一方ではコロナなんぞに負けてたまるかと、老いのカラ元気にムチ打って出かけた次第。本日現在発熱などはなく、クリア出来たかと。
 
長岡の大花火は古く、明治11年に花火350発上げられたのが始まりとか。戦後、大空襲からの復興をねがい、今日の花火大会が始まった。
長岡と言えば、上杉謙信に始まり、幕末の河合継之助の活躍、小林虎三郎の「米百俵」「食えないからこそ教育」は余りにも有名。また山本五十六も旧長岡藩士の六男として生まれた。他に多くの偉人が巣立っている。
 
花火大会は滔々と流れる信濃川、広大な河川敷を会場に、夜も更けかかるころから2時間、息つく間もなくスターマインなどの大玉の花火が連続で打ち上げられた。又川にかかる橋を舞台に壮大な仕掛け花火でナイヤガラの滝が出現した。
大観衆は一夜の一大ページェントに酔いしれた。
 注)スターマインとは連続発射の大型花火
 
    夏の夜に大輪重ぬ歓の声
    七色の花火広ごる信濃川
    息を呑む乱れ打ちなる揚げ花火
    川風のほほに次なる花火待つ
 
    スターマインや真昼をつくる大花火
    尺玉の花火越後を轟かす
    炸裂音連なる花火頭の上
    残像の残る静寂大花火
    信濃橋や仕掛け花火のナイヤガラ
 
    人豊かなる長岡や花火重し
    五十六と虎三郎や揚げ花火
    花火師とライト振れあふフイナーレは
    揚げ花火消えて夜深き越後かな
     
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8 コメント

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好きな句 (ゆらぎ)
2022-08-11 13:59:51
龍峰様
 遠路はるばる長岡まで出かけられましたか! いつかは見に行きたいと長年目論んでいましたが、先を越されました。長岡の大花火を彷彿とさせる熱気のこもった句から次の六句を頂戴いたします。
 
○七色の花火広ごる信濃川
○息を呑む乱れ打ちなる揚げ花火   
◎尺玉の花火越後を轟かす
 ~この句は、花火が”越後”全域に広がるような雰囲気が感じられてスケールの大きい句になっています。最も好きな句です。
○残像の残る静寂大花火
○人豊かなる長岡や花火重し
 ~「花火重し」の意味がわかりませんが、四尺玉のような大きな花火のことか、あるいは長岡の町にとって花火大会の持つ意義が重いのか。おそらく後 者の方ではないかと受け止めました。いずれにしろ印象に残る銘句です。  
○揚げ花火消えて夜深き越後かな
返信する
お礼 (龍峰)
2022-08-11 15:37:21
ゆらぎ様

早々に拙句を拝見頂き、6句も選句の上コメントを頂き有難うございます。
機会あれば長岡の花火はお勧めです。そのスケールの大きさと多彩な大型花火、伝統の美ですかね。

尺玉の句、少しおどけて越後平野を震わすような大きな花火と音でした。

人豊かなるの句、ご指摘の後者の方の意味です。
幕末の官軍相手に戦い、大戦で空襲に遭い、今日を迎えるには大変な苦労があったと思う。しかし、一方では時代時代の偉人が排出されており、小泉元首相も例に引いた「米百俵」の虎三郎など、立派な人が出ている。そのような背景を思うと、華やかな花火の裏には重いものがあるなあと感じた次第です。
返信する
好きな句 (葉有露)
2022-08-11 17:41:26
龍峰様

 豪かな花火大会の写真と吟行花火俳句を味わっています。
 長岡と聞けば、入社同期のN・S氏を思い浮かべます。長岡出身の彼は、スキーの名手で、小生は山スキーを彼に教えてもらいました。彼と共に仲間4~5人で
春と秋の立山に出かけました。今は真岡に住んでいます。彼も此の花火大会を思い浮かべていることでしょう。
 次の四句を頂きます。
 ・尺玉の花火越後を轟かす
 ・息を呑む乱れ打ちなる揚げ花火
 ・残像の残る静寂大花火
 ・揚げ花火消えて夜深き越後かな
 
  花火の炸裂音、花火の夜空への大展開、残像、そして静寂と来て、花火を味わうことができました.
  有難う御座いました。
              葉有露拝
返信する
お礼申し上げます。 (龍峰)
2022-08-11 22:34:37
葉有露 様

早速拙句をご鑑賞の上、4句を取り上げて頂き思いでまつわる長岡のことやコメントを頂き有難うございます。

長岡の花火は色々聞いていましたが、やはり生で見る花火は格別です。
スケールの大きな複数(五発ぐらい)の大花火が同時に上がり、頭上で破裂していく音音、聴力と視力にフルに迫ってきます。
とてもじゃないですが、小生なんぞの拙句では、その感動の表現は及びもつきません。
来年あたりコロナが鎮まれば、ぜひおすすめです。
返信する
好きな句 (九分九厘)
2022-08-12 16:03:57
龍峰さま
 長岡の大花火は当日TV中継をしていましたので私も見ていました。広大な河川敷に観客が並んでいるのを見てその規模に驚きました。コロナの前に大曲の花火を見に行きましたが、長岡の方がはるかに大きいようですね。この観客の中に山下夫妻がおられたとは驚きました。100発を同時に打つのに約2キロ距離が必要だとか、尺玉の炸裂花火の直径が680メートルだとか、あれこれ解説を聞きながら愉しんでいました。
しかし、大曲の経験からすると現場に行かないと、本当の花火のすごさは分からないと思います。
 五句を頂戴します。私の持っている花火の経験に同感するもの、且つ俳句として好きな句を選びました。

     七色の花火広ごる信濃川
 
     息を呑む乱れ打ちなる揚げ花火

     尺玉の花火越後を轟かす

     川風のほほに次なる花火待つ

     揚げ花火消えて夜深き越後かな

                 以上
返信する
お礼 (龍峰)
2022-08-12 22:49:33
九分九厘 様

5句を選句頂き、大曲の花火大会のご経験をまじえたご感想を頂き有難うございます。

小生の方、そもそも長岡の花火大会へ行こうと思いついたのは、かって九分九厘さんご夫妻が大曲の花火大会をご覧になって、感激したご感想を伺い、いつか行こうと思ってきたものです。

今夏、コロナで3年ぶりの開催となり、多少無理筋でしたが、このチャンスをと思い出かけました。
やはり現地で見る迫力は格別で、壮大なスケールで量、質共に日本屈指の花火大会である事を認識しました。
当夜は信濃川に吹くそよ風を感じつつ、息つく間のないスターマインの連射に感激、アッという間の2時間でした。
特に尺玉が5発ぐらいが並列にそれぞれ連発して打ち上げられるわけですから、夜空一面に大輪が重なって広がりました。また仕掛け花火は信濃川にかかるフェニックス橋や長生橋を利用して1.3k以上の長さのナイヤガラの滝が作られ、圧巻でした。
TVでよくご覧なられた通りです。
再度のお勧めです。
返信する
好きな句鑑賞、他 (桑本栄太郎)
2022-08-12 22:58:04
龍峰様

残暑お見舞い申し上げます!!。
日本三大花火大会の一つ、越後長岡の花火大会を見物に行かれたとは、羨ましいほどのエネルギーですね?コロナ禍の為の自粛生活とは言え、三年も経てばうんざりです。「三年寝太郎」の民話を想い出したいものですね?。
さて現地長岡の花火大会の映像がYouTubeに上がって居り、それを見た上で、現地への吟行俳句の御句の佳句、秀句の中より、下記の御句を選び、鑑賞させて頂きました。
ただ、大変僭越な申しようながら「折角の句材のところ、もう少し推敲されればとも思い、勿体ない」とも感じました。

    ☆夏の夜に大輪重ぬ歓の声
夏の夜に大輪の花火があがれば、大観衆の歓声が聞こえますね?
「歓の声」との措辞が少し不自然であり、自然に詠んでみて
「夏の夜や大歓声の大花火」なども?   

    ☆七色の花火広ごる信濃川
越後長岡の花火大会は悠久の流れの一級河川信濃川の河川敷で行われるようですね?日本の三大花火大会ならでは、素晴らしいロケーションですね!!。   

    ☆息を呑む乱れ打ちなる揚げ花火
意表を突く様な、花火の揚り方と色彩の妙を見上げ眺めれば、全く「息を呑むような」揚げ花火の乱れ打ちですね?夢の中にいついまでも残るような残像です。「揚げ花火襤褸のやうな乱れ打ち」なども詠えます。    

    ☆川風のほほに次なる花火待つ
信濃川の河川敷は、夜ともなれば涼しい川風が心地良いのですね?
「ここち良き川風ほほに花火待つ」なども良さそうですね?    

    ☆スターマインや真昼をつくる大花火
揚げ花火の中で「スターマイン」とは「連続速射花火」の事であり、「ワイドスターマイン」と云えば、数か所より同時に打ち揚げ、天空に於いて合同するような連続速射の豪華な打ち揚げ花火もあるようですね?小さな子供であれば、一生いつまでも心に残る光景のようです。僭越ながら「つくる」との措辞が散文的に感じられ、言い替えて「真昼なすスターマインや大花火」なのでも?    

    ☆尺玉の花火越後を轟かす
花火の大きさの中でも「尺玉」は最大級の物であり、打ち揚げれば330メートルも揚り、東京タワーとほぼ同じ高さのようですね?米どころで名高い越後平野ならではの平野一杯に轟くようです。    

    ☆残像の残る静寂大花火
轟音の連続と共に、次々に揚る花火です。次の花火が揚るまでのほんの一瞬の静寂でも、残像がくっきり残るようですね?
ここでは「静寂」ではなく、「や」で切って
「残像の残るしじまや大花火」なども?如何でしょう!!    
    
    ☆信濃橋や仕掛け花火のナイヤガラ
仕掛け花火のナイアガラは横にかなり広くなるため、それこそ広い場所が必要なようですね?
又僭越ながら、上五に「や」で切れを入れる場合は五文字の方がリズムが良く、言い替えて「信濃橋の仕掛け花火やナイアガラ」などでは如何でしょう!!?    

    ☆花火師とライト振れあふフイナーレは
花火見物の大観衆も花火の頂点ともなれば、大歓声と大きな拍手が聞こえるようですね?そしてフィナーレともなれば、花火師へ観衆がライトを振って讃えるようですね?
「フィナーレはライトで讃ふ花火師へ」なども?    

    ☆揚げ花火消えて夜深き越後かな
普段はコシヒカリの米どころで有名なただだだっ広い越後平野です。花火大会が果てれば、又もとの闇夜の越後平野ですね?そこで
「花火果て闇夜のふかき越後かな」なども?

以上ですが、YouTubeの映像を見た上、御句の素晴らしい句材の捉えどころに刺激され、沢山僭越なる感想とご提案を申し上げまして、大変失礼致しました。

小生の一番新しい拙句を!。
     ☆新涼のラジオ体操妻の朝
     ☆律儀なる初鳴き聞くや法師蝉
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お礼 (龍峰)
2022-08-13 14:19:16
たらう 様

長岡の花火をわざわざUTUBEでご覧の上で、10句も選句頂き、各句に懇切丁寧な素晴らしいコメント頂き有難うございます。更に、各句を推敲の上、模範となる句をご教示頂き、大変勉強になっております。まるで、たらう俳句塾に入塾した心地がしております。
なかなか貴兄の足元にも及ばず、歯がゆい限りです。

さて今回は、勿論吟行ですから、目の前で見て、聞いて、感じた、その時に浮かんだ文言を最優先に、句作りを行いました。文言をいじって句が整うことも試みましたが、かえって現場で感じた臨場感が薄れていくように思われました。

整った俳句か、不完全でも現場で浮かんだ文言・俳句を優先するかは意見の分かれるところですね。
いろいろ貴重なご教示有難うございました。  
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